ちょっと寄り道。鉄町「青葉農園」で3,000鉢のバラ苗が彩る初夏の風景
のどかな田園風景が広がる鉄町に、秘密のバラ園を発見!?いえいえ、ここは600種、3,000鉢ものバラ苗をはじめ、多くの植物を生産直売している「青葉農園」です。5月半ばには色とりどりのバラがいっせいに開花し、店内はめくるめくバラの世界に。これは一見の価値あり!初夏の「青葉農園」に皆さまをご案内します。

鉄町のバラ園?

青葉区鉄町の「青葉農園」で3,000鉢もの見事なバラが見られるなんて、ご存知でしたか?

私がそのことを知ったのは3年前です。家族が「アイスバーグ」という白いバラ苗を購入してきたのがきっかけで、バラを目当てに通うようになりました。バラ以外の多くの植物に出会える点にも魅力を感じています。

 

店舗は鉄町の南側を走る神奈川県道12号沿いにあります。この道路は横浜上麻生線(新道)とも呼ばれ、青葉区民マラソンのコースとしてもおなじみです。のどかな田園地帯で、どの駅からも駅近とは言えませんが、最寄りの田園都市線・市が尾駅からは車で10分程度の場所です。

 

店舗へは、この新道を鉄町の環状4号入口交差点から市が尾方面に向かって行くのがオススメです。環状4号入口交差点をスタートし、横浜市立鉄小学校の前を通り過ぎると、ほどなく三角屋根の大きなハウスが見えてきます。

シルバーに光る3棟の大きなハウス。三角屋根と看板が目印です

「青葉農園 生産直売  バラ 宿根草 ハーブ 果樹 花木 山野草」と書かれた看板が見えたら、すぐ先の細い通りを左に入ると、店の入り口側に到着します。

車で来店される方が多いので、店前の駐車場にはいつも多くの車が停められています。

青葉農園の入口。ハウスの外にもたくさんの植物が並べられています

ハウスのすぐ目の前はビュンビュンと車が行き交う幹線道路ですが、駐車場をはさんだ向こう側には農道や畑が広がります。そんな対照的な景色を横目で見ながらハウスへ向かいます。

 

 

初夏はバラの香りから

ハウスに一歩入ると、まずは店内の広さと、植物の多さに驚かされます。

ハウス1棟の大きさが、学校の体育館一つ分ほどはありそうです。

 

5月のバラのシーズンになると、このハウス3棟のうち半分程度がバラで埋め尽くされます。

赤、白、ピンク、オレンジ……色とりどりの美しい花と、あたりに漂う優雅なバラの香り。

バラのエリアに向かう時にはワクワク感でいつも早足になってしまいます。

 

バラには形、色、香り……と楽しめる要素がいくつもあるのですが、「花の女王」と呼ばれるだけあって、この花の華やかさ、気品には特別なものを感じます。

茎の長さが2mにもなるバラの長尺苗

青葉農園では50~60cmほどの鉢苗の他に、写真のような長尺の苗も多くそろっています。

これはつる性のバラを大きく育てた苗で、植え付け後すぐにアーチやフェンスなどに誘引できるタイプです。

こんなステキなバラのアーチがウチの庭にあったら……楽しい妄想をしながら店内を見て歩きます。

 

バラは品種が多く、その数は今も増え続け3万~10万品種とも言われています。

花びらの枚数は5枚~100枚以上、と品種によって異なり、カラートーンや配色もさまざまです。

「こんな色も?そんな形も?すごいボリューム感!」……と飽きることなく見続けてしまいます。

色、形、香り。バリエーション豊富で、個性的な青葉農園のバラたち。美しい花を支える茎は意外にも頑丈で、鋭いトゲには注意が必要です

さらに楽しいと思えるのは、バラの顔を見ながら花の名前を見て歩くことです。

「ストロベリーアイス」「ノックアウト」「クイーン・エリザベス」……など、一つひとつにつけられた個性的なネーミングには想像力をかきたてられます。

 

私のお気に入りの一つ「オマージュ ア バルバラ」は深い赤色をしたフランスの品種ですが、シャンソン歌手のバルバラという女性にちなんで命名されています。どんな人生を送った人だったのか興味がわいてきたり……そんなワクワクの連鎖が広がり続けるのもバラの魅力の一つです。

 

 

青葉農園に集う人たち

ふと、バラの前で楽しそうに語り合う二人の女性をお見かけし、声をかけさせていただきました。

 

近くにお住まいで、ご友人同士とのこと。5月のバラのシーズンには必ず来店されているそうです。

「家の近くでこれだけの数のバラを一度に見られる場所って他にはなかなかありませんよね」「見るだけにしようねって言いながら来たのに、もう買う気になっているんですよ」とおっしゃいます。

私も「わかります!その気持ち。つい連れて帰りたくなりますよね」などと、ひと時の楽しい「バラ友談義」に加えていただきました。

 

一方で、青葉農園は近隣の学校との交流も行なっています。すぐ近くの横浜市立鉄小学校からは低学年(1~2年生)の児童たちが「生活科」の授業の一環で見学に訪れます。「まちたんけん」という身近な社会や自然との関わりを学ぶプログラムで、児童たちにとって多くの気づきや学びの機会になっています。

 

また、神奈川県立あおば支援学校からは、高校1年の生徒が社会体験学習のために訪れています。

半日から1日程度の時間をかけて店内のお手伝いをしているそうで、この体験が卒業後の進路選択にも役立っているとのことです。

店内のサンプルガーデンからは自然の癒やしや創造性などのパワーを感じます

このように青葉農園は、地域の子どもたちの学びの場としても活用されています。

 

 

まだまだある!青葉農園の魅力

さて、青葉農園の魅力は、バラだけではないこともお伝えしなければなりません。

実はバラと同じくらいに注目すべきなのが「クレマチス」で、300種類、600本という数をそろえています。

つる性植物でバラと同じ頃に花が咲くので、パートナープランツとしてバラと一緒に植えられることも多い植物です。1990年代後半のガーデニングブーム以来、バラとクレマチスはどちらも多くのファンから愛されています。

大輪の花を咲かせるクレマチス

さらに気になるのは多肉植物のエリアで、こちらも数や種類が豊富にそろいます。

華やかさを誇るバラやクレマチスとは、また違ったかわいらしさが魅力です。

「ゆるキャラ」のようなほっこり感をかもし出す多肉植物たち

サイズも大小さまざまですが、小さいものであれば、かわいい寄せ植えも楽しめます。

下の写真は多肉植物を庭の樹木に見立てた小さな世界です。

多肉植物のミニチュアガーデンは好きな場所に置いて、いつでも眺めたくなりそうです。ブーツ型の寄せ植えも、落ち着いた色味が大人っぽくてステキです

実はこの他にもまだ多くの植物たちのマニアックな世界が楽しめます。また植物だけではなく、庭作りや空間の演出など、トータルでガーデニングの魅力を提案してくれるのが青葉農園の特徴です。ガーデニング雑貨も多種多様の品ぞろえで見始めると止まらなくなるエリアですので、じっくり見て歩けばお気に入りの一品に出会えるかもしれません。

 

 

植物ファースト!青葉農園スタッフの皆さん

それにしても来店のたびに感じるのは、この広い店内で植物たちを管理する大変さです。

 

実は朝一番のバラが見たくて、開店時間に出かけたことがあります。

その時に印象に残ったのは、水やりのために店内を走り回るスタッフの方たちでした。

 

水やりのホースも長いこと長いこと。黙々と花たちに水やりをしている最中に、店の電話が。

スタートダッシュでかけつけても、たどり着く前に電話が鳴りやんでしまうほどの広さなのです。

生き物の世話をするには手間と愛情、そして体力も必要なんだと感じた出来事でした。

 

お忙しい中、農園主の方にお話をうかがいました。

 

開業は2006年で、20年近くこの地域で深いつながりを築いてこられました。

当初、バラの数はそれほど多くはなかったそうで、お客様のニーズに応えるうちに今のような「バラの園」になったとのこと。多くの珍しい品種を取りそろえ、情熱を注いでこられたことが青葉農園の個性となり、たくさんの人を魅了してきたのでしょう。

お話をしながらも終始「植物ファースト」で、世話をする手を止めることはありませんでした。

そのかたわらで、スタッフの方たちは入荷してきた苗のチェックに大忙し。

 

そんなスタッフ皆さんの、植物への愛情と努力が青葉農園を支えています。

植物と関わる楽しさや喜びを表現したサンプルガーデン

青葉農園は、植物と向き合う中で得られる豊かな時間を、私たちに提供してくれています。

これからも地域とのつながりを大切にしながら、植物たちの奥深い世界を私たちに見せ続けてくれるでしょう。

初心者にもわかりやすくアドバイスしていただけますから、気軽に声かけしてみるのがオススメです。

お散歩やお出かけの時に、ちょっとひと足伸ばして青葉農園を訪れてみませんか?

Information

住所 横浜市青葉区鉄町726

開園時間 9:00~17:00 年中無休

電話番号 045-979-4187

Instagram https://www.instagram.com/aobanouen/

駐車場あり

東急田園都市線・市が尾駅よりバス約13分 バス停「中里学園入口」より徒歩3分程度

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この記事を書いた人
榊原悦子ライター
東京都出身、青葉区在住。料理上手ではないものの、発酵食の愛好家で、好きな調味料は味噌と玉ねぎ麹。LOHASを意識した暮らしをゆるっと伝えるブログ「まな♪まな」を2021年から発信している。毎日の味噌汁、松葉ジュース、自家製梅酒が元気のモト。
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