
4月の編集会議でぼんやりと今年は森ノオトエリアの神社を訪問してみたい。と企画案を出していた私は、5月の編集会議でさらにその企画を練るうちに、6月に夏越大祓があるのを思い出しました。
小さい頃から年末には大晦日を迎え、新年には初詣で参拝するということを繰り返してきましたが、神事では半年に一度穢れを払う「大祓」を行なっていると知ったのは数年前。半年ごとに穢れを払うことは、私自身としてもその年の前半の振り返りにもなり、新たな気持ちで一年の後半を過ごす良い機会だと感じるようになり、私は6月にも神社を訪れる機会が増えました。
神社の中には、夏越大祓の神事と一緒に無病息災を祈って茅や藁を束ねて作られる茅の輪が本殿の前に飾られることがあります。
そのため、今年は森ノオトエリアにある茅の輪くぐりのできる神社を訪問してみたい!という思いが湧き、この企画を始めました。
今回は東急田園都市線沿いの横浜市青葉区周辺と川崎市麻生区、高津区にある神社を参拝しました。
溝口神社
溝の口駅の西口を出て徒歩5分のところにある溝口神社。
周りはお店や車通りがあり、にぎやかな場所にあります。
参道に入るとにぎやかな雰囲気から一転し、心が静まっていくのを感じました。

参道の先には本殿が見えます
最初に目に飛び込んできたのは鳥居にかかっている、「溝口神社改名150年」の文字。
もともと溝口神社は赤城社という名前だったそうで、溝口村の鎮守として僧・修禅院日清が造営したと神社保存の棟札(むなふだ)に記されていたそうです。
それまでは神仏習合の社として親しまれていたそうですが、明治になってから神仏分離の法によって、新たに伊勢神宮から御分霊を迎えたと言います。
そのため現在は天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)と日本武尊が御祭神として祀られています。
参道を抜けて右側には手水舎があり、手と口を清めた後、本殿を参拝しました。

本殿の前には鏡があり、しっかりと自身と向き合い参拝できます
私が参拝した日の午前中も参拝する方が何人もいらっしゃっていて、日頃より親しまれている神社であることがうかがえました。
また、溝口神社で印象的だったのは、御神木がとても多いことです。

上左から親楠、願掛けの夫婦銀杏、長寿ケヤキ、下左は垂乳根の銀杏、子楠です
親楠は樹齢300年以上、長寿ケヤキは樹齢500年以上だそうで、生命力あふれる立派な御神木をそれぞれ拝ませていただきました。
参拝で心身が清められるだけでなく、生命力の強い御神木のパワーと街の活気や明るさが伝わってきて元気がもらえる神社だと感じました。
そんな溝口神社では、6月下旬には茅の輪が設置され、6月30日の午後4時に夏越大祓の神事が行われる予定です。
<Information>
溝口神社
夏越大祓:6月30日午後4時
茅の輪設置期間:6月下旬設置後、1週間程度
住所: 川崎市高津区溝口2-25-1
電話:044-822-3776
HP:http://www.mizonokuchijinjya.org/
instagram:https://www.instagram.com/mizonokuchi_shrine/
武州柿生琴平神社
たまプラーザ駅の北口のバスターミナルから「柿生駅前行(柿01)」に乗車して20分。琴平下のバス停の真向かいに琴平神社の儀式殿があります。

車通りに面する大鳥居が大きくてすぐに目につきます
私が琴平神社に参拝したのは2回目ですが、前回は本殿のみ参拝したので、儀式殿に伺ったのは初めてです。
参拝の順番として合っているのか不安だったため、受付で聞いてみたところ、正式には本殿からとのことでしたが参道の階段が急なため、困難な場合は儀式殿から参拝しても問題ないとのこと。先に本殿に向かいました。
社殿の入り口の近くには、琴平神社の創建のきっかけが書かれた川崎の歴史のガイドがありました。それによると、1826年に王禅寺村の名主だった志村文之丞が讃岐の金刀比羅宮から御分霊を迎え神明社と合祀したとあります。
御祭神は天照大御神と大物主神です。

階段を上った先の本殿
狛犬は新しいものと古いものがそれぞれ二対あり、古いものは金刀比羅宮から御分霊を迎えた時に一緒に奉納されたそうです。
本殿の周りは見晴らしがよく風が吹き抜ける場所で、清々しい気持ちで参拝を終えました。
その後、儀式殿の方にもお参りしました。

儀式殿はとても大きくて立派で荘厳な雰囲気です
手を合わせると心が静まるような思いがしました。
そのほか、銭洗い弁財天や福寿稲荷などの社もあり、それぞれ拝ませていただきました。
琴平神社の茅の輪は6月30日の夏越大祓に設置後、8月31日までくぐることができます。
<Information>
武州柿生琴平神社
夏越大祓:6 月30日午後3時
茅の輪設置期間:6月30日〜8月31日
住所:川崎市麻生区王禅寺東5-46-15
電話:044-988-0045
HP:https://www.kotohirajinja.com/
長津田 王子神社
王子神社は長津田駅から徒歩9分。駅の南口を出て国道246号線方面に向かって駅前通りをまっすぐ進み、旧大山通りを渡ってさらに直進。長津田幼稚園を右手に見ながら曲がると神社が見えてきました。
神社の入口に着くと、横浜市内で名木古木に指定されているの背の高いモミの木が迎えてくれました。
御由緒も入口に書かれていたので読んでみると、御祭神は伊邪那岐命(いざなきのみこと)と速玉男命(はやたまをのみこと)。
速玉男命は私は初めて知った神様でしたが、悪縁を断ち切り、穢れを清め、良縁を結んでくれる神様です。
しばらく御由緒を読ませていただいた後、いよいよ王子神社の鳥居をくぐり、階段を上ってゆくと本殿が見えました。
本殿は落ち着いた佇まいです。本殿に立つと自然と安心感が湧き穏やかな気持ちでお参りすることができました。

本殿の様子。伺った日は日本晴れでした
お参り後、神社の関係者の方にお話を伺ったところ、王子神社の狛犬は子連れの狛犬になっていて、子宝の狛犬として親しまれていると教えていただきました。
狛犬たちを目にして女性や子どもへの優しさも大切にされている神社なのだなと感じられました。
茅の輪は6月の下旬に設置するとのことで、夏越大祓は6月30日の15時30分に行われます。
<Information>
長津田 王子神社
夏越大祓:6月30日午後3時30分
茅の輪の設置期間:6月下旬から7月6日頃まで
住所:横浜市緑区長津田7-5-34
電話:045-984-6560
HP :https://nagatsuta-ouji.or.jp/
神鳥前川神社
神鳥前川(しとどまえかわ)神社は田奈駅から歩いて8分のところにあります。
県道140号の道をまっすぐと進み、国道246号線を渡って、もうしばらく歩いていると見えてきました。
本殿は階段を上った先。参道は木々に囲まれていて、まるでトンネルを潜っていくようです。
階段を上りきると、すでに茅の輪の設置が行われていて、今年初めての茅の輪くぐりになりました。
本殿に参拝すると、暑くて乱れていた心がすっきりしたような清涼さを感じました。

茅の輪から本殿との間にはこれから風鈴が飾られ賑やかになるそう
神鳥前川神社は、日本武尊と妃の弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)をお祀りしたのが始まりとされ、後に、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が合祀されたそうで2組の夫婦の御祭神をお祀りしています。
神鳥前川神社の「神鳥」を「しとど」と私は最初読むことができなかったのですが、日本武尊が逝去された際に、白い鳥に姿を変えられて飛び立たれたという故事から由来し、「白鳥前川神社」と呼ばれていたのが、いつの頃からか「神鳥」と呼ばれるようになった経緯があるそうです。
また、前川神社の「前川」は神社の真下に恩田川が流れている様子を弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)の入水の故事と重ね合わせて名付けられていると聞き、神鳥前川神社を創建した鎌倉時代の武蔵国桝形城主・稲毛三郎重成の思い入れの深さを感じました。
境内には伏見稲荷神社や仙元社などのお社もあり、本殿を参拝後それぞれ拝ませていただきました。
私が伺ったのは午後3時ごろ。木漏れ日が美しく、純粋できれいな光や空気を帯びているような神々しさが印象的でした。
神鳥前川神社の夏越大祓は、6月29日の午後2時から行われる予定です。
<Information>
神鳥前川神社
夏越大祓:6月29日午後2時
茅の輪の設置期間:6月16日から7月中旬頃まで
住所:横浜市青葉区しらとり台61-12
電話:045-983-0707
HP:https://www.shitodomaekawa.com/
instagram:https://www.instagram.com/shitodomaekawa/
以上、4社の茅の輪くぐりが行われる神社を参拝しました。それぞれの神社によっても伝わってくる雰囲気が違い、また歴史的な背景にふれることができ楽しく、参拝することで心を清められたように感じました。
みなさんもぜひ茅の輪くぐりの期間に参拝してみてはいかがでしょうか。

生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!