何気ない日常の中に転がる笑い。ノンフィクションっておもしろい! 『神様はそんなにひまじゃない ―フクダカヨ絵日記―』
皆さんは「新しい記事更新されてないかなあ」と毎日チェックしてしまうようなブログってありますか? 私がかれこれ4年もブックマークし続けているお気に入りブログは『フクダカヨ絵日記』です。家族の日常のひとこまや、街でみかけたちょっと気になる人たちのことが、フクダカヨさんのユーモアたっぷりの目線で描かれています。ブログは大人気で、本も出版されているほどなのですが、先日3冊目の本が出版されました!(Text:松岡美和)

フクダカヨさんは森ノオトエリア在住のイラストレーターさんです。色鉛筆で色塗りされた脱力系のイラストが魅力で、私が先日取材した助産院「バースあおば」のパンフレットのイラストも手がけています。余談ですが、実は私、松岡美和は福岡在住時代からの『フクダカヨ絵日記』ファンで、バースあおばの存在もカヨさんのブログを通じて知ったという経緯があります。初めてバースあおばを受診した時、パンフレットをみて感激したくらいミーハーな私です。

今年の4月に新しく出版された本、『神様はそんなにひまじゃない ―フクダカヨ絵日記―』には、2009年から2013年にかけてブログに登場した100以上もの絵日記が並んでいます。本の冒頭にも書いてあるのですが、フクダカヨさんは高校一年生の頃から絵日記を描き続けているそうです。ブログには2004年の絵日記から公開されています。3冊目となる今回の本は10年続いたブログの後半5年の傑作集といったところでしょうか。

主な登場人物はフクダカヨさんを含む家族4人。カヨさんには2人の娘さんがいます。2004年には長女の小春ちゃんが誕生し、2007年に次女の夏乃ちゃんが誕生して4人家族になりました。ご主人は写真家の入江英樹さん(本の中では入江ちゃんという名で登場します)。ちなみに、入江英樹さんも『イリエフォト日記』というブログをやっているので、2つのブログをいったりきたりしながら、絵日記と写真、母親目線と父親目線、そんな違いを味わうのも『フクダカヨ絵日記』ファンの人たちの楽しみ方なのです。

(森ノオトでは過去にお宅訪問の記事を掲載しています。入江一家の素敵な様子が見られます)

びっくりしたときにパカッと大口開けた様子。フクダカヨさんの描く絵日記のイラストは漫画家の長谷川町子さんが描く『サザエさん』と時々リアクションが似ていたりします(……って分かる人にしか分からない表現でしょうか? 私は小さい頃から『サザエさん』や『いじわるばあさん』が大好きで読んでいたので、よく分かります)。でも、それだけではなくて、フクダカヨさん自身が現代に生きる本物のサザエさんのようだなーと感じる部分が多々あります(笑)。自分のうちの車と間違えてよその車のドアを開けてしまったりするなど(それも、何回も)、早とちりでおっちょこちょいな一面もあって、そこがたまらなく面白く、笑いを誘います。

そして、カヨさんは明るくて朗らかで優しそうな印象の裏にちょっぴり毒が覗いているところも魅力的なんです。イライラして家族に八つ当たりする自分の姿や心の中でムッしたことをありのままに絵日記にしてあけっぴろげに公開してしまう潔さ。ついつい人目を気にしてしまう私にはないオープンなところは格好良く、憧れさえ抱いてしまいます。自分の気持ちを正直に表現するのってなかなか難しいもの。カヨさんも絵日記の中で自分の気持ちを外に吐き出す作業をしているのかも……と思いつつ、何より、最後には必ず笑いに転じるところがあっぱれ! だからこそ、読者も一緒になって、わかる! わかる! と笑いながら、スカッと気持ちよくなったりできるのかと。

本の中で、小春ちゃんは5才から9才に、夏乃ちゃんは2才から6才に成長していきます。前2作では時系列に関係なく絵日記が散りばめられていましたが(『傘が首にかかってますけど』(インフォバーン刊)、『よりみちの天才』(メディアファクトリー刊)。森ノオトでの紹介記事はこちら)、今回の本では年度ごとに区切られています。こどもたちの年齢がひとつ大きくなるごとに、発言や発想のおもしろさが変化しているのがよく分かります。こどもたちの誕生日など節目節目の絵日記にはほろりとさせられます。これは入江一家の出来事なのに、どこの家族にもあるかもしれない。何でもない日常の中にもこんなに笑いのネタが転がっているのかと気付かせてくれます。日々の物語をこんなにたくさん記録してくれているお母さん(カヨさん)ってすごい! 入江家のこどもたちがうらやましい!

私は書き下ろしを除いて、ほぼ全てを読んだことがあるのにもかかわらず、何度も「ふふふっ」「んふふっ」と笑ってしてしまいました。2才の娘が寝静まり、夜中に本を読みながら、一人笑っている姿はちょっと滑稽ですが(笑)やっぱりおもしろいもんは何度読んでもおもしろい! と改めて実感しました。今もパソコンの傍らにはフクダカヨさんの本3冊。パラっとめくって読んでは吹き出している次第です。

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