


電車に揺られて数十分、東急田園都市線の江田駅ホームに降りました。江田駅は1日約31,901人の方が利用している駅です。
上り線ホームで駅看板にカメラを構えていると、看板の下に水飲み場があることに気づきました。他の駅であまり見たことがありません。幸先良好!まさかの発見にうれしくなりました。

江田駅ホームにあった水飲み場
江田駅には東口と西口があり、今回は江田駅西口に降りました。他にどんな出会いがあるのかさっそく探検です!

江田駅西口前。西口のバス停はブルーラインの「センター南駅」、「仲町台駅」行きがあります
西口前はバス停やお店があり高い建物がないので圧迫感もなく静かな印象です。駅前の公衆トイレの裏には、駅の反対側に行ける道があり、その高架の手前には紫陽花が咲いていました。

駅横の紫陽花。6月にはたくさん咲いています
紫陽花を横目に緩やかな坂を上っていくと公園があります。緑あふれる空間で一歩足を踏み入れるとさまざまな鳥の声。にぎやかな街並みからまた空気が変わります。
この公園は「赤田西公園」といい「赤田2号墳」のレプリカが実寸大で再現されています。

赤田2号墳のレプリカ。実際にあった場所はここから東に410m、北に310m離れた位置にあったといわれています
この地域は「赤田地区遺跡群」といい、土地開発する前提で発掘調査が、1985年から1988年に行われました。この調査では14カ所の遺跡がみつかり、この2号墳からは武器や玉類など多く発掘されたようです。
この「赤田2号墳」は自然地形を利用した径約20mの円墳で、この地域の横長式石室の中でもっとも古いものだったといいます。レプリカとはいえとてもリアルにできていて、当時の痕跡を感じることができました。
そしてこの公園は遊水地となるグラウンドがあり、毎年ここでは花火を上げる盛大な夏祭りが行われているようです。
線路の向こう側を目指して街路樹が続く通りを歩いていると、美容院である「NAP」の敷地内に新鮮野菜と書いたのぼり旗が目に入ってきました。

美容院横のスペースに無人販売で野菜が売っています

この日の野菜のラインナップ。季節によりいろんな野菜が並びます
10時頃のぞいてみると夏野菜がズラリ。眺めていたら常連さんがきて「ここでは週に何度か朝に野菜が並ぶのよ」と教えていただきました。週に2度、地元の旬の野菜を並べているそうです。
まだまだ歩くし荷物になるし、「とうもろこしだけ」と思っていると、別の常連さんがきて「ここのトマトがおいしいのよ」と。小銭がないなと思っていたら「美容院で両替してもらえるよ」と教えてくれました。
家で食べてみるとトマトのおいしいこと。皮は柔らかくみずみずしい。私の母は野菜を作っていて夏によくトマトを食べていたことを思い出しました。横浜に来てから、スーパーで買うことが多く、久しぶりにとれたてを味わうことができました。とうもろこしは甘かったです。地場の季節の野菜を食べるおいしさを噛みしめることができました。
住宅街を進み駅の東口側、東名高速道路の高架をくぐると交差点に「荏田宿案内板」をみつけました。

荏田宿案内板。当時、荏田宿にはたくさんのお店があったことがわかります
この辺りは、降りない駅に降りてみた「梶が谷駅」編でもでてきた大山街道があり、この荏田宿は大山詣りをする旅人が一日目の夜を過ごした場所といわれています。
大山詣りとは伊勢原市にある大山阿夫利神社を参拝すること。江戸時代には五穀豊穣や商売繁栄を願い大山詣りすることが旅のブームとなっていました。荏田宿周辺は明治の火災により建物は消失してしまったそうですが、この看板は荏田宿保存会の皆様が設置されました。
私自身昨年家族で大山阿夫利神社にいきました。横浜市からの距離は車でも相当遠く、いまでは大山にケーブルカーがありますが、この時代の人は何日もかけて自分の足で歩いていたと思うと、彼らの体力と旅の楽しみ方の違いに驚きます。この荏田宿で一日目の体の疲れを癒やし、これからの旅に思いを馳せていたのかと思うと荏田宿は当時とてもにぎわっていたのだろうと感じました。
この周辺を旅していた私もお腹が減ってきました。ここで空腹と疲れを癒やすため近くにあった「ぐらすうっど」へ行きました。

早淵川と合流する布川の近くにある、ログハウスの喫茶店「ぐらすうっど」
昭和レトロの趣で、「喫茶店の定番メニュー」のピラフやカレーなどがあります。食いしん坊な私はケーキも食べたいのでサンドイッチ二つ、そして珍しいオレンジティー、ベリーベリーのケーキを注文しました。

左のお皿が卵サンドイッチと野菜サンドイッチ。ドリンクはオレンジティー。手前はベリーベリーのケーキ
このサンドイッチは一つのボリュームがすごい。野菜サンドイッチはセロリも入っていてワンハンドのサラダという感じです。オレンジティーは果肉入り。ストローから飛び出してくる果肉のつぶつぶ食感が楽しいです。紅茶とオレンジの組み合わせはとてもさわやかでした。
ベリーベリーのケーキは中のムースと上に乗った甘酸っぱいベリーとの相性がバツグンです。店内は水が流れる陶器のインテリアの音とゆったりしたBGMが流れていて癒やされ、汗も引き空腹も満たされました。
私には江田駅でもう1軒紹介したいお店があります。それが江田駅東口徒歩8分、ハーモス江田内にあるパン屋さん「LAMBROS」です。実は私はLAMBROSのファンの一人で、昔からよく通っています。

「LAMBROS」店内の様子。ハード系のパンからサンドイッチ、コーヒーの販売も行っている
LAMBROSのパンは保存料、着色料を用いず、良質なバターを使って仕上げています。私がこのお店でおすすめしたいのは人気ナンバー1のめんたいフランスです。この日も大好きなめんたいフランス、ミルクフランスそして人気ナンバー2のクロワッサンを買って帰りました。

写真に収まりきらないほどのめんたいフランス。クロワッサンもとても大きい。ミルクフランスのハードな生地と優しい甘さはぜひ味わってほしい
お昼にサンドイッチとケーキを食べた私はお腹に入るか心配でしたが、この大好きなパンは心配ご無用でした。めんたいフランスは噛むとパリっとした外側、内側にはジワっと溶けたバターと明太子があふれてきます。絶妙な食感と風味に毎回「この味だ」と唸ってしまいます。
ミルクフランスも、固いパン生地と柔らかくて甘いミルクのバランスの良さが好きです。クロワッサンは噛むと一口目にバターの香りが広がります。卵を使っていないので卵アレルギーの方も安心食べることができます。
「LAMBROS」のパンを食べながら、私は歩いてきた江田駅周辺を振り返りました。赤田2号墳や荏田宿のような、歴史を感じられるスポットの多い江田駅。当時の建造物は開発や火事により現存しているものは少ないです。しかし歩くことで歴史を振り返り、かつての宿場町を伝える看板や復元された建造物に出会うことができました。
街の様子は降りてみないとわかりません。その街の歴史とお店をまわる旅人になってみませんか?目的のない途中下車も楽しい思い出になると思います。

江田駅で降りてみた方は、ぜひ森ノオトへ感想をお寄せください。
https://morinooto.jp/mori/contact/
赤田西公園
住所:横浜市青葉区あざみ野南3-1-1
野菜無人販売(NAP横)
住所:横浜市青葉区あざみ野2-6-15
販売日:月・金 10:30~
URL: https://nap-eda.jp/index.html
ぐらすうっど
住所:横浜市青葉区荏田町426-1
営業時間:月~金 10:00~18:30
LAMBROS
住所:横浜市青葉区荏田西2-14-3(ハーモス荏田B1F)
営業時間: 10:00〜19:00(火・水曜日定休日)

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