鎌仲ひとみ監督最新作『小さき声のカノン』、5/2(土)より横浜上映! 
3.11以降、わたしたちの多くは、「放射能」という不都合な真実に向き合わざるを得ない、そんな日々を送っています。においもない、目にも見えない、影響がよくわからない、だから目をつぶっていたい。だけど、得体のない不安からは目をそらせない……。「被ばく」に向き合う母たちを追った鎌仲ひとみ監督の最新作『小さき声のカノン ー選択する人々』が5/2(土)より横浜で上映されます。

はじめはみんな、”泣き虫”のお母さんだったーー。

 

わたしが「あざみ野ぶんぶんプロジェクト」を立ち上げたのは、ちょうど4年前です。

 

3.11、東日本大震災と福島原発の事故で、わたしたちの暮らしを取り巻く「エネルギー」について知り、学び、伝え、そして自ら育み、「エネルギーと仲良くなっていく」道を選びました。小さく小さく活動を積み重ねてきて、地域に仲間がたくさんできて、昨年の9月に株式会社たまプラーザぶんぶん電力を設立し、いまに至ります。

 

「ぶんぶん」の名前は、鎌仲ひとみ監督の映画『ミツバチの羽音と地球の回転』の上映会を開催した時に名付けました。一人ひとりの力は小さくとも、みんなで力を合わせて共鳴していけば大きな力になる。また、「ぶんぶん」の英訳「BUZZ」は、口コミメディアという意味もあります。森ノオトもBUZZ COMMUNICATIONとも言えます。

 

あざみ野ぶんぶんプロジェクトでは、鎌仲ひとみ監督の映画をすべて上映しました。『ヒバクシャ 世界の終わりに』『六ヶ所村ラプソディー』『ミツバチの羽音と地球の回転』、そして『内部被ばくを生き抜く』。『ヒバクシャ』から通底するテーマ、「子どもたちを被ばくから守りたい」。その思いを強く持っていた監督が、原発事故を目の当たりにし、全国各地で行われた上映会でマイクを持ち、エネルギーや核、放射能に初めて向き合ったお母さんたちを勇気付けてきました。そして再びカメラを担いで福島へ、世界へ旅立ち、「子どもたちを被ばくから守る」最前線を撮影して歩いた、その記録と提案が『小さき声のカノン ー選択する人々』なのです。

 

映画『小さき声のカノン』パンフレットより(c)ぶんぶんフィルムズ

 

福島県二本松市。400年の歴史を持つお寺の住職の妻として、そして母として、悩みと葛藤を抱えながら生きていく佐々木るりさん。全国のお寺の仲間から寄せられるノンベクレル(放射性物質不検出)のお米、野菜などを幼稚園のお母さん仲間と一緒に分け合い、少しでも子どもたちの内部被ばくを防ぐべく「ハハレンジャー」の総帥として、様々な活動をしています。幼稚園の園長でもある夫の佐々木道範さんは、毎日毎日、園の敷地内を除染し続けています。

 

一方、ベラルーシ。福島より25年前に原発事故を経験した、日本が唯一参考にできる前例を持つ国です。ベラルーシでは国を挙げて汚染地の子どもたちを定期的に国外で「保養」させるプログラムを組んでいます。また、甲状腺のスクリーニング検査をこまめにおこなうなかで、子どもたちの体調の異変にいち早く気づき、たとえがんを発症したとしても死に至らしめない、子孫を持つことへの不安を残さないような対策を講じています。

 

映画『小さき声のカノン』パンフレットより(c)ぶんぶんフィルムズ

 

日本とベラルーシ。同じような経験を持ちながら、当時といまでは知見も情報量も異なり、価値観も多様で、同じ答えはないのかもしれません。

 

また、放射能に関する向き合い方、スタンス、価値観も、人それぞれ、異なります。

 

大きな声で意見を述べにくい、話題に出しづらい、そして閾値も人、家族、考え方で、本当に様々です。

 

「わたしが住んでいるこの地域は大丈夫」「いや、やっぱり不安……」「食べたくない」

 

だからこそ、鎌仲監督は、あえて映像という手法で伝え続けるのでしょう。日本のドキュメンタリストとして長く「核」と「被ばく」をテーマにし、多くの母親たちの不安を聞き、手を握り、抱きしめてきた監督。

 

「国に、行政に頼らなくても、自分たちの力で、仲間をつくり、未来をつくり変えることができるんだよ」

 

そんなメッセージを受け止めながら、わたし自身も、自分が歩んできた4年を振り返りました。

 

正直、放射能や被ばくのことを語るのは、わたしはとても難しいと感じています。

 

3.11当時、2歳になったばかりの長女を守るために、やはり必死になって情報を集め、窓を閉ざし、水を買い求め……ました。いつしか「うっすらと存在する放射能」にも慣れ、様々な情報も流し読み、「わたしはエネルギー担当」と言って、被ばくの問題と向き合うことを避けている、それは事実です。

 

でも、決して、問題はなくなってはいないし、向き合い続けている母たちがいる。

 

そしてわたしも、同じように最初は”泣き虫”母さんだった。

 

小さくも小さくも刻み続けられている、あの体験。そしてあちこちで奏でられている小さき声のカノン。わたしもきっと、ハーモニーの小さな旋律を奏でている一人。

 

「子どもたちの未来を守りたい」

 

その思いに、県境も、国境もない。

 

映画『小さき声のカノン』の横浜上映は、明日、5/2(土)からです。その後、全国各地で自主上映が始まります。きっと、わたしも、映画に出てくるたくさんの母たちも、一緒。そして鎌仲監督らしく、未来への希望を必ず示してくれる、そんな映画です。

Information

『小さき声のカノン』

予告編:https://www.youtube.com/watch?v=Wie–OFItJw

公式サイト:http://kamanaka.com/canon

FB:www.facebook.com/littlevoicecanon

Twitter: @little_canon

●鎌仲ひとみ監督公式サイト

www.kamanaka.com

●自主上映スケジュール

http://kamanaka.com/theater/

●クラウドファンディング、目標金額[500万円]を達成しました!

https://motion-gallery.net/projects/littlevoicecanon

 

北原 まどか
この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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