東京育ちの私が、柚子胡椒にはまったのは十数年前。当時働いていた会社で、福岡に転勤になった時でした。とんこつラーメン、水炊き、鉄板餃子、もつ鍋、ごまさばと、挙げればキリがない福岡の素晴らしい食に至極感動し、貪るように食べ歩きをしていました。そんな中、お店によく置いてあった柚子胡椒。こってりとしたものはさっぱりと、あっさりとしたものには飽きさせない変化を加える、色々な料理に合う優秀スパイス。東京に帰ってきた今も、冷蔵庫に常備するようになりました。
柚子胡椒は手軽に作れることを知り、昨年から手作りするようになりました。今年も夏の終わりにかけ、庭で育てている青唐辛子が水分を含み、色ツヤよくたくさんの実をつけていました。9月に収穫した青唐辛子を、ヘタと種とワタをとり冷凍保存しておき、10月には黄色く色付く前の青柚子を手に入れて、柚子胡椒を作りました。青唐辛子は7~9月頃、青柚子は7~10月頃が旬のため、その時期に作ることができますよ。
この記事では青柚子胡椒を紹介しますが、11月以降も出回る、黄柚子と赤唐辛子を使えば、赤柚子胡椒も作ることができます。赤柚子胡椒の味わいは、爽やかな辛味の青柚子胡椒と異なり、熟した柚子の香りと強い辛味が特徴で、炒め物など火を通す料理によく合います。
【自家製柚子胡椒のレシピ】
材料(作りやすい分量)
○青柚子(小)の皮…約10個分 85g
○青唐辛子(中〜大サイズの果肉が厚いものがよいです。ヘタと種とワタを除いたもの)…約15本分 85g (青柚子と同量)
○塩…34g(青柚子の皮と、ヘタと種とワタを除いた青唐辛子を合わせた分量の20%)
作り方
①青唐辛子のヘタと種とワタを取り除く。青柚子の外皮を包丁でそぎ切りする。それぞれの重量を計る。青唐辛子と青柚子を少ない方の重量に合わせて準備し、それぞれをみじん切りして、合わせる。
② ①で青唐辛子と青柚子を合わせた重量の20%の塩を計量。塩と①を混ぜ合わせて完成。
保存容器に入れて、冷蔵保存で約1年もちます。私は熱湯消毒したビンに入れて冷蔵保存しています。使用頻度が高くない場合は、衛生面から、小分けの冷凍保存もおすすめです。
【おすすめの柚子胡椒の使い方】
柚子胡椒は醤油代わりとして、冷ややっこ、餃子やお肉料理の味付けに、また、薬味として、おでんや麺類に添えたり、カルパッチョソースやサラダのドレッシングにしたりと、色々なものに使用できます。ここでは、私のおすすめの食べ方をいくつかご紹介します。
■塩麹漬けゆで鶏の柚子胡椒添え
味付けがシンプルな分、鶏肉のうまみと甘味を柚子胡椒が存分に引き立たせてくれます。鶏肉のゆで汁もとてもおいしいのでスープにしたり、ご飯を炊いても。
①鶏胸肉を8mmくらいの厚さに切り、塩麹を全体に薄く行き渡るように馴染ませ20分くらい置いた後、全体に片栗粉をまぶす。
②①をお湯で5分程度ゆで、鶏肉の色が白く変わったら鶏肉を取り出す。しっとりと仕上げるためにゆですぎないように。
③お好みの量の柚子胡椒をのせる
■小松菜と油揚げの柚子胡椒ペペロンチーノ(1人前)
柚子のさわやかな香りと程よい辛味で、さっぱりと食べることができるパスタです。
①フライパンにオリーブオイル大さじ1.5、ニンニクのみじん切り1片分を入れ中火にかける。ニンニクの香りが立ってきたら、あらかじめ油抜きした1枚分の短冊切りした油揚げと、3cm長に切った小松菜約80gとを加えて強火にしてサッと炒め火を止める。
②①にパスタのゆで汁大さじ2、柚子胡椒と白だしを小さじ1程度ずつ加えて馴染ませる。
③ゆでたパスタを加えて和える。仕上げにお好みで柚子胡椒や塩を加えて味を調える。柚子胡椒によって塩分が若干違うので、塩加減は調整してください。
■柚子胡椒チャイ(約2.5杯分)
えっ!?と思われるかもしれませんが、おいしいんです。ほのかに塩味が加わるので、全体的にコクとまろやかさがアップし、味わい深いチャイに。柚子のさわやかな香りと、ほんのりした辛味が心地よいです。
①水300mlを沸騰させたら火を止めて、紅茶(アッサムかセイロンがおすすめ)をティースプーン4〜5杯入れ2分ほど置く。
② 牛乳300ml、砂糖大さじ1/2を加えて火にかけ、煮立つ直前で火を止めて、柚子胡椒をティースプーン1/2加える。火加減は弱火〜中火で。柚子胡椒、砂糖はお好みで調整して下さい。
③ ②を茶こしでこしてからカップに注ぐ。柚子胡椒が好きな方は②で加えずに、カップに直接ひとさじ加えてください。
■おつまみとして
そのままおつまみとして、ちびちび日本酒やジンのおともに。ガーリックトーストの上にのせて、ビールや白ワインと一緒に楽しむのもおススメです!!
【番外編(青柚子の果肉部分の活用方法)】
外皮をはいだ後の青柚子の果肉部分は、厚い白皮部分を除いてから、絞った果汁を冷凍保存してドレッシングなどに利用できます。残りの絞りかす部分はジャムにします(もちろん果汁ごとジャムにしてもよりおいしいです)。絞りかすの果肉と白い薄皮を細かく刻んだものを、等量の砂糖と混ぜてしばらくおいて馴染んだ後に、弱火にかけて緩めのジャムにします。
ジャムを作る時に、種も一緒に煮れば、種からペクチンが抽出され、固めのジャムになります。分厚い白皮部分は天日干しして冷蔵庫の脱臭剤に。
柚子は捨てるところがありませんね〜。すばらしい!
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