震災を機に確かめ合った、地域の絆の大切さ。青葉台中学校で座談会
「大地震は本当に起こるのだと思った」。これは青葉台中学校の生徒の言葉ですが、3.11東日本大震災で誰もがそれを実感したのではないでしょうか。7月8日に青葉台中学校で、学校・家庭・地域連係事業主催の「街と共に歩む地域づくり座談会」が行われ、「地震、その時あなたは……」をテーマに地域の小中学生、保護者、教職員、地域住人ら約200名が話し合いを行いました。

「3月11日、地震が起こった時間はすでに授業が終わり放課後の時間帯。中学生たちは部活動を行っていた時のことです。震度5強の強い揺れ、しかも揺れている時間が長かったため、生徒たちには動揺が走り、中には泣き出す子もいました」

こう振り返るのは、青葉台中学校専任教諭の瀧典之先生。青葉台中学校では生徒たちを一度グラウンドに集めて、無事を確認してから下校させました。近くの青葉台小学校では、生徒たちを小学校に留め置き、保護者に引き取りを依頼したとのこと。しかしこの日、青葉台周辺でも帰宅難民が多く出たのは記憶に新しいところ。「大震災が本当に起こってしまった。その時、学校では? 家庭では? どうしたらいいのだろうか」。子どもたちなりに真剣に考えたようです。

7月8日に青葉台中学校で行われた座談会では、地域住人25名、青葉台小、榎が丘小、鴨志田第一小学校の生徒58名、青葉台中学校の生徒34名、保護者35名、教職員43名の計195名が参加し、「地震、その時あなたは……」をテーマに語り合いました。老若男女が入り交じり、10グループに分かれ活発な議論を行ったとのこと。

地震が起こった当日は、

「青葉台小学校ではたまたま当日の午前中に避難訓練をしたばかりで、生徒たちは皆落ち着いて行動できた」

「車の運転中で、平常心でいられずパニックになった」

「マンションの上層階が激しく揺れ、本棚や棚から物が落下し足の踏み場がない状況だった」「帰宅困難になって会社に宿泊した」

などの声が聞かれました。

震災後、意識的に変わったこととして、

「大震災は本当に来るのだと頭の中でシミュレーションしながら避難訓練に真剣に取り組むようになった」

「いざという時にご近所同士で助け合えるよう、日頃から地域の人たちと積極的にコミュニケーションをとる必要を強く感じた」

「携帯電話など普通に利用できていたものが使えなくなることを意識して、依存せずに生活する」

ことなどが挙げられました。

この座談会に参加した保護者の一人は、「震災を機に、いざという時に助け合えるのは、学校などを中心とした地域コミュニティーなのだと感ました。子どもの存在をきっかけに、日頃から地域の人たちと会話をしていく大切さを学びました」と話しています。

はからずも地域の結びつきを見直し、強めるきっかけになった東日本大震災。ここから起こったつながりを、住みやすい街づくりにつなげていきたいですね。

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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