静岡県内で長年にわたり環境教育を実施しているエコエデュさん。森ノオトとは、セブン-イレブン記念財団の基盤強化助成を同時期に受けた、環境分野のNPOの仲間です。
エコエデュ理事長の山本由加さんは、森ノオトへの依頼についてこう話します。
「森ノオトさんへ研修をお願いしたのは、危機感からでした。
環境教育プログラムを長年発信してきた私たちには最近、悩みがありました。
広報には力を入れてきましたが、プログラムをいくら説明しても、今を生きる子育て世代や子どもたち自身の心の底にまで響かない気がしていたのです。
そんな時『メディア』の意味が強く立ち上がってきました。森ノオトさんの記事には、横浜で生きる人々の『いまここ』が詰まっていました。
人々の語りの中に、エコエデュの『いまここ』を再発見したい。語りと真摯に向きあう心構えと手法を知りたい。そんな思いで研修を受けました」
お互いを知ることで、言葉と思いが響き合う
オンラインで打ち合わせを重ね、法人内で感じている課題をお聞きしました。お話をお聞きしながら、現場を動かすスタッフと何をどう共有し、未来へのアクションにつなげていくか検討を進めました。
研修には、職歴の長いコアスタッフのほか、若手スタッフも参加し、エコエデュと自分とのかかわりや、自分たちの活動を広報することについて感じていることを青空の下で語り合いました。
森ノオトからの参加メンバーは理事長の北原まどか、事務局長の宇都宮南海子、編集長の梶田亜由美の3名。エコエデュにかかわるみなさんの語りによって互いの言葉が響き合い、エコエデュにかかわるそれぞれのストーリー があるのを感じました。
その人の思いを、メディアに載せて羽ばたかせる
次のステップとして森ノオトが企画したのは、公開インタビューとペアインタビューの実践でした。その人の言葉を引き出すシンプルな問いかけを用意し、団体の魅力をその人の言葉で浮かび上がらせることを目的としました。エコエデュの魅力、価値はかかわる人そのものにあると私たちは考え、かかわる人の言葉をエコエデュのウェブサイトで発信することを提案しました。
インタビューのワークショップはその場で完結するものでありながら、インタビュー記事として残すことで、言葉をアーカイブし、外に向けて団体の価値を伝えていく役割を持ちます。この日のインタビューは後日、エコエデュのウェブサイトに、「環境教育にかかわる人たち」として掲載されました。
公開インタビューに続いて、ペアインタビューを実施しました。あらかじめ用意しておいたシンプルな問いかけを、2人組で「聞く/話す」の両パートを実践します。これは、森ノオトが長年ライター養成講座でおこなっているワークをアレンジしたものです。普段のコミュニケーションの枠組みとは異なる「話す/聞く」を体感することに加えて、その人を通して団体を知ることができ、組織内のコミュニケーションにも有用と考えています。
研修を終えて、エコエデュのお二人に感想を寄せていただきました。
エコエデュ理事長・山本由加さん
「数年先のエコエデュをたしかに変えていく予感」
森ノオトさんのお力添えでリリースされた数本の記事は、さざ波のように伝わっています。新人職員をある人に初めて紹介したら「あれ、会ったことある?」と言われました。職員へのインタビュー記事を、その方は読んでいたのです。
伝えること・伝わることとは、固形物を投げるのではなくさざ波を起こすようなもの。響き合いながら変化する感覚に、ひとつスイッチを入れることができました。
このスイッチは数年先のエコエデュを、たしかに変えていく予感がします。
エコエデュ事務局長・鈴木玲子さん
「情報発信にとどまらない、団体の未来への示唆をいただいた」
自然の中での幼児教育をもっと普及させたい。自団体で継続的に情報発信できるような、しくみを作りたい。というのが、森ノオトさんにご相談した最初のきっかけでした。
森ノオトさんが培っていらっしゃるノウハウを惜しみなく伝えてくださるとともに、私たちスタッフの物語を温かい言葉の数々で紡いでくださったことで、情報発信にとどまらない、当団体の未来への示唆をたくさんいただきました。
——
森ノオトは、伝えることをコンセプトにした法人向けの研修を行っています。団体の現時点での課題に応じて、個別のプログラムを提案します。
お問い合わせ、ご相談はこちらのフォームよりお待ちしています。
■エコエデュスタッフインタビュー企画「環境教育にかかわる人たち」
https://www.ecoedu.or.jp/stakeholders/school/interview/
■エコエデュ森ノオト取材記事「里山で失敗しながらのびのび育て! 森でつながる認定NPO法人エコエデュ」