今回のワークショップは、「NPO法人CANVAS」が企画構成と広報を担い、プログラムの提供とナビゲート役を「NPO法人森ノオト」で行う、二つのNPOの初のコラボレーション企画でした。
CANVASは、未来を担う子どもたちの可能性をひろげ、子どもたちがフルスイングして創造・活動・表現することをテーマとして、全国でワークショップやイベント、セミナーを多数企画開催しているNPO法人です。「10のつくる」を掲げ(場/プログラム/拠点/人材/教材/ツール/空間/環境/まち/未来)活動の幅は多岐にわたります。
そして当方、森ノオトは、自然・エコ・暮らしをテーマとした活動を中心としています。
神奈川県相模原市の大規模マンションに住む住民の方々が、顔の見える関係をしぜんとつくれるようにと、年間を通じておこなわれる様々なワークショップの一環として、CANVASから森ノオトに声がけがあったのが昨年の秋頃。半年ほどかけて、土や草花、樹木と親しむためのプログラムをともに考えてきました。自然体感型ワークショップは、春夏と秋冬、それぞれ2会場、計4回開催する予定です。
第一弾の春夏バージョン、前半は庭乃持田園有限会社の社長で、樹木医の持田智彦さんを講師に、参加者みなでマンションの周囲とお庭を散歩しながら植栽を観察する時間です。イベント当日の5月20日は快晴。真っ青な空の下、爽やかな風を感じながら歩くだけで、気分も爽快です。
持田さんの説明を聞きながら、改めて植栽に目を向けて観察してみると、驚きの発見ばかり。風にそよぐ枝葉、さわさわと聞こえる葉の音、かすかに香る花の香り、常緑樹、落葉樹、香しい香りのする木、実をつける木。様々あります。
毎日静かに住民を見守っている木々たちは、季節を気持ちよく感じられるように巧みに組み合わされ、植えられている……そのことに気づくだけで、何気なく通り過ぎていた風景が昨日と今日で全く違って見えそうです。
そして、ただただ観察するだけでは終わらないこの企画。「手・耳・鼻・目」を使って感じたことを視覚化します。大人はポストイットにメモを、子どもたちはイラスト入りのシールによって、五感のどの部分を使って感じたのか考えながら観察していきます。
散策が終わったあとは、ポストイットのメモをお庭の地図に貼り出します。情報を与えられただけで終わらないよう、アウトプットする作業も大切です。
前半のお散歩が終わると、後半は手を動かす苔玉づくり。今度は、庭乃持田園の持田三貴子さんが先生です。8組の親子が参加しました。意識しなければ、なかなか土に触れる機会がないであろう最近、土の感触を味わいながらの作業で大人も子どもも夢中でコネコネ。
さらさらだった土に水分を加え、手でギュッギュッと固めていきます。コロンとできた土のお団子に、フワフワモフモフの苔を糸でくくりつけ完成!初対面のみなさんでも、作業しながらしぜんと会話が生まれました。
そして苔玉づくりで終わらないのが森ノオト流。事務局長の梅原昭子さんが、手作りの紙芝居を披露!苔玉を小さな地球に見立て、地球誕生から人間の生活、自然との関わり……宇宙や地球と「わたし」がつながっていて、人間も自然の一部であることを参加者の方に伝えました。
快適な生活を送ること。それは人とのコミュニティが活性化することもそうですし、自然の力を借りることも大切です。普段とは違う体験を共有することで、親子や世代間のコミュニケーションが生まれ、人と人がしぜんとつながり、自分の住まいにさらに愛着が湧くキッカケとなったのではないでしょうか。
他の団体との協働によってエリアを飛び出した企画で、これまで接点のなかった人々に、森ノオトの考える豊かな未来について伝えることができたのも、よい経験となりました。
CANVASのCI(コーポレート・アイデンティティ)。お道具箱がモチーフ。○と△と□で構成されていて、色はすべての色を再現できる三原色。無限の可能性と沢山の「つくる」が表現されている。
NPO法人CANVAS
〒110-0001 東京都台東区谷中7-5-12
TEL:03-6802-7984
FAX:03-6802-7986
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