ごはんとおかずを同時に調理!「メスティン折り」で作る親子丼
「メスティン+固形燃料」で作る「ほったらかし炊飯」に続き、今回は便利なストック食材、焼き鳥缶を使った親子丼をご紹介します。一度の加熱でごはんとおかずを同時に仕上げる「メスティン折り」も詳しく解説。手間も燃料も節約できるこのテクニック、「いつも」と「もしも」の両方でぜひ活用してください。

メスティン折りとは?

アルミ製の飯ごう「メスティン」は炊飯を始め、さまざまな調理に活用できるアイテムです。

今回のレシピ「メスティン親子丼」は、ごはんとおかずを同時に仕上げます。

親子丼なだけに……まさに一石二鳥な調理法です。

この一石二鳥をかなえてくれるのが、クッキングシートを四角く折って作る容器「メスティン折り」です。

両側に持ち手もついています。メスティン折りは中敷きとしても使え、洗い物や片付けがラクになるテクニックです

今回は浸水したお米の上に「メスティン折り」を置き、上下を仕切って調理します。

ちなみにクッキングシートが手元に無い時は、アルミホイルでも代用できます。

メスティンの底面と高さをざっと見積もり、大きめにカット。

メスティンの上にアルミホイルを置き、そのまま形をなぞって作ります。

上は間仕切り用なので三枚重ね、下は中敷き用に一枚だけで作りました

メスティン折りを作るのはちょっと面倒だな……と感じる人にもこの方法はいいかもしれません。

ただ、アルミホイルは意外に破けやすく、塩分や酸にも弱いので、メニューによっては使いづらいことも。

その点、クッキングシートは汎用性が高く、破けることもありません。

 

今回は、このクッキングシートで作る方法をご紹介していきましょう。

 

 

メスティン折りの作り方

まずは型紙を作ります。型紙を作るとメスティンにピッタリと合うサイズに折ることができ、とても便利です。一度作れば繰り返し使えますから、ここだけは頑張って作っておきましょう。

100円ショップで売っている、マス目付きの工作用紙がオススメです。

 

下の図は私が愛用している100円ショップのメスティン1.5合サイズの型紙です。

メスティンのサイズを測り、高さはそのまま、底面のタテヨコの長さを少し短めにしました。

図の青と赤の数字は折り順、左右の両端、細い着色部分はメスティン折りの持ち手になります。

メスティンは角が丸いので、実寸よりも小さめに作るのがポイントです。1の青いタテ線から折り始めます

型紙を作ったら、クッキングシートを同じ大きさにカットします。

この型紙は長辺(横幅)が30cmなので、30cm幅のクッキングシートを使うと便利です。

型紙の上にクッキングシートを重ねて折っていきます。メスティンの中に入ればいいので、少々ズレたりしても大丈夫

<メスティン折りの作り方>

  1. 工作用紙の型紙を用意します。
  2. クッキングシートを上に重ね、まずは左右の端からタテ線を折ります。
  3. 続いてヨコ線に沿って上下から折ると、底面の大きさに。
  4. 3で上下に折ったヨコ線を一度開き、横長に置きます。

 

さあ、この先がメスティン折りの山場になります。
指を中に入れながら三角形に広げる「袋折り」と呼ばれる方法です。

中心線をしっかり折ってから開くのがコツ。子どもの頃に折り紙で作った「オルガン」や「おうち」の作り方を思い出しましょう

  1. 折線を中心に、左角から中に指を入れ、内側を矢印の方向に広げ、三角形をつぶすように折ります。
  2. 広げると逆三角形になりました。これを4隅すべてで同じように三角に。
  3. 4か所すべて開いた状態です。持ち手の部分を折り返します。
  4. 持ち手を矢印の方向に引っ張りながら立ち上げればできあがり。

 

 

メスティン親子丼のレシピ

それではいよいよ「メスティン親子丼」を作りましょう。

 

炊飯に必要な道具の説明は前回ご紹介した炊飯記事を参照してください。

今回も25gの固形燃料を使い、火加減は「ほったらかし」です。

 

<親子丼の材料 2人分>

・米1合(150g)、水200ml

・焼き鳥缶  2缶 (鶏肉100g程度)

・卵 2個

・玉ねぎの薄切り 30g

・合わせ調味料(醤油 小さじ2 みりん小さじ1)
※めんつゆ大さじ1でもOK

・万能ねぎ、きざみのり適量(トッピングとして)

焼き鳥缶は、開けるだけでおかずやおつまみになり、ふだんの時短調理にも一役買ってくれます

<作り方>

1.洗った米と水200mlをメスティンに入れ、30分ほど浸水させます。

2.浸水時間を利用して、玉ねぎを薄切りに、万能ねぎは小口切りに。メスティン折りも準備しておきましょう。

3.玉ねぎ、焼き鳥缶(汁ごと)、合わせ調味料をメスティン折りに入れて混ぜ、浸水した米の上に乗せます。

メスティン折りを重ねる前の状態。卵は後から入れます

4.メスティン折りの、はみ出る部分を折り込んでフタをし着火します。

5.20分経過したらフタを開け、メスティン折りに1個分の溶き卵を入れてかき混ぜ、すぐにフタをします。

6.消火したら再度フタを開け、残り1個分の溶き卵を流し込み、そっとかき混ぜてフタを。

カラの焼き鳥缶に卵を溶いて待機中。フタを開ける時の軍手も用意しておきましょう

7.フタをしてメスティンをストーブから下ろし、タオルを巻いて保温しながら15分蒸らします。

 

上下は返さず、そのままそっと保温しておきましょう。

蒸らし終わって上段のメスティン折りを取り出したところ。あとはごはんの上におかずを乗せるだけ

ポイントは卵の入れ方

メスティン親子丼の出来栄えを左右するのは、何と言っても卵の入れ方です。

 

まず、卵は冷たいままだと火の通りが悪いので、常温にしておきましょう。

 

一つめの卵を「着火して20分後に入れる」としましたが、時間と一緒に燃料の減り具合も観察しておくのがコツです。固形燃料の場合は、気温など周りの環境によって加熱時間が増減するからです。

 

25gの固形燃料の場合、燃焼時間20分~23分とされ、そもそも時間に幅がある上に寒い場所で調理すると、想定していたより早く火が消えてしまうことも。

 

卵のふわトロ加減は好みに合うよう、ちょうどいいタイミングを見つけてください。

 

とは言え、消火してから卵を一気に二つ流し込んでしまうと、ほとんど固まりません。

 

やはり一つ分は加熱中に入れておく「時間差作戦」をおススメします。

 

トロトロ感が好きな人なら、卵黄一つ分を残しておくのもアリです。

 

食べる直前に卵黄を後乗せすれば、「月見親子丼」として味わえます。

 

「フタを開けて見たら予想とは違ってた!」なんていうこともありますが、それもまた楽しいハプニング。

温度や時間、固形燃料とにらめっこしながらチャレンジしてみてください。

卵を入れたら手早く、そっと静かにかき混ぜます

まとめ

今回はメスティン折りを利用した「上下同時調理」をご紹介しました。

下で炊飯、上でおかずの組み合わせは他の「丼もの」にも応用ができ、牛肉と豆腐を甘辛く煮た肉豆腐丼、「かに玉の素」を使った天津飯、なども作れます。

 

焼き鳥缶は、親子丼以外にも炊き込みご飯やパスタ、カレー、煮物などに幅広く使えます。アイデアと工夫次第で使える、便利な食材として役立ってくれること、請け合いです。

賞味期限は製造から3年ほど。食べ比べて自分の好みに合う焼き鳥缶を見つけておくのがオススメ

メスティンはアウトドア用の調理器具というイメージですが、私はむしろメスティンをふだん使いすることで「いつも」と「もしも」をつなぐ調理器具にしていこうと思っています。できるだけ少ない材料で簡単に作れないかと毎日、レシピをあれこれ模索中です。便利な活用法やローリングストック食材について、これからもレポートしていきたいと思います。

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この記事を書いた人
榊原悦子ライター
東京都出身、青葉区在住。料理上手ではないものの、発酵食の愛好家で、好きな調味料は味噌と玉ねぎ麹。LOHASを意識した暮らしをゆるっと伝えるブログ「まな♪まな」を2021年から発信している。毎日の味噌汁、松葉ジュース、自家製梅酒が元気のモト。
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