「節電」のキーワードもあり、電力の使い方については工夫することが多くなってきましたが、もう一つ、学んでおきたいことがあります。それは……水。
いつでも安全に使えて当たり前、どのくらい使っているのかあまり気にしたことがない、など、考えてみると電気と水はよく似ていますね。
今回は、横浜市の水道局のホームページを見ながら、私たちの身近な横浜の水について調べてみました。(Text:髙橋陽子)
まず始めに私がしたことは、私たちがふだん使っている水がどこから来ているのか調べました。
横浜市の水の水源は5系統あります。
山梨県の道志川の水を取る「道志川系統」
相模湖で貯めた水を取る「相模湖系統」
主に津久井湖で貯めた水を取る「馬入川系統」
主に丹沢湖で貯めた水を取る「企業団酒匂川系統」
主に宮ヶ瀬湖で貯めた水を取る「企業団相模川系統」
そして市内4カ所ある浄水場で水道水となり、各地へ配水されています。
各区にどこの水が届いているのかもわかっていて、青葉区には企業団酒匂川系統の水と道志川系統の水が届いています。私たちの家庭に届く水の源は、道志川と丹沢にあるということですね。
特に道志川については、横浜市が唯一、直接管理している水源地があります。山梨県にある道志水源かん養林は、面積が2873万立方メートル、都筑区と同じくらいの広さです。雨水を土の中にたくわえ、地下水となって川に流れていく自然の機能を維持するため、計画的に植林・間伐・下草刈りなどの手入れをしています。安全な水を得るために、市内から離れた水源でも、ていねいな取り組みがおこなわれているんですね。
こうして届く水道水ですが、横浜市では平均すると1人が1日あたり約234リットルも使っているそうです。お風呂と台所で使っている量は、1人1日あたり140リットル……あまりにも多くの水を使い、そして排水を流している事実を目の当たりにして、「私は贅沢な暮らしをしているんだな……」と思いました。
青葉区の住宅からは離れた森や湖から水をもらい、多くの施設や人の手で管理された水道水を得て、使う。
安全安心な水のための取り組みを知って、もっと水を大切に使いたいと思いました。
さらに、横浜市では、通常の生活だけでなく緊急時のための取り組みも進んでいます。
横浜市水道局では、災害用地下給水タンク、配水池、緊急給水栓を、災害時の応急給水拠点として整備しています。これらの応急給水拠点を検索するシステム「スイスイまっぷ」が今年3月から公開されているので、イザというときのために自宅近隣など検索してみてください。
http://www.city.yokohama.lg.jp/suidou/kyoku/torikumi/anshin-oishi/saigai/kyotenmap.html
横浜は、実は近代水道の発祥の地です。開港に伴い人口が増えて、外国から多くの人と技術が入ってきたことから計画され、明治20年(1887年)に完成しました。今年で125年目となります。
現在、横浜市水道局では、「近代水道創設125年プロジェクト」を行っています。http://www.city.yokohama.lg.jp/suidou/oishi/125project-yokohamasuidou/
このほか、この夏には、水道に関する親子向けの教室も開催される予定です。
■浄水場の見学や水質検査の実験ができる「親子水道水質教室」
http://www.city.yokohama.lg.jp/suidou/event/event-suishitsu20120801.html
■下水処理の仕組みなどが学べる「夏休み親子の下水道教室」
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/event/mizu/h24gesuikyoushitsu.pdf
豊かな環境と設備があるからこそ、届いている横浜の水。私たちの暮らしはやはり、大きな環境の輪の中にあるんですね。この輪は消費する私たちの暮らしを過ぎても続いていきます。輪の一部である私たちができることを、日々考えていきたいと思います。
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