雛から大切に育てた鶏を締めていただく……「いのちの循環」
ポニーや柴犬、そして名古屋コーチンのいる寺家ふるさと村の無添加住宅ショールーム「グリーンピース」。ポニーや鶏の糞は地元の有機農家さんの堆肥に。卵や有機野菜はショールームで販売。まさしく食をいのちを循環中。
そんなグリーンピースでは時々、手塩にかけて育てた鶏を社長自らが締めてお客さんに振る舞います。今回、鶏をお肉にするまで、そして食べるまで、貴重な経験をさせていただきました。
【※】鶏の臓器の写真がありますので、苦手な方は閲覧ご注意ください!

【※】鶏の臓器の写真がありますので、苦手な方は閲覧ご注意ください!

 

普段スーパーに並んでいるお肉。部位ごとにパック詰めされて、「これがお肉なんだよなあ」と特段意識することもなく、みなさんも日々の糧として手にしていることと思います。

 

グリーンピースでは名古屋コーチンの雄「シートベルト」数羽と、たくさんの雌「プラム」を飼っていて、雌は卵を産み、雄は種つけをします。孵卵器で卵を温め雛にして育て、また卵をとる……。鶏たちは家畜として大活躍です。

 

家畜としての役割を果たした鶏たちには、次のお仕事があります。「お肉」として食用されること。「だって、食べないと増えすぎちゃうし」と、グリーンピースの中島絵麻さん。

 

この日選ばれたのは、グリーンピースで雛から育てた1歳半の雄鶏と、卵から孵化させて育てた半年の雄鶏。

 

下手人は、グリーンピース社長の石井俊博さんです。

 

鶏の両脚を高く吊るして、切り株の上に頭を置き、鉈を振るいます。首が落ちた鶏はしばらく羽根をバタバタさせます。石井さんは返り血を浴びていました。

 

動かなくなったら、予め竈で沸かしておいたお湯に鶏をくぐらせます。そうすることで、羽根がむしりやすくなります。

 

 

おそるおそる羽根にふれてみました。おっ。スルスルと羽根がとれる。そして、鳥肌があらわになってきます。スーパーなどで見る鳥肌はもっと細かいのですが、グリーンピースの鶏の鳥肌はしっかりと立っていて、なかなかリアルです。

 

それから、鶏の羽根は思ったよりも脂が強いというのも発見でした。

 

2羽の鶏を、石井社長と絵麻さんがそれぞれさばきます。まず、股の方から切れ込みを入れていきます。

 

 

最初に取り出すのはレバー。思ったよりも大きく、赤黒くて光っています。

 

それから心臓(ハツ)。よく焼き鳥屋さんで食べる部位ですよね。心臓は本当にハートの形をしていて、心房からは大きなポンプが出ているのがわかります。ここから血液が送られて戻ってくるんだなあ。

砂肝には本当に砂が入っています。鶏は飼料を食べる時に消化できなかったものをいったん喉の奥の砂袋に入れてためて、さらに胃で消化できなかった砂を砂袋で細かくするんですね。砂はその都度水できれいに洗い流しました

 

内臓を取り出し、真っ黄色の脂肪を除き、ふだんよく食べるムネ肉やモモ肉を取っていきます。ローストチキン用に売っている丸鶏の状態から、さらに解体されていきます。

 

内臓を取り出し、真っ黄色の脂肪を除き、ふだんよく食べるムネ肉やモモ肉を取っていきます。ローストチキン用に売っている丸鶏の状態から、さらに解体されていきます。

 

当たり前だけど、1羽の鶏から採れる手羽先は2つのみ。スーパーの手羽先のパックから想像すると……鶏何羽分?

 

これは「ぼんじり」。焼き鳥屋さんで食べる、ねっとりジューシーなお尻の部位です。こんな形しているんですねえ。

 

 

ここまでくると、もう「肉」ですね。細かく切った肉を串に刺していきました。2羽の鶏からたくさんの焼き鳥ができました。手前にあるのはレバー。塩とごま油でいただきましたが、とても新鮮でくさみがなく、舌の上でとろんととろけました。

 

鶏から焼き鳥になるまで2時間。

 

グリーンピースの皆さんが卵を孵し雛から育てる時間を考えると、「いのちをいただく」ありがたみが身にしみてきます。

 

羽根と頭と脚、大腸小腸以外、鶏のすべて食べきりました。肉質はやや固くかみごたえがあって、とても濃厚な力強い味でした。ガラや骨はスープをとって、最後の締めに鶏ガラのラーメンをいただきました。元気な鶏たちが生んだ卵がのっていました。

 

鶏たちの糞を堆肥にして育てた有機野菜をピザにして、ペレットグリルで焼きました。これには子どもたち大喜び!ほかにも、グリーンピースの卵のシフォンケーキをいただいたり。

 

「手塩にかけて育てた鶏に塩をかけて食べるんです」と、いつもの石井社長節。本当に、これ以上の「ご馳走」はない、と思います。

 

3歳半のムスメは、鶏の首を落とし羽根をむしるまでの間は、ショールームの中で遊んでいました。もう少し大きくなって、包丁を自在に使え、食べることの意味をきちんと理解できるようになったら、また一緒にイチから学ばせていただきたいな、と思います。何より親自身にとって、貴重な経験になりました。

 

この日、グリーンピースの皆さんの心からのおもてなしを受け、誰もが笑顔で満ち足りた時間を過ごすことができました。心なしか鶏舎の鶏たちはおとなしかった気がしますが(笑)。

 

お肉だけに限らず、わたしたちは日々、いのちに生かされ、いのちをつないでいることを実感したこの日。「いのちを移す」、そんなことをこの日感じました。そして、毎日台所に向かう喜びを味わおう、と心を新たに、今日も家族のごはんをつくります。

 

**Link**

グリーンピースでは7月29日(日)に工作教室と流しそうめんのイベントをおこないます。寺家の竹に流すそうめん、格別に美味しいでしょうね。詳細はこちら!(※この日は鶏締めの予定はありません)

http://wx25.wadax.ne.jp/~morinooto-jp/morijoho/dengonban/729.html

北原 まどか
この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森のなかま募集中!

メディアを寄付で支える
読者コミュニティ
「森のなかま」になりませんか?

もっと詳しく