「おもしろい!」は最強の学び。理科クラブで感じた「子どもの力を伸ばすコツ」
子どもたちが目を輝かせて「とにかく、おもしろい!」と言い、口コミで満席状態、
「建築家になる!」や「技術者になる!」と夢を見つけた子もいるー。そんな小学生向け理科教室が大倉山とセンター北にあります。その「理科クラブ」代表の西沢久美子さんにお話を聞き、娘と教室を体験してきました。(2022年ライター養成講座修了レポート:成瀬優子)

私が、理科クラブを知ったのは、この写真でした。

「ガイコツの研究」は、バラバラになっている等身大のガイコツを復元する、骨とからだの仕組みや不思議について考える理科クラブのイベントです(写真提供:西沢さん)

ガイコツと並んで寝そべる子どもたち……。「何これ!?なんだかおもしろそう!」イベントの告知を見た時に、直感的にそう感じたのを覚えています。

早速申し込んだけれど、あいにくの台風でイベントが中止に。そこから3年、ずっと気になっていた理科クラブの存在。

私自身は食育フードコーディネーターで子ども料理教室を運営しており、生徒さんが理科クラブにも通っていることで、何となく共通点を感じていました。今回記事を書くにあたり、「会って話を聞きたい人」で西沢さんがすぐに浮かんで取材をお願いしました。子どもたちに評判の理科教室の先生は、どんな人で、どんな事を大切にして子どもたちと向き合っているか、とても興味がありました。

大倉山教室「大倉山おへそ」前にて。「何か持とうかー?」と手に持った物からも、おもしろそうな人!の感じが伝わるでしょうか…

娘さんのために始めた教室

横浜出身の西沢さんが静岡に住んでいた頃、「山や自然はたくさんある(庭に猿が出る!)所だけど、学びや体験ができる教室がないなぁ。娘に理科のおもしろさを伝えたいなぁ」。そう思ったそうです。理学部出身の西沢さんが、当時小学2年生の娘さんと「台所」で始めた「お母さんと理科実験」。それが、理科クラブの原点とのこと。「ポップコーンが弾ける様子を観察したり、紫キャベツを煮出した汁で色実験したり…そんな程度ですよ」と言いますが、紫キャベツを料理はしても、実験しようとはならない私。やはり、同じようなお家も多いようで、「近所の娘の友だちが、おもしろがって常に入り浸るようになって(笑)そうすると、自分も楽しくなってきて、もっと楽しませたい!と思うようになりました。そうしたら、色々欲しくなって…」と西沢さん。

 

実験の域が台所にあるものを超えて 、お金がかかるようになったため、参加費をもらって実験器具や材料を買うことになりました。それが、教室の始まりだったそうです。

静岡で教室を運営した後、拠点が横浜に移り、今に至ります。娘さんも、今は高校を卒業する年になりました。

私も、小学生になった娘に、自分がやってきた料理のおもしろさを伝えたいなぁと思い、だったら他の子も一緒に!と自宅で教室を始めたので、同じだなぁと共感しました。お互い理系なのも共通点でした。

 

 

ものごとを深く知り、考えることのおもしろさを伝える

「教室で大切にしていることは何ですか?」という質問に、「自分がやりたい!おもしろそう!楽しそう!と思ったことをやっているだけだからなぁ 」と答えた西沢さん。

「『ねぇねぇ、見て!!』と言って、『スゲー!!』と返ってくる、そんなやり取りがしたいだけなんです。ガキ大将みたいな感じ?」と笑います。子どもたちにとっても、いわゆる「先生」とは違うのかも、おもしろい大人という感じなのかな、と思いました。西沢さんの取材メモを見返した時、私が一番たくさんメモしていた言葉は、「おもしろい」でした。お話を聞いていても、ご本人が一番楽しんでいるのが伝わってきます。

自分が知って楽しい、考えていく過程がおもしろい、その体験を子どもたちに伝えたい。そんな西沢さんの思いが、理科クラブという形になっています。

パソコンを解体した時に出てくる「マザーボード」。「ここがレアメタルでね、ここの仕組みがすごくてね」、と本当に楽しそうに説明してくださり、その熱量に私もつい、前のめりになりました。パソコンは子どもたちが解体しました

子どもの力を伸ばすには

「そんな立派なこと考えてやってないからなぁ…」と謙遜する西沢さんですが、じっくりお話を聞いていると、西沢さんが教室のプログラムで大切にしていることが見えてきました。お話の中から私が感じた、「子どもの力を伸ばすコツ」は以下の3つです。

 

1.体験

「リアルで見て、作って、失敗して…それが子どもの中に残っていく。」

娘が参加した「化石」の授業で、「中古の軽自動車が買えるくらいかなー」という化石に実際に触れて観察し、 化石発掘も体験しました。「化石発掘は、簡単には出てこない!ことを体験してもらいたい」と西沢さん。自分でやってみること、実際に経験すること、本物に触れることを一番大事にしている

 

2.きっかけ作り

「色々な種まきをしています。その種がその子の土に合っていれば育つ。いつか何かのきっかけになればそれでいい」

プログラムで大切にしているのは、ご自身のお子さんが盛りあがるかどうか。理科教室には、 子どもたちの興味が広がるたくさんの種類の化石(博物館級の価値のある化石も)が。化石はどうやってできるのか、化石から何が読み取れるのかを学びます

 

3.教えきらない

「完全にわかりきると人は忘れるんです」。教室では、あえて疑問点を残すように話しているそう。もっと知りたい!と思った時に調べられるよう、本の紹介や図鑑のひき方、博物館の紹介と博物館での質問の仕方を教えているのが、おもしろいなと思いました。

 

 

大切なのは、自分ごととして捉えること

理科クラブでは、マイクロプラスチックを取り上げたり、環境問題につながる学びもプログラムに組み込んでいます。それは、「理科を学べば、生活につながり、生活は環境問題につながる」という、一連の流れのなかで学んでほしいという思いからです 。

 

マイクロプラスチックの問題も、まずはプラスチックのことを学び、

 

私たちの生活にいかに欠かせないものかを実感する

マイクロプラスチックを自分で探してみる

リサイクルや脱プラについて考える

 

というように、こうすべきという理屈からではなく、問題を自分ごととして捉えたり、体感が残るように考えられています。

 

大人にとっても環境問題は、自分ごととして問題を捉えた時に見方が変わり、自分がどうしたいか考えた時に次の行動につながるというのは同じでしょう。

標本作りのプログラムも。<収集→観察→分類>は科学の基本。 貝を分類して「この貝がいる海は水がきれい」と環境指標につながる学びがある。つい友だちに言いたくなる・・・そんな知識が得られるのも、子どもたちが楽しいと感じるところ

 

 

一生役立つ学び

理科クラブは、受験のための理科教室ではありませんでした。理科を通して、子どもたちに自分で考えるおもしろさを教える教室でした。点数を取るための一時的な学びではなく、一生役立つ、自分で考える力をつけるための学びです。

 

それは西沢さんが、ひとりひとりの子どもの持つ力、可能性を信じているからに他なりません。

子ども自身が興味を持つきっかけを作り(種まきして)、子どもが興味を持った場合は次のステップを自分の力で踏み出す(芽を出す)ための、少しの道しるべを立てる(おひさまや水になる)。

そんな存在の大人がいると、子どもの可能性は花開くのだと感じました。

私もそんな大人でありたいと思いました。そのためにも、私自身、色んな事をおもしろがれる人でありたい、おもしろい!!と思うことを追求しよう、そして、子どもと一緒に楽しもう!と感じた取材でした。

 

実は娘(小学5年生)は特に理科好きというわけではなく、今回は取材のために私が協力要請して体験したのですが……。始まってみると  、私の存在など気にせず、とても積極的に参加して楽しんでおり、初めてのことにどんどんチャレンジしていました。化石発掘の後は、教室に飾られていた石コレクションに目が釘付けになり、「欲しい!」と言い出す始末。化石をはじめ「石」に興味が湧いたようです。身近な存在である石の見方が変わったことで、娘の世界が広がったのを感じました。娘が教室で発掘した化石を持ち帰り、話をすると、「オレも行きたかった!!やりたかった!!」と弟。こうして教室が口コミだけで埋まっていくのね…と実感したのでした。早速、家族で「石を見に、宝石展に行こう!」となりました。

「おもしろい!!」は最強です。

Information

理科クラブ

◆理科教室(月1回通学):大倉山教室・センター北教室

クラス:低学年クラス・中学年クラス・高学年クラス

教室の詳細はこちら

https://rikaclub.jp/

 

◆教室の他、単発の出張イベント開催もあります

※2022年の夏休みは、都筑公会堂・港北公会堂で「ガイコツの研究」が開催されます

理科クラブ会員以外も参加できます(小学生以上)

https://rikaclub.jp/event

 

◆実験キットを使って、お家や学童で体験もできます

https://rikaclub.jp/shop

 

お問い合わせやお申込みは、ホームページからできます。

 

Instagram

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YouTube

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