講師は、グリーンアドバイザーの新井裕之さん。会場は、青葉区鴨志田町にある森ノオトの事務所の中庭です。フラワーダイアログに関わる森ノオトのスタッフとライター、区役所スタッフと、その子どもたちに参加者を絞り、たねダンゴのつくりかたを学びました。
たねダンゴをつくる工程は大まかに分けて3段階あります。
1、ケト土と赤玉土に水分を混ぜてこねて、親ダンゴをつくる
2、親ダンゴから約10個の子ダンゴをつくり、中に肥料を入れる
3、種をダンゴの上下につけてから再び丸め、珪酸塩白土をまぶす
うむ、なんと簡単なんでしょう! しかし、この裏にはさまざまな試行錯誤の物語があります。たねダンゴが生まれたわけを知りたい人は、こちらをお読みください。
では、つくっていきましょう。
「たねダンゴづくりは、全国各地で行われてきました。色々試してみた結果、たねダンゴに良いたねを厳選しているので、たねダンゴミックスを使えば失敗が少ないです。最初は、別々にたねを用意して、その時々で配合していたんだけど、結構面倒なんだよね。もちろん、好きな人は、自分で数種類のたねを集めてミックスしてください。他に、マリーゴールド、ハツユキソウ、ムギワラギクなどもおすすめ」とのこと。
講座では、最初に、どのたねがどの花を咲かすのかというクイズをする予定でしたが、少人数で土をこねる作業をやるところから始めたので、クイズはやりませんでした。たねつけの写真のたねダンゴミックスや、写真左下の分類されたたね(新井さん提供)が、どんな花を咲かせるのか? 学校がお休みの間にお子さんと一緒に調べてみてください。中には、直径1ミリもないような、小さなたねもありますが、その中に秘められたパワーたるやいかに? 花が咲いた時の姿と比べてみると、また発見があると思います。
たねダンゴができたら、いよいよ植付けです。
この時、下準備を済ませておくことが大事です。花壇を作る場所の土を耕し、雑草や古い根っこなどを取ってふかふかの状態にしておきます。プランターで育てる場合は、鉢底石と、野菜や花用の土を購入しておきます。
植付けの際の手順はこちら。
1、たねダンゴをつぶして、平たくする
2、蒔く位置に穴を開け、たねダンゴを穴に置いて土をかぶせる
3、水やりをする
気温25度くらいで発芽するので、4月から6月の間に植付けて、梅雨の雨を利用して育てるのが最も自然にかなったやり方です。発芽までの時期と開花の時期が違うものを組み合わせているので、秋まで長く花を楽しむことができます。
「株間は、地植えの花壇の場合は40センチくらい。プランターならば、2、30センチくらい間をあけて。植木鉢なら真ん中に一個で花束のように育てます。埋めすぎず、飛び出しすぎず、白い珪酸塩白土がちらっと見えてるくらいがちょうど良いです」(新井さん)
新井さんの指導で、作業は順調に進みました。今回は、植付け体験をそれぞれにしてもらうため、通常は植木鉢に一つで良いところ、2つずつ配置しています。蒔いたらたっぷり水やりをして植付け終了です。しばらくは土が乾かないように水やりをします。植える時期によって発芽するまでの時間が変わるので、毎日チェックして、根付いたら、花壇の場合はもう水やりしなくても大丈夫。間引きもしません。
注:この日は、まだ寒いことから、あたたかくなってから各自で、たね付けと仕上げをしてもらうことにしました。そのため、ダンゴとたねと珪酸塩白土を別々に袋に入れて持ち帰りました。保管がうまくいけば、ダンゴの状態にしてから一年くらいはもつそうです。この日、たねダンゴを植付けた鉢は、新井さんが持ち帰り、しばらく温度調整して発芽するまで面倒をみてくれることになりました。
センニチコウや、コスモス、ハゲイトウなどは、草丈1メートルほどになります。マリーゴールドやヒャクニチソウなど草丈40センチくらいのものと組み合わさって、自然な花束のようになるというので、開花が早くも待ち遠しいです。
今から準備すれば、まだまだ春まきのたねダンゴづくりに間に合います! 公園の花壇、空いた畑や街路樹の下、学校の花壇などで、たねダンゴづくりに挑戦して、花いっぱいの風景をつくってみませんか?
森ノオトでも、たねダンゴに関するお問い合わせを受け付けています。今回の材料が少し余っています。数が限られますが、たねダンゴを公園や学校に植えたいという方はご連絡ください。
たねダンゴのことをもっと知りたい方はこちらを参照ください。
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