小野路やまいち、行ってきました!
寒さがぶり返し、雲行きも少し怪し気……そんな空模様だった4月20日、私は町田市北部に位置する小野路(おのじ)へと向かいました。森ノオトではおなじみ、寺家から小野路へと拠点を移した家具工房KASHOの加生亨さんが中心となって企画したアート&クラフト市「小野路やまいち」が開催されるからです。加生さんが何か楽しそうなことをやるらしいと耳にして以来、この日を指折り数えながら待っていました。(text by 松山ちかこ)

小野路という地は、昔ながらの里山と谷戸が地元の方々の手によって大切に守られ、恵み豊かな環境を残す土地として知られています。かつては鎌倉と武蔵を結ぶ鎌倉街道の宿場町として栄え、江戸時代には大山詣で行き交う人びとでにぎわった場所でもあったそうです。

 

今回の小野路やまいちの会場となった場所は、下堤地区にある山あいのアトリエ村で、ここにアトリエを構える彫刻アトリエIZUMIと家具工房KASHOのスペースで行われました。アトリエ村というのは、もともとアーチェリー場があった場所で、現在は10組以上の作家さんたちがここで活動をしています。

 

第1回目の小野路やまいちでは、町田市や近隣地域の作家さんたちによる彫刻、家具、陶磁器、絵画、玩具、文具、雑貨、古道具、リサイクルなど27組のほか、飲食11店が出展。その他にも紙芝居や民族楽器によるライブも行われました。この中でも町田の出展者さんが7割を占め、まさに地域に根ざした人たちによるアート&クラフトがたくさん並びました。

 

こちらは「い」会場。陶磁器、雑貨、文具や家具などのブースが集まっていた

会場の敷地が広いため、出展者さんたちのブースは「山」、「い」、「ち」の3カ所に分けられていました。そして心配されるお天気をよそに、10時の開場後ほどなくして、どの会場もあっという間に来場者で埋め尽くされました。

 

会場近くで工房を開いている陶房en

こちらは「山」会場へと向かう竹林の中の小道。この小道がふかふかとしていて歩くのがとても楽しくて、その先には……

 

このように開けた場所をぐるりと囲むようにしてたくさんのブースが立ち並びました。写真奥に見えている竹林が上記の小道。

 

竹馬や竹ぽっくりを試乗でき、乗れたら持ち帰ってよいコーナーもありました。竹馬などの材料は会場となった竹林から採取され、3日がかりで用意したそう。子どもはもちろんのこと、大人までもが幼少時代を思い出して楽しんでいる様子が見受けられました。

 

spice+artsさんのだんごカレー、こなむすびさんスイーツ、jique caféさんのおにぎりパンや雑穀のおやつ、林農園さんのチマキ、heaven’s meal factoryさんの玄米弁当など、美味しいごはんやおやつに出合える

 

ブースを回っていると、食べ物はどれもおいしそうで、クラフト作品もキラキラ素敵なものばかり。雑貨やスイーツ、野菜などを両手いっぱい買い込んでしまいました。しかし、その中に売り手の方と言葉を交わさずに買ったものはひとつもありません。美しい自然の中で楽しく会話をしながら手にしたものたちは、単なる「もの」ではなく、つくり手の想いや、売り手のエネルギーが感じられる、他には変えがたく、愛おしく思えるものばかりでした。

 

やまいちの会場全体の中でも、私が感じたことと同じような対話がなされていたように思います。つくり手と作品の間に、売り手と買い手の間に、大人と子どもの間に、人と自然の間に……そこに行き交う様ざまな「想い」が、たしかに感じられました。

 

やまいちも後半に差し掛かった頃、雨が降り出しました。まさにこの日、4月20日は春季の最後の節気、穀雨。春雨が百穀を潤すことから名づけられたそうですが、穀物が成長するため、私たちが生きるために必要な恵みの雨とされています。

 

事務局発表によると、この日の来場者は820人。小野路やまいちにとっても、初開催の大盛況ぶりを祝い、また、今後の発展を願っての恵みの雨だったのかもしれません。

 

そして、開放感のある自然豊かなこの会場で、身も心もホクホクと満たされ、降り出した雨にどこか心地よささえ覚えたのは、私だけだったでしょうか。

 

「このやまいちをだるま市のような年中行事にしたい」と語ってくださった加生さん。その時だけ盛り上がるようなイベントとしてではなく、この地に、この地の人びとともに、小野路やまいちが根づき、広がっていくことを目指したいとのこと。

 

寺家回廊の立ち上げ人でもあった加生さんが、寺家の魅力を更に引き出すことに尽力し、その経験を踏まえ、新たな拠点となった小野路で再び動き出しました。

 

小野路やまいち、次回の開催が待ち遠しくてたまりません。

 

【Chikako’s eye】

私は実家に帰ると、必ず近所にある小さな市場を訪ねます。お魚屋さん、お肉屋さん、乾物屋さん、八百屋さん……祖母の代から通っている場所で、お店のおばちゃんたちも私が訪ねると喜んでくれます。実家を離れてからは、モノを買いに行くというよりは、お店の人に「会いに行く」という感覚の方が強くなってきました。おばちゃん元気かな? まだやってるかな? お店の人たちとの何気ない会話。「元気だった?」「今日はこれがおいしいよ」「これもっていきな」「お母さん元気?」いろんな会話をしながら、買い物をした帰り道は気持ちもなんだかほっこり。なんでしょうね? この満たされる感じは。でも大好きなのです。
今回取材した小野路やまいちの帰り道、私はやはり満たされた気持ちでいっぱいでした。お財布は空っぽなのに(笑)とっても幸せな気分。自分の身近な場所で地域の人たちとの良い関係性がまた広まっていくことは、暮らしを楽しくしてくれます。この輪がよりたくさんの人たちへ広まっていきますように。

Information

小野路やまいちブログ http://onojiyamaichi.blogspot.jp/

加生亨さんインタビュー記事

http://morinooto.jp/letstalk/interview/vol14_3/

家具工房KASHO HP http://kasho.cc/

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