最近、我が家でせっせと絵本を運んでくるのは妹ちゃんになりました。兄弟は図書館の本を読むことが多いです。四年生の兄は、家の本はすっかり読んでしまいましたが、朝晩ちょっとでも時間があると、本棚から本を選んでは読んでいます。それが懐かしい絵本だったりすると、母はちょっとほっこりしてしまいます。
さて、今月の絵本『もりのなか』を知っていますか?
実は、この本は、声を出して読んで、気持ちがいい一冊! と母である私は思っています。木々の色合いが美しい絵本にも見惚れるのですが、モノトーンの『もりのなか』のもつ静寂に感じ入ってしまいます。
白黒の絵本なんて、こどもは読むのかな? と思うかもしれませんが、こどもは柔軟、すっとお話の中に入っていきます。
ラストのページの作者紹介によると、なんでも幼少のころから絵の才能があり、小学校に入るころには大人の美術クラスで絵を描いていたとか!
訳を手がけているまさきるりこさんは、4月に紹介した『くんちゃんのはじめてのがっこう』の訳者さんでもありました。
主人公「ぼく」は、かみのぼうしをかぶり、あたらしいラッパをもって、もりへさんぽにでかけます。もりのなかでは、ライオン、ぞう、くま、などの動物と次々に出会います。そして、動物たちは、髪をとかしたり、上着を着たりしたあとで、ぼくの散歩についてくるのです。
もしかしたら、読んでいる大人は、「ライオンが髪をとかすかな? ぞうが上着を着るのかな? なんて思うかもしれませんが、こどもはそこを問題にせず、ぼくと同じように散歩を楽しみます。
森とこどもと動物、とっても相性がいい……。
我が家で初めてこの本を読んだ兄も、小さいころのお気に入りでした。
ラストにお父さんがぼくを迎えにくるところが特に好きなのかな? とひそかに思っていました。
でも、妹ちゃんのポイントは、森の中の動物たちそのもののような気がします。女の子って動物大好きなんですね。
6月は日本中にある森がしっとりと雨でおおわれるでしょうか。
5月の連休に長野の森の中で過ごした我が家は、森と聞くとしばらくはその森を思い出します。暖炉に木を足して暖を絶やさぬようにしながら、早朝、にぎやかで目を覚ましてしまうほどの小鳥たちの声を聴いたり、風が強く音をたて、しなりながら揺れる木々を見たり、森のいろいろな表情を堪能してきました。
そうそう、私たちも、森で動物に出会いました。
それは鹿です。夜の森の道で光る眼をみたり、昼間に親子が足早に駆け抜けたり……。この経験は、こどもたちもずっと忘れないような気がします。
生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!