レポート第二弾♪「ピントを合わせて記事を書こう」!
森ノオトとマスマス関内フューチャーセンターが共催でお送りしている「地域をつむぐローカルジャーナリズム講座」(全6回)。環境ジャーナリストの木村麻紀さんがメディアリテラシーについて講義した第3回、食卓研究家・写真家の新田理恵さんによる第4回に共通するテーマは「ピントを合わせる」でした。<写真/堀篭宏幸(マスマス関内フューチャーセンター)>

「地域をつむぐローカルジャーナリズム講座」もいよいよ折り返し地点。全6回のうち、第1回は「ローカルジャーナリズムとは何か?」の概論、第2回は「自分も相手も輝かせる記事の書き方講座」を、わたくし、キタハラマドカが担当しました。いずれも、森ノオトの「リポーター養成講座」をより一般的にアレンジしたものですが、特に第3回目以降は外部講師をお招きして、専門家の知見を語っていただくとあって、企画する側のわたしもいち受講生として、とても楽しみにしていました。

第3回目講師の木村麻紀さん。「ピントを合わせるのは写真だけじゃないんですよ」とアドバイス

第3回目の講師は、環境ジャーナリストの木村麻紀さんです。木村さんは新聞記者を経てドイツやアメリカに渡り、著書を通じて日本にいち早く「LOHAS」の概念を伝えました。帰国後は環境とCSRに特化した雑誌の副編集長、生協の広報誌の編集長を経て、現在は「まちエネ大学」でエネルギーを切り口に地域コミュニティを盛り上げるディレクターとして、さらには環境をテーマに動画制作をおこなう仕事など、「環境」を切り口に様々なスタイルのメディアを経験してきました。

木村さんは講義の冒頭に、「自分の立ち位置を決めて発信するということは、ピントを合わせて記事を書くことでもあります。伝えるうえで大切なことを、リード(導入文)の中に凝縮しましょう」と話しました。そして、実際に記事を書くときに気をつけたい、エビデンス(科学的根拠)や著作権について、参考例をあげながら解説。世の中には様々な文章は、純粋な取材記事と記事広告やPR、ステルスマーケティング(広告なのにそうでないような表現の記事)が混在しています。「掲載前に記事を取材相手に確認するのは、記事広告です。純粋な記事は事前確認をしません。でないと、スクープを世に出すことはできないでしょう?」と木村さん。記事の信頼性をあげるために、統計や公的な報告書、論文などをできる限りあたり、自分の言いたいことを裏付ける努力も大切、と木村さんは力を込めました。

第2回でおこなったペアインタビューの原稿を書き上げた皆さんに、キタハラが愛を込めて校正した。赤字を見て、気になったこと、わからないことを木村さんに質問

著作権や個人情報についての解説のあとは、第2回目の講座でペアインタビューをおこなった宿題を事前に校正したものを読み、これまでの講座の中で出た疑問点を解消する質疑応答タイムです。

「インタビューした相手に、ありふれたことしか聞くことができず、表面的な記事になってしまった」という声には、「どんな言葉が記事の見出しになるのかを考えると文章を組み立てやすい。平板ではなくとんがっている部分こそがいちばん伝えたいこと」とアドバイスする木村さん。ほかにも「自分の文章力がないことに気がついた」との感想には、「人の文章を書き写すことが文章のトレーニングになります。新聞記事はボリューム的にも格好の題材。1日1記事の書き写しを続ければ、確実に文章は変わります」とも。

一人ひとりの声に耳を傾け、全員に共通するアドバイスをする木村さんの姿に、「自分だけじゃない、共通する悩みが解決できてよかった」などの感想が聞かれました。

第4回目の講師は新田理恵さん。ふんわりとやさしい雰囲気の新田さんだが、マイクを持って写真について語る姿はキリッとして頼もしい

11月25日(水)、第4回目の「記事を100倍生かす写真術」の講師は、若手の写真家・食卓研究家として、横浜を拠点にしながら世界を舞台に活躍をする新田理恵さん。キタハラは『神奈川食べる通信』の仕事でご一緒したのですが、いつもニコニコ可愛らしい笑顔で被写体を切り取りながら、できた写真は明るさと瑞々しさにあふれている……そんな新田さんの、魅力溢れる撮影術をお聞きしたいと、講師をお願いしました。

「人間の五感のうち、8割は視覚からの情報と言われています。それだけに、写真は記事の顔であり、要約でもあるとも言えます」。そんな話からスタートした新田さんの講義では、カメラのしぼりやシャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなど、撮影の基本的なノウハウを、現場経験からわかりやすく解説し、取材ケース別の撮影のコツを教えてくれました。

「料理は、ともかくできたてを撮影するようにします。時間が経つと、カレーは膜を張るし、味噌汁の味噌は沈むし、アイスは溶けてしまうし……。だから、事前に撮影の手順を打ち合わせるのは大切。あとは、手鏡があれば反射板代わりになり、劇的に料理写真が変わりますよ」と、一つひとつの事例について、具体的な例を交えながらアドバイスしました。

写真撮影タイムでは、カメラを片手に試行錯誤する姿が見られた。ポートレート撮影ではモデルに扮する姿も

1時間の講義のあとは、2グループにわかれて撮影をしました。お題は2つ。ペアを組んでポートレートを撮影すること。マスマス関内の中で印象的なシーンを切り取ったお気に入りの1枚を提出すること。40分の制限時間のなかで、「座る位置を決める」「相手の表情を観察して、ここぞのタイミングでシャッターを切る」など、講義で習ったことをその場で実践できるチャンス! 四苦八苦しながらも集まった全員の写真を見て、新田さんが講評するというスタイルで、参加者は「ほかの人が撮った写真を見られて参考になった」「ポートレートがカッコいい!」などと感想を述べていました。

新田さんは最後に、「写真上手は幸せになれます。なぜなら、相手のよいところを探し、見つけることができるから」と言いました。この言葉を聞いて、新田さんがいつも笑顔で楽しそうにしている理由が、なんとなくわかった気がします。

毎回、講座終了後はマスマス関内名物「まちなか社食」のお弁当をみんなで囲む。受講生同士の交流とネットワークづくりを目的にしている

講座も4回を終了し、受講生のみなさん同士のつながりも深くなってきました。いよいよ来週から終盤戦。12/9(水)の第5回はマスマス関内代表の治田友香さんによる「メディアの資金調達手法」と、最終回の12/16(水)はリズムーンの小野梨奈さんの「メディアを運用していくには?」です。

単発の受講も可能ですので、ご興味のある方はぜひ、お申込みくださいね。

Information

2015年10月-12月(全6回)

第5回:2015年12月9日(水)

テーマ:メディアの資金調達手法

講師・治田友香(関内イノベーションイニシアティブ株式会社)

・メディア運営にかかる費用

・クラウドファンディングの活用法

・事業計画の立て方

・資金調達の手法

・ワークショップ「事業計画を立ててみよう!」

第6回:2015年12月16日(水)

テーマ:メディアを運用していくには?

講師・小野梨奈氏(リズムーン)

・メディアに向いたシステムは?

・メディアを継続するための仕組みづくり

・仕事をベースにしたコミュニティのつくりかた

・チームのモチベーションを高めるには?

・ワークショップ「“私のメディア”を発表しよう!」

隔週水曜日、10:00-13:00

(講義+ワークショップ2時間、ランチ交流会1時間)

(1-5回のまちなか社食のランチつき、最終回はポットラックパーティー)

※単発受講は4,500円/回

会場:mass x mass関内フューチャーセンター(横浜市中区北仲通3-33)

主催・運営:関内イノベーションイニシアティブ株式会社

共催・企画:特定非営利活動法人森ノオト

講座エントリー&お問い合わせ

http://massmass.jp

北原 まどか
この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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