ウィズの森マルシェへ出店中、AGRUの小川穣さんに聞くハーブティー販売までの道のり 
森ノオトリポーター養成講座に参加した松岡美和です。私は今回が初めての取材。森の市場「ウィズの森マルシェ」でハーブティーなどを販売しているAGRU(アグル)の小川穣さんを訪ねました。若くておしゃれな小川さん、でも意外にも中学・高校時代には閉じこもりがちだったそうです。小川さんのハーブティーにかけるこだわりやきっかけをお聞きしました。(文・写真/松岡美和)

小川さんが畑で収穫、乾燥、ブレンドしたハーブティー。おしゃれでかわいいギフト用も

AGRUのハーブティーには「ShangriLa(シャングリラ)」と「魔女のハーブティー」の2つのシリーズがあります。シャングリラは、主に神奈川県大和市にある小川さんの畑である〈みちばたばたけ〉で採れたハーブを小川さん自身が収穫、乾燥させ、ブレンドしたもの。一方の魔女のハーブティーは、ハーブ教室の講師を務める瀧口律子さんが考案したものだそうです。ブレンドされているハーブには海外から輸入したものもありますが、なるべくオーガニックのものを仕入れるというこだわりがあるそうです。

「欠けていく月」という名前の魔女のハーブティーを試飲。爽やかでいてすっきりと飲みやすく、美味しい!

ウィズの森マルシェが開催されていたこの日、テーブルに並んでいたのは、種類豊富なブレンドハーブティー。梅干し・梅ジャム・梅肉エキス・ゆかり。そして、ブルーベリージャム。素材は主に〈みちばたばたけ〉で採れる無農薬のものを使っているそうです。小川さんが若くして畑をしているこれまでの経緯が気になり、きっかけを伺いました。

 

小川さんのご両親は農家ではないのですが、畑を持っていて、家で食べる分の野菜は育てているそうです。小川さんの家では、小さい頃から新鮮な採れたて野菜が食卓にのぼるのが当たり前でした。小さな頃は野菜より肉が食べたいと思い、週末にレストランへ外食に行く友だちをうらやましく思っていたらしいのですが、子どもの味覚は正直。素材の味が自然と体に刻み込まれていきました。

商品や畑のこと、食の安心と安全、ハーブへの想いを熱く語る小川さん

中学・高校時代、小川さんは引きこもり気味だったとか。学校に行かず家にいる日は、お母さんの畑仕事を手伝うことが多かったそうです。最初は母親に指示されて土を動かしたり穴を掘ったりしていた小川さんですが、土をさわっているうちにだんだんと「この土がどんな土なのか」分かるようになってきたと言います。

 

「何のスペシャリストになれるかって考えたら、自分は、土にふれることだったんですよね」と小川さん。家には自家野菜用の畑だけでなく梅やブルーベリーやハーブがありました。そうして土にふれているうちに、自然と畑をやろうという気になったそうです。7年前、本格的にハーブのことを勉強してみたいと学校にも通いました。そして、去年の7月には会社を立ち上げ、ハーブティーの販売を始めたのだそうです。

 

「畑は心のよりどころですね。何より外の空気は気持ちが良いです。」と小川さんは笑顔で答えてくれました。

 

〈みちばたばたけ〉では、取材した3月8日には、ちょうど梅の花が咲いているとのこと。お話を伺っていたら、遊びに行ってみたくなり……

 

ウィズの森マルシェの翌週、大和市にある小川さんの畑〈みちばたばたけ〉を見学してきました。

お土産に、とローズマリーを収穫してくれた小川さん

小川さんは笑顔で出迎えてくれ、畑をぐるっと案内してくださいました。風が非常に強い日で、梅の花は散り気味でしたが、とてもきれいでした。梅畑に踏み入れると、土がふかふかなのが靴の上からでも伝わってきました。ウィズの森マルシェを取材した時に小川さんが「近所の子どもが畑に入ることが多いんですよ」と話していたのを思い出しました。とても気持ちのよい空間で、子どもたちが遊びたくなるのもうなずけます。ハーブ畑の方はいまだ冬模様で落ち着いていましたが、あと2、3カ月もすると元気になって、目にも楽しい景色になるそうです。初夏には梅の実の収穫、続いて夏にはブルーベリーの収穫が待っています。ハーブの栽培・収穫、梅の枝の剪定、ハーブティー等の加工……。一年を通してやることはたくさんで、「時季に応じてその時その時の作業をきっちりしていくのが大事」だと言います。育てているのではなく、育つお手伝いをさせていただく、といった小川さんの優しくも謙虚な姿勢が見られました。

 

ぜひまた畑にお邪魔させてもらおうと思いました。

Information

株式会社AGRU(アグル)

HP:http://agru.jp/

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