わたしの「核」を食で磨く。Restaurant&Cafe COA
自然栽培野菜、健康な肉や魚、自然発酵のお酒、天然醸造の醤油や味噌、自社ブランドの調味料……。ナチュラル・ハーモニー基準が白いプレートに乗ると、美しくて、力強くて、自立していて、それでいて食べ飽きない、まるで「これからの時代の女性」を見ているようで、惚れ惚れします。レストランはナチュラル・ハーモニーの中心、その名も「COA」! その核心に迫りました。

センター北の「ナチュラル&ハーモニック プランツ」の一角にあるレストラン&カフェCOA。天然素材のテーブルと椅子に座ってリラックスして食事ができる

 

森ノオトでこの夏、大特集中の「ナチュラル・ハーモニー」。映画『よみがえりのレシピ』上映会にご協賛いただいたご縁で、代表の河名秀郎さんやスタッフの皆さんと親しくなりました。

 

若かりし頃のキタハラは江田駅近くの会社で働いていました。当時、プランツがあったのは江田駅から国道246号線沿いに5分ほど歩いた倉庫で、21世紀になったばかりの当時、オーガニックに特化したショッピングモールは世にもまれ、まさにカウンターカルチャー的な雰囲気で、異彩を放っていました。

 

ヘンプ料理や穀物コーヒーを知ったのも、後にキタハラの人生を変えることになる雑誌『チルチンびと』に出会ったのも、この場所でした。

 

仕事が終わると、スタッフが壁を手塗りしたという洞窟のようなバー「クーカラ」に出入りし、玉ねぎのピザをハフハフとほおばって、野趣あふれる野菜料理をつまみに、ビールを飲んでいたのを思い出します。もう、10年以上前!

 

この日だけで25種類はのっているという「自然栽培プレート」は1,680円。七分搗きのごはんとお味噌汁つき。味噌は季節によって配合を変えている。ナチュラル・ハーモニー基準で放射能の検出限界1-3Bq/kg以下不検出のもののみ使用するノンベクレル・プレートでもある

 

それから10年の時を経て、母になったわたしは再び、今度は娘を連れてセンター北の「レストラン&カフェ COA」を訪れるようになりました。駅近の大型ショッピングモールの一角にあるショッピングモール「ナチュラル&ハーモニック プランツ」の奥でにぎわっています。

取材の日は夏の盛り。日本の野菜の旬を表現するのなら、COAのプレートを見よ! ……というくらい、赤、黄色、緑、オレンジなど、鮮やかなビタミンカラーが目に飛び込んできます。

春はほのかな淡み、夏はヴィヴィッドに、秋は色彩も深みを増して、冬はどっしりと。太陽、土、水、その土地が生み出すエネルギーがギュッと凝縮されています。

 

自然発酵の生ビール。干柿から酵母をおこした。キタハラの大好物で、小は450円、レギュラー800円。ほかにはないコクとフレッシュな酸味がたまらない!

 

自然が生んだ様々な色を、白い皿にのせてダイナミックな世界を描くのは黒井正博シェフ。古くからのCOAファンにとっては「伝説のシェフ」です。江田のプランツ立ち上げのころから6年間厨房で腕をふるい、いったんは店を出たものの、昨年8月にカムバックしました。

 

「自然野菜のよさをどうやったら引き出せるのか、毎日野菜と対話しながら、奇をてらわずシンプルに、自然を味わえるような調理法を心がけています」

 

取材したこの日は、プレートの上で25種類もの野菜が煌めいていました。同じ野菜でも、切り方も、蒸す時間も、調味料の配合も、その日入った野菜によってすべて変

えています。

「毎日毎日、その日によって材料も変わるし、野菜の状態も表情も違う。毎日試作を繰り返しては、お客様に感動をもたらす料理を考えています。エネルギーに満ちている野菜はできるだけ、その日のうちに使い切りたい。お客さんには、おなかいっぱい食べてもらって、満足して、楽しんでもらいたいんです」

 

「伝説のシェフが戻ってきた! と、友人の間で評判でしたよ」と黒井正博シェフに話すと、ちょっぴり照れてはにかんだ

 

黒井シェフが江田のCOAで腕をふるっていた12-13年前は、ナチュラル・ハーモニーが全国の農家に慣行農法や有機農法から自然栽培の切り替えを勧めていた時期と重なります。一時的に収量が落ちたり、味や大きさにバラつきが出る移行期の野菜を買い支えていたその当時、味を追求する黒井シェフとしては正直、やりにくさを感じていたこともあったといいます。

 

「自然栽培に切り替えたばかりの野菜は、まるで野生児のようで……。大地からそのまま生えてきている草のようでした(笑)。でも今は素晴らしく成長を遂げました。生産者が時間をかけて土と種をつくり、愛情込めて育てた野菜の味は、COAに食べにくるお子さんの表情が物語っています」

 

ナチュラル・ハーモニーの河名さんによると、土の浄化には約10年、種の浄化には約8年必要とのこと。農家の長年にわたる努力と我慢を経てようやく、農薬にも肥料にも頼らない、自然栽培ならではの自立した野菜が育ちます。

 

10年前は野生児のように感じていた野菜たち(当時のわたしはナチュラルな野菜はこういうものなんだ、と思っていました!)、いつの間にか洗練され自立した、ナチュラル美人に成長していたのです。楚々として、気さくで、大胆で、甘酸っぱくて……口のなかいっぱいに広がる、大地の香り。それを育んできた農家さん、そして根気づよく伝え続けてきた河名代表始め、ナチュラル・ハーモニーの皆さんには頭が下がります!

 

「だからなおさらのこと、素材によけいな手を加えないようにしようと心がけています」と黒井シェフ。すっぴんでも美人な野菜たちには、無理に厚化粧する必要はなく、その美しさがより引き立つようなひと手間を加えるだけ、と強調します。

 

パティシエがつくるスイーツは、乳製品や砂糖などを使わないヴィーガン対応のものから、ナチュラル・ハーモニー基準の卵や乳製品などを使ったリッチな一品まで、すべての素材を表記しているのでアレルギーがある人でも安心

 

「COAは、プランツの中心、核と言えばいいのかな。もう一つ、Connection of All(すべてのつながり)という意味もあるのではないかと思います」(黒井シェフ)

 

10年前はアレルギーがある人やベジタリアンなどに代表されるオーガニックファンの聖地だったCOAは、少しずつその核をふくらませています。いまではナチュラルやオーガニックはライフスタイルの一つとして広く受け入れられ、食を通じた自己表現や、癒しにもつながっています。そして、地域に暮らす普通の人たちが、COAを知り、日常的に食事を楽しむように。長い時間をかけて土と種を浄化してうまれた自然栽培野菜が広がっている。すでに信頼に基づいた自立型の経済循環を生み出していることから、それが一過性の流行でないことは誰もが納得するところでしょう。

 

今日もまた、COAのごはんが食べたいな。

わたし自身の核を磨く場所、COA。

 

自然野菜のように自立したナチュラル美人を目指し、COAに足が向いていきます。自分を野菜に投影してしまう……。次の10年、COAはどんな場所になり、そしてわたしはどんな人間になっているのでしょう。

Infomation

Restaurant & Café COA(レストラン&カフェ COA)

横浜市都筑区中川中央一丁目25番1号ノースポート・モールB2F

TEL:045-914-7507

E-mail:info@nh-plants.com

URL:http://www.naturalharmony.co.jp/coa/20110927coaLP.html

ランチ11:30〜14:30、平日ディナー17:00〜21:00(20:00L.O.)土日祝ディナー17:00〜22:00(21:00L.O.)

北原 まどか
この記事を書いた人
北原まどか理事長/編集長/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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