農家のおかみさんに聞く! 掘りたてタケノコのゆで方
竹林を持っている友人宅で、毎年GWにはバーベキューをおこないます。タケノコ農家でもある川崎市宮前区の村野浩一さん・智美さん夫妻に、タケノコのゆで方と調理方法を聞いてきました!

川崎市宮前区犬蔵で4代続く村野家の当主・村野浩一さんは、青葉台駅前郵便局長として、よこはまハロウィンやライブイベントなど、様々な地域活動を仕掛けるまちづくりのキーマンです。「時々、野菜や漬物がもらえる郵便局」として、マスコミでもちょっと有名な村野さん。年に2、3回、自宅に近隣の郵便局職員やまちづくりの仲間を招いて、バーベキューをおこないます。特に、毎年ゴールデンウィークのころにおこなう「タケノコバーベキュー」は、ご当地の旬を味わえるとあって、大人気!

 

肉や野菜の焼き物の横で、大量にふるまわれるタケノコ料理。この日は、味付けして刻んだタケノコを酢飯に混ぜ込んだおにぎり、タケノコ混ぜ込みごはんのおいなりさん、梅かつお和え、土佐煮、しゅうまい、てんぷら、酢味噌和えといったタケノコ料理がふるまわれた

 

村野さんの活躍と交流を影で支える、奥様の智美(さとみ)さんはお料理上手で、家で採れる旬の農作物を加工し、おいしく食べるコツをご存じです。郵便局の職員に混じってバーベキューにお呼ばれされる我が家も、智美さんのお料理が楽しみで仕方がありません。

 

タケノコの土佐煮は春の味覚の代表格。簡単にできるので、タケノコが手に入ったらぜひチャレンジしたい

 

村野家では毎年、4月中旬からゴールデンウィーク明けくらいの1カ月弱、タケノコが採れます。収穫は浩一さんと智美さんの仕事で、市場に出荷したり、直売やご近所におすそ分けするものを含めて、年によって収量にばらつきはあるものの、毎年350~500kgくらいをさばくのだそう。

 

タケノコ専用のスコップで収穫する浩一さん。「今、このスコップは希少でなかなか売っていないので、大切に使っています」

 

タケノコは、漢字で書くと「筍」で、放っておくと「一旬(10日)」で竹になってしまうから、収穫は毎日です。そして、切断したら急速にエグミが強くなるので、手に入れたらその日のうちにゆでるのが鉄則です。「タケノコは湯を沸かしてから掘れ」という言葉もあるほどです。

 

根本から穂先に向かって垂直に包丁を入れて皮をむく。茶色い毛で覆われている外皮をむくに連れ色が薄くなり、紫色の縦線がきれいだが、それもむく

 

素人ながらに「こんなにむいていいの?」と思ってしまうが、潔く真っ白くなるまでむこう。穂先を切り落とし、白くてやわらかい部分だけ残してゆでる

 

「我が家では、掘ってすぐにゆでるので、えぐみを取るためのぬかや赤唐辛子は必要ないんです」と、智美さん。タケノコの旬の時期は、掘ってはゆで、掘ってはゆでの繰り返しなのだそう

 

村野家ではタケノコの時期は、カマドがフル稼動! 掘ったらすぐにタケノコをゆでます。

焚き付けに使うのは、乾燥させた竹の枝と新聞紙で、火が上がったら太い竹を半分に切った薪をくべて、火力を安定させます。

「昔は、薪の量で家の豊かさが決まると言われたほど、安定的に薪を持っていることが大切だったんですよ。私が嫁いできた24年前は、お風呂も薪で炊いていたんです」と智美さん。「そういえば、子どもの頃は、お風呂を沸かすのが好きだった」と、浩一さんも相槌を打ちます。

右のカマドは「五升釜」で、主にタケノコをゆで、さらに大きな左の釜では、お正月やお祝い事の時に、もち米を蒸すのに使います。

村野家のカマドは、今や犬蔵エリアでは一、二軒とも言われる「現役のカマド」で、地元の小学生の社会科見学の受け入れをおこなっているそうです。

 

昔の農家の暮らしがそのままに生きている村野家。焚き付け名人のおばあちゃんが、見事にカマドに火をくべて、タケノコをゆでていく。以前森ノオトでも紹介した御嶽山信仰の「オオカミの護符」が祀られていた

 

「一般のご家庭では、アクとえぐみをとるために、米ぬかと赤唐辛子を入れて、水からゆでてくださいね。長くゆですぎると、その後の調理の時にやわらかくなってしまうので、30分くらいがちょうどよいと思います」と、智美さんにアドバイスをいただきました。

 

先ほどの写真にあったタケノコをいただいて、さっそく晩に、我が家の鍋でゆでることに。1カップの米ぬか、赤唐辛子を2、3本入れて、ひたひたの水でゆでる。約20分で沸騰し、そこから弱火にして30分間ゆで、火を止めて、翌朝まで自然放熱した

 

じゃーん、できあがり。智美さんのアドバイスで、鍋に入りきらない大きなタケノコは、穂先が崩れないように切って根元の先端部で切って、太い根っこも半分にした

 

我が家では、村野家のバーベキューや、森ノオトの事務所「森ノオウチ」の大家さんから毎年タケノコをいただくので、この時期は毎年、タケノコづくしの食卓になります。

それでも、私のバリエーションは、土佐煮と炊き込みごはん、わかめときゅうりとタケノコの和え物くらいのワンパターンなので、今回の取材で、智美さんにいろいろなタケノコ料理を食べ、とても勉強になりました。

「穂先は細かく刻んで、ラー油やごま油で炒めて砂糖醤油をからめると、いくらでもごはんが食べられますよ」「生のタケノコの穂先は味噌汁に入れると意外とおいしいの」など、タケノコ農家だからこその料理法を智美さんにたくさん教えていただき、翌朝の食卓ではさっそく試してみました。

今や、一年中ゆでタケノコが手に入る時代ですが、旬のタケノコを自分でゆでて、さまざまな料理に活用するのは、季節の恵みを感じるうえでも、とても楽しいことです。直売所で売られているタケノコは、米ぬかと赤唐辛子がセットになっていることも多いので、ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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