

あそびかたっていろいろあるんだね
今回で4回目の「季節のわらべうた講座」。昨年の冬から始まり、春、夏のわらべうた講座をお届けしてきました。みなさんの子育てにわらべうたは登場しているでしょうか。
「わらべうたはよさそうだけれど、たくさん覚えられないのよね〜」とか、「あそびかた忘れちゃうのよ」というお声、よく聞きます。わらべうたってとっつきにくいと思っていませんか。そう思っている方、これから紹介する方法を試してみてください。一つのわらべうたをいろいろなパターンで楽しむ方法があるんです。今回動画に協力していただいたのは、「わらべうた&音あそび」の指導をされている田中麻夜先生です。
田中先生は都筑区や都内でわらべうたを伝える活動をしています。親子向けのわらべうた講座、こども園や保育園で子どもや先生たちへのわらべうた指導、また保育士を目指す学生さんや、おはなし会で活動するボランティアに向けての指導もされています。赤ちゃんから指導者まで幅広い世代にわらべうたを伝えている田中先生。音楽療法や人形劇などもされているそうで、先生のお話は、私にとっても興味津々の内容でした。

小物作りや楽器作りもされるという田中先生の私物。小さな楽器を使うと、いつものわらべうたに、「音楽を楽しむ」という新しい価値が加わるように思う。元々音楽を専門としている先生は小さい子に音楽を楽しんでもらう始めの一歩としてわらべうたが最適だと言う

田中先生の公園でわらべうた&音あそび。親子サロンでは参加者の様子やママたちの悩みに寄り添ってわらべうたを選ぶそう
「わらべうたはどんなふうにでもあそべるのよ」と田中先生は、まるでドラえもんのポケットを持っているかのように、わらべうたのさまざまなあそびかたを教えてくれました。
赤ちゃんをあやすのか、それとも2歳、3歳、もっと大きな小学生くらいの子?そして、家の中なのか、外なのか……。一つのわらべうたでいか様にもあそべるのだと先生は言います。確かに、習ったやり方だけでなく、一つのわらべうたを工夫して何通りにもあそぶことができれば「わらべうたってとっつきにくい」という気持ちのハードルがなくなりそうです。

都筑民家園で赤ちゃんから80代くらいのおばあちゃんが一緒にわらべうたあそび。年齢を超えて楽しめるのがわらべうたの魅力
あそんでみましょう
それでは、秋のわらべうたで大人気の「どんぐりころちゃん」であそんでみましょう。ここでは二つの方法をご紹介します。
■どんぐりころちゃん(どっちだバージョン)
お外でどんぐりを見つけたらこんなあそびはいかが?
■どんぐりころちゃん(お膝に抱っこバージョン)
小さな赤ちゃんとあそぶときはこんな方法も。

絵本は『どんぐりころちゃん』(作・みなみじゅんこ/出版・アリス館)。楽譜とあそびかたも載っている。絵本を読むだけで楽しいわらべうたあそびになる
この動画をヒントに、みなさんも「どんぐりころちゃん」あそび、考えてみてくださいね。お子さんと一緒に振り付けを考えてもいいですね。
お次はあの有名なわらべうたです。大人もやってみたくなるあそびを教えてもらいました。みんなが知っているわらべうたならあそびかたのバリエーションを増やしやすいかもしれませんね。
■あんたがたどこさ(お手玉)
元々は手まり歌ですが、今回はお手玉あそびです。まずは大人のみなさん、挑戦してみてくださいね。
わらべうたを子育てに取り入れるには、まずは大人が「楽しい!」と感じることが大切だと田中先生は言います。そこから「やってみたい」、「やってあげたい」という気持ちになるのだそう。私も刺激を受けて家に帰ってから、さっそくお手玉を引っ張り出してきました。
「あんたがたどこさ♪」と歌いながらやってみたところ、できなくはないけれど、もっとうまくやりたい!そんな気持ちになりました。小さな子には大人がやって見せてあげるだけでいいそうですよ。子どもは見るだけでも大満足なのだとか。
■あんたがたどこさ(おててにタッチバージョン)
こちらは赤ちゃんにどうぞ。おててにタッチして、「さ」のときは別の場所にタッチします。
もっと大きな子たちが盛り上がるあそびかたも教わりました。「あんたがた どこ」で前に3歩ジャンプして進み、「さ」で後ろに1歩ジャンプします。一列になって前の子の肩に手を乗せつながってぴょんぴょんするとより楽しいのだそう。
子どもたちが大きくなってきたら、成長に合わせて、「今日はこんなふうにあそんでみる?」と、相談してもいいかもしれません。そのうち子どもたちが自分であそびかたを考えるようになると田中先生は言います。「そうなると大人は楽なのよ」とも。考える力、工夫する力がつくわらべうた。わらべうたってやっぱりすごいなあ。
大人も思わず笑顔になるわらべうた絵本
さあ、後半は私から、わらべうたを知らなくてもあそべる方法をご紹介しましょう。それは絵本を利用することです。田中先生も「絵本を入り口にするのもわらべうたと仲良くなる方法ですよ」とおすすめしています。わらべうたの絵本、たくさんあるので、ぜひ図書館や本屋さんで探してみてください。どの絵本も読むだけでわらべうたの世界に入り込めますよ。

左上から時計回りに『ちびすけどっこい』(案・こばやしえみこ/絵・ましませつこ/出版・こぐま社)『いちじくにんじん』(案・大阪YWCA千里子ども図書室/絵・ごんもりなつこ/出版・福音館書店)『いもむしごーろごろ』(文・こばやしえみこ/絵・番留きょう子/出版・福音館書店)『あかちゃんとわらべうたであそびましょ!』(編、絵・さいとうしのぶ/出版・のら書店)『あんたがたどこさ おかあさんと子どものあそびうた』(絵・ましませつこ/出版・こぐま社)『へっこぷっとたれた』(構成、文・こがようこ/絵・降矢なな/出版・童心社)
読むだけでもよし、その後、実際あそんでみてもよしです。
わらべうた絵本のいいところは、知らないわらべうたでも思わずリズムよく読めてしまうことです。現役子育て中のママ、パパのお役に立つのはもちろんですが、出産前のママにもおすすめです。プレゼントにもいいかもしれませんね。
さて、4回にわたるわらべうた講座。いかがでしたか?全部読んで実践してくれたあなたはわらべうた上級者。これからもぜひ、お子さんと思う存分、わらべうたを楽しんでください。そして近くにいる子育て中のママたちにも「わらべうたって楽しいし、便利だよ〜」と教えてあげてくださいね。わらべうたがみなさんの子育てを豊かな時間にすることは間違いありませんから。

田中麻夜先生は都筑区、都内でわらべうた講座を実施されています。
・親子向け音あそび講座(参加希望者は都筑区北山田地区センターに直接申し込めます)。
・おはなし会をしている方、子どもに関わる活動をしている方、わらべうたに興味がある方などを対象としたわらべうたの会(つづきの丘小学校コミュニティハウスで不定期、第4月曜日)
その他、地域のお祭りや地区センターのイベントなどでわらべうたや音あそびをやっています。2024年11月、12月もイベントがあるそうです。興味のある方は田中先生のメールアドレスにご連絡ください。
田中麻夜先生
*ほかの季節のわらべうた講座はこちらからご覧ください。

生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!