森ノオトのリポーター達が発信する「もったいないレシピリレー」のコーナーが注目されて実現した「3R夢なクッキング講座」。今年は普段捨ててしまっているような、野菜の皮や切れ端などの「野菜くず」を利用した出汁・「野菜ブイヨン」と、それを使った「食べるスープ」、「かぶの簡単ピクルス」、「人参ごはん」の3品を提案しました。
野菜を料理していると必ず出てくる、捨てるような部分ってありますよね? 例えば……玉ねぎの皮、キュウリの端、かぼちゃの種、ナスのへた、などなど。
そういうものを冷凍してこまめに貯めておき、まとまった量になったところで水と合わせてブイヨン(出汁)を取ります(詳しくは、「我が家のもったいないレシピリレーvol.2」もご覧ください)。
野菜の栄養を丸ごといただけるこのブイヨン、話を聞くだけでは味の想像が全くつかない、という方もきっといるのではないでしょうか。
講座では、まず講師の大西香織さんのデモンストレーションを見ていただきました。いざ実習に入ると、さすが普段お料理しなれている主婦のみなさんたち。手際の良さが際立ちます。
ただ、ついいつもの癖で、野菜の皮や切れ端をポイポイっとシンクに捨ててしまう方も、中にはいました。
通りがかりの私が「これは次回の講座で使いますので」と、野菜クズを拾う場面もありました。講座では、事前にリポーターたちが貯めておいた野菜クズを使いましたが、実習で新たに出たものは、次の講座の時に使うようにしていたためです。
すると、「え、これもですか? こっちはどうですか?」という質問が。私が「全て使いますよ」と答えると、やっぱり、驚かれたのでした。
当たり前ではありますが、一般的には「野菜の皮や切れ端=使えない部分」という固定概念が強いですよね。だから話を聞いただけでは、なかなか頭と手がついていかなかったご様子。
普段インターネットを使っての情報発信を中心におこなっている私たち森ノオトのリポーターですが、「伝えているつもりでも伝わらない」ことはきっと、様ざまな場面であるのだと思います。だから、こうして実際にみなさんにお伝えする機会をいただいたことで、私たちも勉強になりました。
そして、いつも講座で緊張していた理由のひとつに、炊飯器がありました。各地区センターで器具がそれぞれ違うのと、それをほとんど初めて使うこともあって、ご飯の炊きあがる時間がいつになるのかが、毎回の不安材料でした。
私が参加した講座では、ある会場ではご飯が炊きあがるのに時間がかかってしまったのと、別の会場では、ガスがうまく点火せずに、急遽お鍋でご飯を炊くことになりました。
使い慣れた器具でない中、参加者のみなさんには少しご不便をおかけしてしまいましたが、できあがったものがどれも美味しく、みなさんにも満足していただけた様子を見てホッとしました。
試食の時間にはリポーターたちも各テーブルに混じらせてもらい、みなさんとのおしゃべりも楽しみました。
・ 灰汁は食べてもいいもの?
・ 普段野菜を買う時、農薬などに気を使っている?
・ どういうところで買い物をしている?
・ 皮まで使うのはケチ臭いと思われるような気がしていた
・ 今度孫が来るので作ってみよう
・ 防災食を利用した講座をしてほしい(賞味期限が切れて捨てるのももったいない)
・ 果物の皮は使えないかな?
などの話題が出て、私もついついたくさんおしゃべりしてしまいました。
中でも、「皮ごと食べる」という話題が盛り上がり、印象的でした。というのも、森ノオトのリポーターの大半がそうですが、私たちは日頃から野菜の皮ごといただいています。
ゴボウも皮ごといただくし、人参、大根、レンコンなども同じです。皮を剥くとしたら、にんにく、玉ねぎ、里芋くらい?
(里芋の皮も素揚げして塩を振って食べるとおいしいのですが……)
だから講座のために野菜くずを用意しようとしても、我が家ではなかなか貯まらずに苦労しました。そんな普段の様子を紹介していたら、またまたみなさんにびっくりされて……。
皮ごと調理すると、栄養をまるごといただくことができるし、なにより、手間がはぶけて楽ちん。しかもごみも出ません。その代わり、皮ごと食べて安心なものを選んで買うようにはしています。
参加者の方から「勉強になるわ!」という言葉をいただいた時には、決して料理が得意ではない若手な私でも、みなさんに伝えられることがあるのだな、と嬉しく思いました。
今回、実習をした後に出た生ごみの量は、いったいどれくらいだったでしょうか。乾燥したものだと、玉ねぎやにんにくの皮などで、次の実習でブイヨンとして再利用するため、ゴミとはなりませんでした。それ以外ではブイヨンを取った後で漉した出汁ガラが出ました。
出汁ガラには水分がたっぷりと含まれていますが、天日干しすると約1/10の量になることがわかりました。そこまでできないという方には、「ぜひ水気を搾ってから捨ててほしい」と、大西さん。
また、地域振興課の職員の方からも、家庭から出る生ゴミの中に含まれる「手つかず食品」(手を全くつけられないまま捨てられてしまう食品)の量がたくさんあるというお話がありました。
なるべくそうしたごみを減らせるよう、買う前に食べきれる量かどうか考えるなど、無駄なごみを出さないための工夫が私たちにも求められています。
その後、講座に参加した方から、「早速野菜ブイヨンでみそ汁を作ってみて、おいしかった!」という嬉しい感想もいただきました。ぜひみなさんもご家庭でトライしてみてくださいね。今回お伝えしたことが、みなさんの暮らしの中に少しずつ定着していけたら嬉しく思います。
そして、森ノオト料理部リーダーの大西さんをはじめ、リポーターの中には料理が得意な人たちがたくさんいます。プロの現場にいた経験を持つ人から、自宅で教室を開く人、主婦として料理センス抜群の人まで、様ざまいます。
今回の3R夢なクッキング講座と同時並行で開催された「あおばを食べる収穫祭」では、チリコンカンを出して、みなさんにも好評でした。こちらも料理部メンバーが大活躍!
これからも、森ノオト料理部の活躍を乞うご期待ください! みなさまにも楽しい企画をお届けしていきます。
生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!