2013年8月3日(土)4日(日)の2日間、ららぽーと横浜で開催された「& EARTH DAY〜みんなで人と地球について考える2日間〜」。間伐材で木琴をつくり合奏するワークショップ「&EARTH melody」とおうちでできるエコを紙芝居で学ぶ「&EARTH 〜すまいのECOチャレンジ」が行なわれました。
「&EARTH」とは、主催する三井不動産グループの環境への取り組みを示すキーワードで、北海道美瑛の森の再生と間伐材活用プロジェクトもそのひとつです。今回の木琴づくりには、美瑛の森の間伐材が使われました。
はじめにクイズ形式で森のお話を聞いて、木琴の材料のトドマツとカラマツに触れ匂いをかぎ、遠い北国の森との距離がぐっと縮まったところで、いよいよ木琴づくりが始まりました。
木琴づくりの講師は、森ノオトではもうすっかりおなじみ「minatofurniture」主宰で、木工作家の湊哲一さん。今や本業の家具づくりをしのぐ勢いで間伐材ワークショップの講師としてひっぱりだこ。日本各地を飛び回っています。
まず、土台に一枚ずつ鍵盤を仮置きし、音階を確かめ、ネジで止めていきます。土台のトドマツが柔らかいので、子どもでも簡単にネジを回せました。
普通、木琴の鍵盤は低音から高音になるにしたがって等幅に長さが短くなりますが、この日つくった鍵盤は不揃いです。それは、湊さんが1枚1枚音を確かめながら板を切っているためです。
「&EARTH melody」はららぽーと横浜で1日3回、7月にも千葉のららぽーとTOKYO-BAYで2日間開催されているので、湊さんがつくった鍵盤の数はなんと3000枚! 同じ木でも密度や固さによって音が違ってくるので、機械的に同じ長さに切ればよいわけではないそうなのです。
そんなふうに手をかけられた木琴は、なんとも味のある出来映え。年月を経ることや季節によっても音色が変わるそうですが、それは生きている木だからこその味わいで、プラスティックではこうはいきません。出来上がった木琴をたたいてみるとまあるい、優しい音がしました。
そしていよいよ完成した木琴での合奏です。3つのパートに分かれ、ミュージシャンの田辺玄さんの指導で「山の音楽家」を演奏します。各パートが担当するのは1音だけなので私の娘のように小さい子でも簡単にたたけますが、みんなの音が合わさると、素晴らしいメロディに! 目をつぶれば北海道の森や、曲中の小リスやたぬきが現れるような、温かみのあるかわいらしい音色が響き渡りました。
一人ひとりが生み出す音が見事なハーモニーをつくる。森や地球環境を守る働きとも通じる気がしました。
私が森を守るための間伐の大切さについて考えるきっかけとなったのは、2年前に私たち横浜市民の水源、道志村の森を訪ねるツアーに参加したことと、昨年間伐体験をしたことです。
そこで、手入れする人の手が不足して森が荒廃していること、木の運搬に人手がかかることや、放置されている間伐材をいかに利活用していくかの問題を知りました。
我が家は農による里山再生を目指すNPO法人農に学ぶ環境教育ネットワークの活動に参加したり、キャンプが好きなので森に出かける機会が多いのですが、レジャーや今回のようなワークショップなど、まずは子どもが木にふれる心地よさや楽しさを感じる機会を増やしていきたいと考えています。そして、そうしたことをきっかけに、子どもが森について考える入口になったらいいなと思いました。
木琴づくりが終ってからも娘たちは「&EARTH 〜すまいのECOチャレンジ」の紙芝居に夢中。その間、私は、三井不動産環境推進室の下郡稔裕さんにお話を伺うことができました。
三井不動産グループでは北海道美瑛で5000ヘクタールもの森林を保有管理していて、次代を担う子どもたちに森や地球環境を守る大切さを伝える今回のような活動と、フローリングや壁材などの建材として、間伐材を本業の建築で活用すること(千葉の柏の葉キャンパスシティの賃貸マンションで採用が決定)などを進めています。
これまで私は、森を守る人たちに間伐材活用の難しさを聞いてきましたが、大手企業が植樹、間伐、間伐材の活用というサイクルを実現させていることの意義の大きさを感じて、ワクワクしました。
子どもたちひとり一人に蒔かれた種がやがて芽を出し、大きくなってどんな実が実るのでしょう。
植樹されて成木になるまで50〜60年。娘が大人になるころには、国産材がさらに有効に使われているといいな。娘が今日のことを思い出して、森に想いを寄せてくれるといいな。木琴の音色から北海道の広大な森に想いを馳せ、木漏れ日のように輝く希望を感じた日でした。
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