このまちに長く愛されるお店に育てたい。鴨志田町のイタリア料理店「ピッツェリアチョッパー」
青葉区鴨志田町に2023年6月にオープンしたイタリア料理店「ピッツェリアチョッパー」。本格イタリアンとワイン、店主との会話を楽しめるお店です。チョッパーを一人で営む、安居朋美さんにお話を伺いました。

横浜市青葉区鴨志田町。東急田園都市線・青葉台駅からバスで15分ほど、豊かな田園風景が広がる寺家ふるさと村と隣接する住宅街。小さなまちですが、個人経営の飲食店が点在し、ランチタイムが楽しいまちでもあります。

 

暮らしに近い鴨志田町近隣の新しいお店情報のチェックを欠かさない私。ある日、自転車で通りがかったお店の前に、新店オープンの張り紙がされていることに気づきました。鴨志田中央交差点から環状4号に向かう通りに面し、森ノオトで過去に取材した美容室「poma」さんのお隣です。

「鴨志田にイタリアンができる?!」

このニュースに、心が躍った鴨志田エリアの住民は私だけではないはずです。

撮影するとサービスショット的な変顔が多い安居さんの隙を狙った、良い笑顔の一枚

2023年6月にオープンした同店を営むのは、安居朋美さん。仕入れから調理、接客まで、一人でお店を切り盛りしています。ドアを開くと、カウンターキッチンに明るい光が注ぎ、気持ちよく整えられた店内に居心地の良さを感じます。

 

「本当にここでお店を開いてよかった。それにつきます。お客さんがお客さんを呼んでくれたり、うちの店のチラシも配ってくれたりして、とにかくみんなよい人ばっかりです」と、オープンから1年半が経ち、今の心境を語ります。

店内10席、テラス2席。奥のテーブル席は落ちついて寛げる仲間内とのランチやディナーにぴったり

ランチ時は日替わりのピザかパスタを選べるランチセット。夜はアラカルトとワインを楽しめるお店です。キッチンカウンターの奥に見えるピザ窯で、一枚ずつ焼き上げるピザは、焼きたてアツアツでチーズがトロリ。ファンの多い逸品です。「自分でも、うちの店って手が込んでるよなぁと思うんですけど」と笑う安居さん。料理に添えるまるパンやデザート、オイルまで、そのほとんどが自家製です。

調理がはじまると、職人モードに入る安居さん。パッパと生地を整え、高温短時間のピザ窯で手早く焼いていきます

私がチョッパーを訪れるのは、だいたいランチタイムのラストオーダーギリギリの時間。ぺこぺこでお店に駆け込んだ私の胃袋を、丁寧に作られた前菜やパスタ、ホッと一息のコーヒーが、いつも満たしてくれます。「お客様、いつもこの時間帯に駆け込んできますよね」と、にやりといたずらな表情でキッチンカウンターから声をかけられたのが、とても印象的でした。手際よく調理している、ちょっとシャイな料理人なのかと思っていたら、大きな声で笑って、歯に衣着せぬトークが炸裂する安居さん。料理の腕前はもちろん、店主との会話も、オープン1年半あまりで、たくさんの常連がついている理由なのだろうと思います。

ピザメニューの中でも一番人気の「ビアンケッティ」。青のりとしらすに生クリーム、モッツァレラチーズの相性バッチリの絶品。取材していると、ピザのテイクアウトのオーダーも

安居さんが料理の道に進むことになったのは、30歳の頃。百貨店で販売のお仕事をしていたけど、何か手に職をつけたいと思いながらも悶々と悩んでいた安居さんに、職場の先輩が「自分から変わっていかないと」と背中を押されたのがきっかけだったのだそう。一歩踏み出し、働きながら調理師専門学校で学びました。「なんか明るい感じだし、料理として好きだし、向いているかなって」と卒業後はイタリアンの道を選びました。そこからは、都内や横浜、川崎近郊のいろんなイタリア料理店を渡り歩いて18年、経験を積んできました。

 

ずっと自分の店を持つことを目標に、修業しながら自己資金を貯めてきたという安居さん。「カウンターがあって、明るいイメージで。こういうお店がいいなって、内装の感じも、具体的に絵を描いたりしてましたね」。あたためてきたその思いを実現する場所として、「どんぴしゃだった」と、現在のお店との出会いを振り返ります。地元であり、現在も暮らす新百合ヶ丘エリアからの距離感も良く、駅前でもない、ほどよい住宅街。思い描いていた風景が、この鴨志田町にあったのだと言います。

テラス席はワンちゃんOK。囲いがあるので通りから直接見えることはなく、気持ち良い風を感じながらのランチはいかがでしょうか

ワインが飲める大人にうれしいお店であり、ファミリー層は誕生日などのお祝いごと、テラス席はワンちゃん連れ、ランチはママ友グループでワイワイと。歩いていける距離に、おいしいピザとワインが楽しめるお店がある。安居さんの話を聞きながら、このお店に訪れるあの人、この人と知り合いの顔が浮かび、この地域に住む人々にとって、チョッパーの存在が、暮らしの中の新しい楽しみになっていることを感じます。

 

「一人でやっているし、まわりに助けてもらわなきゃ、と思って、いつもの自分の感じでSNSでも、『今ヒマです!』とか投稿しちゃうけど常連さんがそれを見て来てくれたりして。とにかく、地域の皆さんに愛されるお店になっていきたいし、1日でも長く続けていきたいです」と、安居さんらしいクシャッとした笑顔で、夢を語ってくれました。

ランチでパスタを頼むとついてくるまるパン。ピザ生地でつくられていて、モッチモチ。「まるパンだけで売ってよ」とお客さまからリクエストがあるほどの人気

11月23日に開催する「あおばを食べる収穫祭」がマルシェ初出店。店頭で人気のまるパンとピタサンドを販売します。「爪痕を残しますよー!」と気合い十分のチョッパーから、今後も目が離せません!

Information

ピッツェリアチョッパー

住所:横浜市青葉区鴨志田町504-3吉岡コーポ101

営業時間:11:30-15:00(L.O.14:00)、17:30-21:30(L.O.料理20:30、ドリンク21:00)

定休日:水曜

電話:045-482-6120

Instagram:

https://www.instagram.com/pizzeria_chopper/

Avatar photo
この記事を書いた人
宇都宮南海子事務局長/ライター
元地域新聞記者。エコツーリズムの先進地域である沖縄本島のやんばるエリア出身で、総勢14人の大家族の中で育つ。田園風景が残る横浜市青葉区寺家町へ都会移住し、森ノオトの事務局スタッフとして主に編集部と子育て事業を担当。ワークショップデザイナー、2児の母。
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森ノオトのつくり方

森ノオトは寄付で運営する
メディアを目指しています。
発信を続けていくために、
応援よろしくお願いします。

もっと詳しく