おしゃれメンズの旅する八百屋・「青果ミコト屋」
「インド、旅してました?」「……いえ、ネパールです」。いかにも、な風貌の男子ユニットが今年1月に立ち上げた「旅する八百屋・青果ミコト屋」。自然農法の野菜を中心に「顔の見える」宅配を行っています。オーガニックを身近に、カジュアルに、そして日常に。青葉区発の新しいムーブメントです!

荏田北在住の鈴木鉄平。鴨志田在住の山代徹。ともに31歳。高校の同級生だった2人が今こうして地元をベースに自然農法の野菜の引き売りを始めているのだから、人生はとても面白いもの。

2人がイベントでの移動販売と野菜の宅配を中心に、レシピ提案や生産者のネットワークづくりを行う「青果ミコト屋」をスタートさせたのは今年1月のこと。千葉県や関東近郊、そして地元の自然栽培にこだわる生産者から集めた野菜を、1セット2800円(Mサイズ。Lサイズは3500円)のボックスに詰めて、直接家まで届けてくれます(遠方は宅配便利用)。箱には色とりどりの旬野菜のほか、その週ごとの「ミコト屋レシピ」や野菜の保存法などの読み物が。野菜をおいしく食べきるアイデアや、生産者からのメッセージが詰まっていて、野菜は一つのメディアなんだなあ、と思えてきます。

左が山代徹さん、右が鈴木鉄平さん。キャンピングカーのミコト屋号で、全国どこにでも旅するユニークな八百屋さんだ

 

 

扱う野菜は自然栽培のものが中心です。自然栽培とは、農薬や化学肥料はもちろん、有機肥料も含めて外部から畑に何らかの影響を及ぼす素材を持ち込まず、大自然の恵みをそのまま生かしていく農法だと、鉄平さんは説明します。でも、「ミコト屋では自然栽培の野菜を中心に扱いますが、栽培方法のみにとらわれることなく、つくり手の思いを大切にしながら野菜をセレクトしていきたい」とのこと。

 

2月に届いた野菜の一例。4月はキャベツやチンゲン菜、レタスなどの葉ものが多くなる

 

 

今はオーガニック野菜の宅配などは割とどこにでもあり、関心の高い人たちはすでに取り入れているのでは……と、いじわるな質問を。

「今までのオーガニックって、どうしても裕福な人たちがお金を出して買う、というイメージが強かった。でも、ミコト屋では、ボクたちのように若く貧しい世代でも、誰もが自然栽培の野菜を気軽に買えるようにしたいんです」と、鉄平さん。

ミコト屋がカジュアルなロゴやパンフレットを用い、野菜を通じた様々なメッセージを発信しているのはそのため。若い世代の感性に引っかかるような、楽しいアイデアが次々と浮かんでくるそうです。

4月のある日、キタハラ家に野菜を届けにきたミコト屋の2人。東日本大震災直後ということもあり、生産者の状況や、放射能の対策など、直接話ができたことでどれだけ安心したことか!

 

 

2人は田園都市が誇るオーガニック業界のスーパースター、ナチュラルハーモニー代表の河名秀郎氏のもとで1年間研修を積みました。そこで自然栽培の野菜の流通や販売について学び、その後、鉄平さんは房総にあるブラウンズフィールドでマクロビオティック料理家・中島デコ氏のもとに住み込み畑を担当。徹さんは経営のノウハウを積むための修業に入りました。2人が歩んできた道のりが交錯し、今に至ります。

そして、何より地元への思いが強いのがミコト屋の特徴。徹さんは「僕は寺家ふるさと村近くで育っています。この豊かな環境に生まれたという意味がきっとあるはず。僕たちは自分たちが生産者になるのではなく、流通という道を選んだ。青葉区から新しいカルチャーを発信したい」と語ります。

 

毎回「今週のお野菜&レシピファイル」が届く。野菜のルーツや調理法、保存方法に加えて、オリジナルレシピや農家さんのおすすめレシピ、コラムなど盛りだくさんの内容。1年経ったらどれほど野菜通になれるだろう。楽しみだ

 

 

ミコト屋の由来は、「3つのマコト」から。一つ、意志。一つ、言葉。一つ、行動。この3つがそろっていることを「見事」といい、3つともなっていないことを「みっともない」というのだそうです。「見事を目指していこう」……。2人の挑戦は始まったばかりです。

 

Information

青果ミコト屋

事務所住所:横浜市青葉区荏田北2-11-72

TEL&FAX :045-777-0558:

販売:森ノオトエリアは戸別に宅配可能。5月からは月4回コース、月2回コース、月1回コースが選べるようになる。詳しくはお問い合わせを。
HP:http://www.micotoya.com


クラウドファンディングに挑戦中!!
〜2020年12月11日(金)午後11:00)

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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