もみ殻くん炭には、見えない小さな穴がたくさんあいていて水や空気を通すので、土に混ぜ込むと、水はけをよくしたり、微生物が住みやすい環境をつくってくれます。もみ殻そのままでも効果がありますが、炭にすることでアルカリの性質を持つため、酸性に傾いた土を中和したり、その燻された匂いにより防虫効果もあります。ホームセンターや園芸店で見かけるので、ご存知の方も多いと思います。
それを、自分たちの手で作ってみたい!作ろう!と集まった人たちで、実際に作ってみた様子をレポートします。
言い出しっぺは、たまプラーザにお住まいのガーデンデザイナー、安藤よしかさん。安藤さんは、できるだけ環境に合ったその地域本来の植生や、地域にある資源を生かして、庭をデザインしたいと考えている方です。オープンガーデンあおば2022にも参加してご自宅の庭を公開されていました。
安藤さんは、「小さな庭でも、循環の仕組みを取り入れることで、ローメンテナンスで、心地よい空間をつくることができます。そんな庭を少しずつ増やしていくことで、地域の環境や生態系を守ることにもつなげたいんです」と、夏頃から、フィールドワークとして寺家ふるさと村とその周辺によく通われています。
作り方の指導は、しめ縄作りでも活躍していた里のengawaのアレックスさん。もみ殻を提供してくれたのは、はやし農園の林英史さんです。
安藤さん、アレックスさん、林さんの3者が揃ったのは8月26日に行われたJIKEマルシェの出店者説明会の会場でした。そこでの立ち話から、トントンとことが進み、2022年10月31日に安藤さん主催でもみ殻くん炭づくりのワークショップが行われました。
この日は風もなく穏やかな日だったので、アレックスさんが火の様子を時折チェックする役となり、安藤さんら参加者さんたちは、秋の里山をお散歩したり、お弁当を食べて過ごしたそうです。私、梅原は、別用のため、鴨志田町の森ノオト事務所に向かい、出来上がる頃にまた戻ることに。
お米を育てる人、里山の風景や暮らしを守り伝えたい人、その地域にあるものを生かして庭をデザインする人。その3者が出会うことで実現した、もみ殻くん炭作りは、お天気にも恵まれて大成功。「今後も毎年続けていけたら」と安藤さんは瞳を輝かせていました。
寺家の「田んぼ」で育ち、人の手をかけてつくられたもみ殻くん炭。それを使うことで、まちなかの小さな庭やプランターの土の環境がよくなり、心地よい空間が生まれ、それがまた翻って、寺家の風景を守ることにつながる。そんな素敵な循環が、小さくともずっと続いていく未来は豊かだなと感じます。今回は、レポート役だったので作業ができませんでしたが、私自身も、できるだけ毎年この作業に関わって、その輪を広げていけたらと思いました。
安藤さんが主催する「One_Seed」のブログでも、もみ殻くん炭づくりについて触れられています。
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