しぜんの国保育園で開催された「上原かなえさんの北欧モビール作りワークショップ」レポート
町田市のしぜんの国保育園では、アーティストや芸術家を招いてのワークショップを定期的に開催しています。今回、森ノオトのながたに睦子さんが参加すると聞いて、同行取材してきました。

しぜんの国保育園といえば、北欧にいるかのように錯覚するナチュラルな園舎でも注目を集めていますが、園長・齋藤紘良さんの「すべては子ども中心」の言葉にあるように、子どもがいきいき成長できるために考えられた、大人の知恵とセンスが沢山つまった保育理念とその環境、保育者も興味が湧くプログラムや講座が定期的に開催されていて、気になっている保護者の方も多いのではないでしょうか。

 

10月1日、そんなしぜんの国保育園で、町田市在住の妊婦さんと、現在赤ちゃんを育てているお母さんのために、クラフト作家が集う「サルビア工房」の上原かなえさんを招いて、北欧のモビールを作るワークショップが開催されました。

 

参加人数は10名近く。みなさん大きなおなかや赤ちゃんを抱えながらの参加です。

 

講師の上原さんは、ハニカムペーパークラフトやモビール、ヒンメリをはじめ、さまざまな素材に心を寄せ耳を澄ましながら、デザインと手仕事で暮らしをいろどる作品づくりをしています。やさしい色づかいと、繊細で緻密、美しくあたたかい作品の数々を生みだしていらっしゃいます。

上原かなえさん。やわらかな雰囲気で、笑顔がとっても素敵

「モビール」の原点は、1931年にアメリカの彫刻家のアレクサンダー・カルダーが現代美術として創った作品に、フランスの芸術家のマルセル・デュシャンが「モビール」と命名したことから始まり、次第にこの名称が一般に知られていったようです。

 

現在市販されているものには、紙や薄い金属板、プラスチックなど素材は色々あります。

わずかな風をとらえてゆったりと動く様子は、ずっと眺めていたい気分になる

今回は、北欧諸国の工芸品として知られている紙のモビールを作りに挑戦します。

 

「北欧の冬は長いから、家にいる時間が多くて手仕事をする時間が長い。彼らは手仕事が得意だから、モビールも身近な材料で手作りするんです」と、上原さん。

 

まずは、用意された色とりどりの紙を見ながら、じっくり配色を決めていきます。立体になった時をイメージしながら、色の組み合わせを選びます。

紙はどれも自然に存在するようなやさしい色ばかり。「迷っちゃう!」と楽しそうな声も聞こえた

お母さんたちが黙々と作業しているその横では、赤ちゃんがハイハイしたり、ぐずったりしていますが、そこはしぜんの国保育園ならでは風景。

 

目の届く場所で、何名かの保育士さんがずっと赤ちゃんの様子を見ていてくれるのです。バウンサーもあり、赤ちゃんもスヤスヤねんね。

 

園内はゆったりとした音楽が流れ、プレイルームには子どもたちの元気な声も聞こえます。

 

壁と高い天井は境目なく白でつながり、たくさんの窓からの採光と間接照明で、自然な明るさに包まれた気持ちの良い空間。ほっとした気持ちでものづくりに集中できる環境です。

i

子どもの存在をすぐそばで感じることができる距離感

紙を選び終えると、用意された型紙にホチキスで留め、型紙に添ってはさみでチョキチョキ切ります。

 

木や家、鳥、少しずつ、モビールの姿が現れてきました。

 

この色で、この形で、どんな素敵なモビールが出来るのかな、と、板垣もワクワクです。

 

最初は会話しながら作業していたみなさんも、いつの間にか黙々と手を動かしています。

黙々と作業するお母さんたち

少しずつ姿をあらわすモビール

切り終わったら紙を中心で折って起こし、糸を通して棒につる下げる作業に入ります。

 

いわゆる「てこの原理」で、近衝を保つように0.5mm……1mmと左右に動かし支点を探していきます。

 

つり下がったモビールは安定するまでアンバランスにゆれるので、この作業がとても繊細。思った以上に難しそうです。

支点を探っている最中

どれも素敵な仕上がり

さあ、できあがりました。窓につるされた、それぞれの完成作品は観ているだけで癒されます。

 

「家だと絶対にやらないし、やろうと思ってもなかなか出来ないです。楽しかったです」

 

「安心してものづくりができて、リフレッシュできた! 楽しかった?! 幸せ?!!」

 

「ふだんこうやって集中したり、何も考えずに作業することはできないので、うれしかった」

 

「いつも子どもと2人で家にいることが多くて。素敵な時間でした」

 

終わったあと、参加者みなさんが楽しそうにお話してくださいました。

入り口のひろば

「しぜんの国保育園はオープンにしているんです」とは、地域担当の齋藤美和さん。

 

「入ってすぐの場所に、親子でゆっくりくつろげる「ひろば」があります。常駐のスタッフもいて、みなさん第二のおうちとしてくつろいでくださっています。しぜんの国は、この地域の子育ての拠点。おうちで子育てされている方も、在園の方も、みなさんが心地よいと感じてもらえるような雰囲気作りを大切にしています。

 

しぜんの国はご家庭で子育てされている方にも愛される保育園を目指して、子育て支援、地域活動を大切にしてきました。子育てでずっと赤ちゃんとふたりきりの方には、息抜きが必要です。そんな時に、保育園に来てほっとひといきついてもらえたらと思っています」

 

保育園の日常の中に地域の人が入る、こうした形のワークショップだと、参加者と保育士さんたちとの間に会話が生まれます。保育に関わる方と、自然な形で接点を持つことができ、ちょっとした悩みや何気ない話ができたり、時にアドバイスがあったり……。

 

私も1歳の娘を連れてイベントに参加することがありますが、必ず大騒ぎするし、ぐずるし、気が気じゃなく、集中どころか気もそぞろ状態になることが多々あります。

 

小さなこどもがいると、1日があっという間に過ぎ、家事をしながら何をするにも途切れ途切れな毎日。

 

子どもを頂けられる安心感、子どもの存在をそばで感じながら、無心にものづくりに集中できるそんな場所と時間は、どれだけお母さんを助けることになるのだろう、そう感じました。

 

閉鎖的になりがちな保育現場ですが、しぜんの国保育園のように地域にひらかれた保育園は、これからお母さんになる女性、これから本格的に子育てがはじまるお母さんやお父さんにとって心強い存在であり、パワー充電できる場所であり、子育てのアイディアも湧く。「子育てって楽しい!」そんな素敵な循環と輪ができるような気がしました。

今日の給食は絵本からインスピレーションを受けた「ものがたりメニュー」。タイトルは『大きなカブ』。カブを使ったレシピが給食に登場。こういった取り組みも、子育てを楽しむアイディアになりそう

しぜんの国保育園は、平日10時から16時までひろばをひらいていて、さらに町田市在住の方向けに定期的にワークショップを開催しています。ぜひホームページをチェックしてはいかがでしょうか。

Information

●上原かなえさんホームページ

http://www.salvia.jp/koubo.html

■しぜんの国保育園

http://toukoukai.org/wordpress/sizen

●しぜんの国保育園で近日イベントがあります!

[ small village EXPO「サウンド園庭2015」 ]

【日程】2015年10月25日(日)

【開場】13:00 開演14:00 終了 19:00

【場所】町田しぜんの国保育園small village(東京都町田市忠生2-5-3)

【チケット料金】前売:2,000円 当日:2,500円(中学生以下無料)

【ご予約方法】Eメールにて、表題を「サウンド園庭2015」としていただき、・お名前・ご予約 枚数・お電話番号[sizenevent☆toukoukai.org]へご連絡ください。☆を@に変更をしてください。もしくは、042-793-4169しぜんの国保育園内まで(受付時間:平日10:00-17:00)

※駐車場はありません。公共の交通機関を使っておこしください。

【齋藤紘良園長よりコメント】

「園内の内覧会も兼ねておりますが、コンセプトとして、保育と関連する方々には、このイベントで横のつながりが増えることを、そして、普段あまり保育園とは縁がない方々(とくに若者)には、「たまたま好きな音楽を聴きに行ったら保育園だった」という縁の中で、これを機に乳幼児教育に1ミリでも興味持ってもらえたら、今後の社会の中で、保育所の立ち位置が1ミリ変わるのかと淡い希望を持ちつつ企画いたしました。

オルタナティヴな音楽家たちの演奏や、現役保育士でありクリエイターによる展示会、 保育所に勤める芸術士のオブジェ、現代音楽家による「声」のワークショップ、世界初(?!)かもしれない子どものためのプリペアド・ピアノ披露会、踊り手によるパフォーマンス、そしてこだわりのお米農家による軽食などなど、一日楽しめる内容となっております」

https://www.facebook.com/events/461185924061140/

http://toukoukai.org/wordpress/sizen

http://sizen-nursery-school.tumblr.com/

板垣 恭子
この記事を書いた人
板垣恭子ライター
静岡県出身で四姉妹の長女。大学卒業後、デザイナーとして働きつつ花屋で修行。現在は子育ての合間に、その経験をいかせるような世界観を目指して制作活動中。森ノオトではジャーナリスト的な一面を見せ、硬派な記事も立派に書き上げる努力家でもある。
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森のなかま募集中!

メディアを寄付で支える
読者コミュニティ
「森のなかま」になりませんか?

もっと詳しく