半径1kmの挑戦「かんだいじナビ」運営者 頼栄明さん
横浜市神奈川区神大寺のローカルメディア「かんだいじナビ」は、半径1kmを主な対象エリアとしながらも、月最高16万5000PVを計上するとともに、地域に多く貢献しています。多種多様な住民の活躍の場作りが評価され、この春、横浜市の「横浜・人・まち・デザイン賞」を受賞しました。(ライター養成講座2024修了レポート:吉野智史)

かんだいじナビのトップページ

かんだいじナビは2020年8月にスタートし、ほぼ毎日のように新しい記事を掲載しているローカルメディアです。

神大寺エリアに暮らす、頼栄明さんが初代編集長としてメディアを立ち上げ、少しずつ仲間を増やしてきました。現在は3代目の編集長にバトンタッチし、ライターとして約35人が登録しているそうです。

 

 

まちの人の「思い」を可視化する

神大寺エリアの最寄り駅の一つ、横浜市営地下鉄ブルーライン・片倉町駅前の壁画(写真提供:かんだいじナビ)

元々は航空関係のお仕事をされていた頼さん。航空関連産業の多くがそうであったように、頼さんの会社もコロナ禍によって大きな影響を受けました。

お住まいの神大寺で過ごす時間が長くなった頼さん。地元のことを意外と知らず、調べようと思っても欲しい情報が出てこないことが不便だと感じました。神大寺の人目線で、神大寺の人に貢献できるメディアを創りたい。そう考え、会社の休業制度を活用し、ローカルメディア「かんだいじナビ」を始めました。

 

かんだいじナビを始めた当初、ご自身の記事の書き方などに不安があったと頼さんは語ります。

地元の人間である頼さんの目線で記事を書いていることが、果たして良いのかどうか。地元の人に貢献できているのかどうか。

地元の仲間たちに聞いてみたところ、逆にそれが魅力的だと言ってもらえました。

まちに住まい、まちに関わり、まちに生きる人の思い。そしてそれを伝えるライターの思い。そういった温もりを感じられる記事を発信できるのも、徹底的に地域に密着するローカルメディアの魅力なのかもしれません。

 

かんだいじナビはライターに多くの制約をつけず、思い思いに記事を書いてもらっているそうです。ライターやかかわる方たちがいきいきと活動できる情報発信の仕組みをつくることで、半径1kmを主な対象エリアとしながらも、ウェブサイトの閲覧数は月最高16万5000PVという結果につながっています。

活動開始から3年にもかかわらず、横浜市の「横浜・人・まち・デザイン賞」では「多種多様な住民の『活動の場』づくりを意識した活動が『ローカルメディア』の域を超えている」との評価を受けています。

身近な公園情報からエリア内の飲食店紹介まで。かんだいじナビの記事は、食べる/美容/買い物/子育て/医療ケア・どうぶつ/くらし、にカテゴリが分けられ多様な情報集まってきています

頼さんは現在、株式会社LOCAL JAPANという法人を立ち上げて、同じくローカルメディアを運営しようと考えている方々を対象に、ホームページ制作のサポートや、ローカルメディア運営のノウハウを伝えるビジネスを展開しています。

また、日本全国のローカルメディアや運営者を紹介するサイトを立ち上げる準備もしています。

ローカルメディアを通して、日本中の地域を盛り上げたいという頼さんのお気持ちを感じました。

「Hello from…Coffee」の店員さんと頼さん

(取材を終えて)

今回の取材を終えて、頼さんは人との縁をとても大事にしていると私は感じました。家族への感謝を取材中も口にされていましたし、記事用の写真を撮らせていただくときも、かんだいじナビの事務所がある建物の1階のカフェ「Hello from …Coffee」の店員さんに丁寧に頭を下げる頼さんの姿がありました。

 

かんだいじナビにはたくさんのスポンサーがついています。頼さんは人との縁に恵まれたと謙遜されますが、普段のメディア運営で、取材先やさまざまな人とのつながりや縁を丁寧に大切にされていることが、多くのスポンサーの協力を得る結果につながったのだと思います。

 

成長を続けるローカルメディアの今後をこれからも応援し続けていきたいと思います。

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