兼ねてから気になっていた言葉「自然栽培」。自然の栽培って有機栽培のことじゃないの? ウィズの森マルシェで自然栽培野菜や加工品などのナチュラルフードを販売している「森の扉」の野原典彦さんにその違いを聞いてみました。
オーガニックショップで目にする機会が増えてきた「自然栽培」の野菜やお米。有機栽培とどう違うのかしら? 森ノオト読者の皆さんでも気になっている方がきっといるのではないでしょうか?
環境配慮型の農産物表示ガイドラインは、現在、大きく分けて2種類あります。
「有機農産物」とは、化学肥料や化学合成農薬を使用しないもの。
「特別栽培農産物」は、無農薬、減農薬、無化学肥料、減化学肥料栽培のもの。私は、ここまでは内容も含め、ざっくりではありますが何となく理解しています。
そして、最近よく目にするようになった「自然栽培」。自然栽培って有機栽培の一種だよね? だって、特別栽培よりも自然に近いのは、化学農薬を使わない有機栽培だし……など、なんだかいつもモヤモヤ。
こういう時はその道の人に聞くのが一番!
毎月青葉台ウィズの森で開催されている「ウィズの森マルシェ」で、自然栽培農家さんの農作物から種まで販売している、「森の扉」さん。教えて! 野原さん! と言わんばかりに、色々うかがって、日頃のモヤモヤを解消しました。
野原さんに聞いてまず分かったのは、自然栽培は有機栽培ではない、ということ。もちろん特別栽培でもありません。
「自然栽培は規格認証されていないんです」(野原さん)
なんと! 確かに自然栽培には「有機JAS」などのようにパッと目に付くロゴがありません。これだけ目や耳にするのに規格認証さてれなかったとは意外でした。
次に目からウロコだったのが土の話し。自然栽培ならではの土のこだわりに「自然」を冠する所以が隠されていました。
「自然栽培は肥料も使わないんです」(野原さん)
有機肥料であっても、肥料には窒素が含まれていることが多く、その窒素が土を固くしてしまうとのこと。私は、農薬と化学肥料さえ使わなければ、ほぼ自然そのものの農作物なんだろうと思っていたので、これには驚きでした。
そういえば『奇跡のリンゴ」で有名な自然栽培農家の木村一則さんも「雑草を生やしたら土がスポンジのようにやわらかくなってやっと実をつけた」とおっしゃっていたのを思い出しました。土がこうなることで根がしっかり土にはる。土の中の微生物も元気になり、栄養分の吸収もよくなる。農作物そのものと土が持っている自然の力を最大限に引き出し生かす。「人間はそのお手伝いをするだけ」という木村さんの言葉を聞いて、TVを前に涙、涙でした。
また、自然栽培の野菜や果物は他の栽培方法の野菜と異なり、長く置いておいても腐敗するのではなく「枯れていく」(野原さん)という特徴もあるのだとか。自然栽培の農作物を扱い販売する方が実際に実験したところ、長期間置いておいた野菜が腐らずに、しなびるような形で枯れていったのだそうです。
この話を聞いて、最後の最後まで自然の力を感じました。
安全な農作物を手に入れようと、つい、規格表示ばかりに頼ってしまう毎日。いち消費者として少し反省もしつつ、野原さんおススメの美味しい自然栽培野菜を購入しました!
また次回のウィズの森マルシェで旬の自然栽培野菜とともにお会いできること、ますます楽しみにしています! 野原さんありがとうございました!
自然栽培を通じて「里山」や「種」などなど気になるトピックも沢山出てきました。野原さん、ぜひ、またいろいろ教えてください!
ウィズの森マルシェ(※現在は行われていません)
場所:ウィズの森(横浜市青葉区さつきが丘5-1)
時間:毎月第2・第4金曜・土曜 10:00〜18:00(売り切れ次第終了)
※5月は第2金曜・土曜のみとなります
※野原さんの次回の出店は、5月9日(木)、10日(金)の予定です
【link】
ナチュラルフード森の扉(有機野菜・自然栽培野菜・加工品ほか)
http://wx25.wadax.ne.jp/~morinooto-jp/denennavi/tankentai/post-189.html
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