コロナ渦から生まれたママと子どもの居場所。「コトノハあそびの会」
ステイホーム中の育児で息が詰まった私と、森ノオトの先輩ライター山田麻子さんがタッグを組んで生まれた「コトノハあそびの会」は、わらべうたや、絵本の読みきかせなど、誰でも参加自由なママと子どもの居場所です。詰まった息をゆっくり吐き出せるような、居心地のよい場が生まれました。

第三子妊娠発覚とほぼ同時期に広がり出したコロナ。妊娠、出産、そして娘が生後11カ月になった今も続いているステイホーム。第三子で子育てのイロハは少しはわかっているつもりでしたが、さすがに息が詰まってくる。
友人と会って子育ての悩みを共有したり、おいしいランチをすることが、私にとってどんなに大切なものだったのかと痛感しました。

 

産後の母たちからは、里帰りもしたいけどできず、安易に出かけられず、夫も帰りが遅いので…。という声も聞こえ、孤独を感じている母たちが多いのを感じました。どうにか、ステイホーム中でも母たちがリフレッシュできることってないかなあと、悶々と考えていた私。
そしてそんな悶々を森ノオトの編集長に相談していたところ、ヒョッコリ麻子さんがやってきたのです。

森ノオトのライターでもあり、コトノハあそびの会の麻子さん

麻子さんは森ノオトのライターでもあり、絵本の読み聞かせをしていたり、お料理が得意だったり森ノオト内でも存在感のあるライターさんです。

 

「カクカクじかじか。何かできないかなぁ」と相談したところ、

 

「わらべうたはどうかな?」と麻子さん。

 

おぉ!なんとグッドタイミング。
なんかよくわからんがやろうやろう!と意気投合はしたものの、「わらべうた」というワードに、その時は少しよそよそしい印象を持っていました。

 

というのも、わらべうたのイメージって、私のおばあちゃん世代の人たちがやっていそう。とか、音程も暗く怖いイメージ。そもそも私は母親にわらべうたを歌ってもらった覚えはなく、ねーんねーんころ〜り〜よ〜♪ なんてやっていた人なんて実際にいるのだろうか。逆に怖くて眠れないのでは…。と不思議に感じるくらいでした。

でも、今は誰かと会って話をするだけでも貴重だし、もしわらべうたを歌うことで赤ちゃんも気持ちよくなって、自分もリフレッシュできたら一石二鳥!とりあえずやってみよう。と思いました。
おうちの中でも楽しく子育てをしたいというのは、自分が一番感じていることなのだと気づいたのでした。

わらべうたを歌いながらボディタッチ。気持ちよさそうな赤ちゃんたち

その日から麻子さんと相談し、場所決めや参加者を募ることなど、役割分担をし、準備を進めていきました。
場所はランチもできて座敷がある、青葉区寺家町の里のengawaに決めました。
おいしいランチに何よりも飢えていた私は、「ランチ絶対必須」と呪文のように言っていた気がします。

 

私が第三子を出産した助産院バースあおばの産後の集まりで知り合ったママたちに声をかけると、とんとん拍子で8組が集まってくれました。

初回のランチはobentokanaさんの沖縄料理のランチプレート。そうそう、こういうのが食べたかったのです

やはり、ランチに飢えていたのは私だけじゃなかったのね!
と参加者がすぐに決まったことをうれしく思いました。
里のengawaに集まったのは、生後5カ月〜8カ月の赤ちゃんとママたち。自己紹介からスタートし、麻子さん手作りのテキストを見ながら、わらべうたを歌ったり、それぞれの近況や子育ての悩みなども話しました。
考えてみればわらべうたをちゃんと歌うのって初めてだったのですが、赤ちゃんたちはよく歌を聞いていました。

 

うまはとしとし、ちょちちょちあわわ、じーじーばーなど、日本語の言葉と特有のリズムがなんだか心地よく、最初に抱いていた暗くて怖いイメージもどこかへ飛んでいってしまいました。

 

不思議だったのは、赤ちゃんが泣いていたり、ぐずぐずしている時に歌うと、お??と歌に反応して泣き止んだり、ぐずぐずが止まったりしたことです。
日常のちょっと困った時にふと歌ってみると、何か効果があるかも?と思いました。

 

会の中でママたちがハマっていることや、子育ての悩みを共有する場面があったのですが、最初は控えめな口調のママたちも、徐々に打ち解けると次々と日頃の思いがあふれ出します。
夫とのイロイロ問題から始まり、不眠不休のなかでの楽しみの見つけ方。上の子への精神面でのフォローなど、聞いていると、なんだかどのうちも一緒だなあ。みんななんとか必死に毎日を乗り越えているんだ。大変なのは自分だけじゃないんだな。ということに心底ホッとしたのを覚えています。

2回目の会場Nishi-Teiにて

大変なことや、辛いことは誰かにわかってもらうこと、共感してもらうことが何より心が解れることなんだなあと実感した日でした。

2回目以降は場所を変え、青葉区美しが丘西にあるNishi-Teiや、荏田コミュニティハウスなどで行いました。

麻子さんは手作りのテキストや赤ちゃんとママがおうちで遊べるようなお土産など色々なお楽しみグッズを毎回持参してきてくれました。

麻子さん手作りテキスト。これを見ながらみんなで歌います

わらべうたに触れてから私もおむつ替えの時は自然とわらべうたを歌うようになったり、外出時にグズってしまったときにはお土産でいただいた指人形のカエルさんで遊んだり、暮らしの中にわらべうたが浸透してきているのを感じました。そしてそれはとても心地のよい感覚でもありました。

 

麻子さん、なぜそこまでママと子どもたちに力を尽くしてくれるのでしょうか?
素朴な疑問を麻子さんにぶつけてみるとこんな答えが返ってきました。

 

「たまたまテレビで、ステイホーム中家の中で悶々としていて、つい子どもに手をあげてしまったママたちの悲しさを知り、もどかしい気持ちになったの」と麻子さん。
麻子さんご自身のお子さんが小さい時は義理のお母さんや実家のお母さんに助けてもらっていたけれど、実家が遠く助けがないママたちには、余力がある自分が助けないと、と思ったりするのだそう。コロナ禍の子育てについて、何かできないかと感じていたそうです。

絵本の読み聞かせや、お話などもしてくれる麻子さん。ご自身は高校生と中学生を育てる母さん

その麻子さんの悶々とした気持ちと、私の悶々とした気持ちがたまたま森ノオトの事務所でリンクして「コトノハあそび」が生まれたんだということを後から知った私。このコロナ禍で自分と同じように何かできないだろうかという思いを抱えていた人が近くにいたことに、とても心強い気持ちになりました。

この日のランチもとてもおいしく、心も身体も満たされました。ランチ万歳〜

そんなこんなで始まった「コトノハあそび」の会。
緊急事態宣言も明け、以前よりは外に出かけやすくなったのかなと思います。
長らくおうちで不安や孤独を抱えながら子育てをしてきたママたちも、少しリフレッシュをしに遊びにきませんか?

初回のお土産。麻子さんお手製のてるてる坊主。赤ちゃんが泣いた時などに使えるようにと一人ひとりに作ってくれました

元気なママも、ちょっと元気じゃないママも、わらべうたや絵本、おいしいランチを食べてもっと元気になりましょう〜。興味のある方は参加してみてくださいね。

Information

コトノハあそびの会は月に1〜2回、青葉区周辺で感染に気をつけながら少人数で開催しています。 

コトノハあそびの予定やわらべうたの紹介は、山田麻子さんのInstagramやFacebookをご覧ください。
@asa.warabe 

https://www.facebook.com/a.cucina

メール:a.cucina.asako@gmail.com

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この記事を書いた人
佐々木茜子ライター卒業生
静岡県南伊豆町の山奥で生まれ育つ。故郷の緑が恋しく、現在は町田市の里山地域(百足たまに発生)に暮らしている。出版社で絵本の編集を担当しながら、ライター活動もちびちびと継続中。2男1女の母。
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