梶が谷駅は、アップダウンの坂道もあるベットタウン。駅前の大通りには本屋さんや飲食店などが何軒か連なり、バスターミナルやカフェもあって、こぢんまりとして歩きやすい雰囲気があります。駅を見下ろせる坂があるので、電車好きのちびっこが電車を見ていることも多いですね。梶が谷駅の改札を出て、子どもの足で5分ほど歩くと、「木のおもちゃトナカイ」があります。
私がこのお店を知ったのは今から10年ほど前になります。当時2歳の長男を連れ、時々遊びに行っていたので、いつ行っても当時を思い出し、懐かしい気持ちになります。友人に連れられ、初めて行った時の感動は今でも覚えています。外遊びと積木が大好きだった友人親子と私たち。こんなお店が近所にあったんだ!と全員で目を輝かせました。
今回、久々にトナカイに一緒に訪れたのは、次男(8歳、2年生)と長女(4歳、年中)です。次男は小学生になってからはじめて。最近はなわとびにはまっていて、おもちゃ屋さんは興味があるかわからず連れて行くのにちょっと迷いましたが、次男がお正月によく遊んでいるコマも店頭に並んでいる時期なので、一緒に行ってみることにしました。4歳の長女に至っては、乳児期に何度か来店しているものの、きっと記憶はないだろうと思いました。そして活発でぶらんこやままごとが好きなので、おもちゃ屋さんでは何に興味を持つか全くの未知数。いろいろなことを楽しみに来店しました。
「おもちゃ屋さんに行く?」と誘ってみると、案の定、「おもちゃ屋さん??」「どこのにあるの??」と頭に??マークがいっぱいの二人。
お店のトレードマークのくまのぬいぐるみが見えると、「あ、きっとここだね!」と娘は元気にお店に飛び込んでいき、思うままにお店の中をうろうろ移動し始めました。
店頭には正月遊びの品と一緒に、いろいろなけん玉がありましたが、その中のいくつかは川崎市内の工房で作られているそうです。川崎産のけん玉があるとは知らず驚きました。
トナカイは2018年11月にちょうど10周年。
どうやら、私は開店してすぐにトナカイと出会っていたようです。店長の林信克さんは、保育園・おもちゃの輸入会社などを経てトナカイをはじめましたが、店舗を構えるにあたって、なんと100軒ちかくも物件を見て回ったそう。東急田園都市線沿線からのアクセスも便利で、子どもも多いこの地域で、地域と連携しながらお店を運営されています。
いつもトナカイの軒先で子どもたちを待つくまのぬいぐるみのぬーくん、急な雨も多かった夏場など、近隣の方が声をかけてくれることもあるそう。こんなところに木のオモチャ屋さんがあったの、とぬいぐるみを見つけて驚かれることも多いそうなので、ぬーくんの役割は大きいです。
10年というと、赤ちゃんも少年へと成長する長い年月です。
変わらずお店を続けていくのは大変な面もあったようですが、トナカイは変わることなく梶が谷でお客さんを迎えています。
この10年間変わらず店頭にあるおもちゃについてとたずねると、
赤ちゃんから回せるコマ・歩くぞうさんそして幾通りにも遊べるボードゲームのTeddyを見せてもらいました。いずれもドイツやチェコのおもちゃです。
おもちゃの話になると、好奇心旺盛な4歳の娘が寄ってきて、小さな手でどんどん触って熱心に遊びます。
トナカイのおもちゃで遊ぶ子どもの様子を見ると、見て、触って、時には頭もひねり、うまくいったときには成功を喜び、試行錯誤しながら遊んでいるのがよくわかります。こう遊ぶんだよ!とほぼレールが引いてあるようなおもちゃも多い中、創意工夫で幾通りにも遊びが広がるおもちゃというのは、長く使われ、子どもたちにも選ばれているのを実感します。
店内は、中央にあるテーブルにたくさんのおもちゃが置かれ、その周りの棚にもぎっしりと並んでいます。
特に子どもたちにとってうれしいのは、おもちゃを手に取って遊べること、おままごとや積木は店内のスペースを使ってじっくり遊ぶことができることです。
そして、そのそばの机がカフェスペースになっていて、お母さんたちがほっと一息つけるようになっていることも見逃せません。
毎日の育児中にはいろいろなことがあります。どんな時でも、トナカイに来ること、店員さんと話すこと、子どもがちょっと遊ぶ場もある。子どもにとっては満足でき、親にとってもリフレッシュして日々の活力になったら、というお店からのエールがトナカイの空間には込められています。
私も元気な2歳の男の子の新米ママの時、雨の日など「トナカイに行けたらなぁ~」と思い出すことが何度もありました。店内の暖かい雰囲気、そして子どもがちょっと遊ぶことができる場所にとても助けてもらいました。
林さんが、お店を続けてこれたのも、お客さんと話したりエピソードを聞くことで活力をもらい、一日一日前進してきたからこそ、と語ります。
子どもが小さいころからトナカイに通い、今では店員として働いているのが紺野真紀子さんです。
この日は、我が家と同じ2年生の、紺野さんの息子さんも来店していましたが、子どもたちは会ってすぐに意気投合し、遊びが始まったのもおもしろい光景でした。
紺野さんもお子さんが小さいころからのお客さん。育児が大変な時も、トナカイに来れば息子さんは機嫌よく遊び、ママはちょっとリラックスできる、と楽しみに来店していたそうです。私と紺野さんは、お互い長男の育児中にトナカイを知ったという共通点もあり、初めて会った時からトナカイで遊んだ思い出話に花が咲きました。
来店して一時間ほどたったころ、次男が手にしたのがカプラ。こちらも、お店のワンコーナーで遊ぶことができます。
トナカイのおもちゃ以外での目玉となるのが、厳選された絵本コーナーです。我が子に絵本を読み聞かせたいけど、どんな絵本がいいかわからない、という声はよく聞くものですが、実は、本屋さんに行っても、新しい本は多いけれど、子どもに見せたい気に入った絵本がないということも割とあります。そして、インターネットでなんでも手に入る時代ではありますが、木のおもちゃに囲まれた空間で、店員さん厳選の絵本と出会えるというのは、絵本を選ぶとてもいい機会になります。今では毎月の配本サービスも行っており、たくさんの申し込みがあるそうです。
我が家にもカードゲームが何点かありますが、やっぱりドイツやヨーロッパのゲームは長く使えておもしろいものが多いのを使えば使うほど感じることがあります。店頭のワゴンにはお買い得品と一緒に、将棋のおもちゃもあり、将棋教室もときどき開催されて、毎回すぐに満席になるそうです。興味のある方はHPをチェックしてみてくださいね。
もし、おもちゃを贈りたいけれどどんなものがいいかわからない……ということがあっても、トナカイに来てみるときっとあれもこれも、と贈る子どもの家庭を想像していろいろと迷ってしまいます。
私は子どもが小学生になってから少し足が遠のいていたトナカイですが、年齢の上がった子どもたちと訪れたことで新たな発見があったのが新鮮でした。同行した森ノオトスタッフの梅原昭子さんも、贈りものを探すときは、ここにくればいいのか!とあれこれおもちゃを楽しんでいたのも印象的でした。
久しぶりに訪れても「おかえり」と声が聞こえてきそうなあたたかさと、初めて訪れても懐かしい雰囲気にとてもリラックスできる「木のおもちゃトナカイ」。ぜひ親子で遊びに行ってみてくださいね。
木のおもちゃ「トナカイ」
住所:川崎市高津区下作延2‐35‐1
東急田園都市線梶が谷駅徒歩2分
電話:044‐865‐6669
*インターネットからもおすすめのおもちゃをご覧になれます。
<ワークショップのお知らせ>
2月19日(火曜日)に絵本の読み聞かせを行います。
今回は14時~14時半までが1~2歳向け、
14時45分~15時10分までが0~1歳向け(こちらは満席になりました)
の2部構成です。(参加費は無料、要ご予約のためお電話ください。)
<将棋教室>
3月30日(土曜日)
①13時~13時55分
入門~初心者さん 参加費800円
②14時30分~15時30分
初級~中級者さん 参加費1000円
(いずれもお電話で申し込みください。)
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