雨ニモマケズ。みんなで木工。ものづくりは幸せづくり!
4月から月1回のシリーズではじまった大丸建設さんとのコラボ「土曜日の日曜大工講座」。第2回目は前回にも増す土砂降りの雨の中。にもかかわらず、参加者たちはやたら楽しそう! 木工作業に興じ、失敗の跡も愛おしい「ブックエンド」が完成しました。

参加者がほぼリピーターだったこともあり、すっかりリラックスムードで始まった第2「土曜日の日曜大工講座」。前回の「踏み台」では、大丸建設さんが用意したキットを使ってつくる派と、自分でのこぎりを使ってつくる派に分かれて作業しましたが、今回は、全組ともキットを使いません。 材料を自分で測って切るところからのチャレンジです。

 

家族総出で賑やかにものづくりに挑む

 

作業机が大きいので、テントのきわで、人も木材も濡れながらの作業。

次第に気温も下がってくる中で、本当にできあがるのかと心配になる時もありましたが、時間内にみなつく作り終えることができたのでした。

 

出来た~~! と思わず万歳! 周りからも拍手と歓声があがり、喜びを分かち合う

 

学生時代以来の木工作業というお父さん、DIYが苦手と公言する女性、進んで全作業に関わった小学1一年生の女の子まで、同じ作業をすることで、みんな対等になり、心地よい連帯感が生まれます。

「雨の中作業したことも、いい思い出になりますね」と感想を寄せてくれた方もいて、やってよかったとあたたかい気持ちになりました。

 

そんな幸福感いっぱいの講座でしたが、今回は、道具に注目してものづくりの過程をふりかえってみたいと思います。

 

これはなんという道具でしょう?

 

この直角に曲がったものさしは「さしがね」です。大工道具の3種三種の神器の一つと言われています。直角の部分を材料にあてると正確に測ることができます。反ったり、ねじれたり、生きている無垢の木材に向かう時、さしがねで、長さや角度を正確にとることは、出来あがりの美しさや丈夫さに関わってきます。

長さを測ったら、のこぎりで切る作業。のこぎりの刃には幅があるので、測ったら切る、測ったら切るの繰り返し。最初に必要な分を全部測って、墨をつけて(印をつけてという意味)から切ると、刃の幅の分だけズレが生じてしまいます。

のこぎりの刃には、目の粗いたてびき用と目が細いよこびき用があります。木目に沿って、木の繊維方向に切る時はたてびきを、木目に対して直角に切る時にはよこほそびき用を使います。今回はよこびき用の刃を主に使用しました。ひきはじめ、刃の根元の方で丁寧にひき口をつけたら、のこぎりの刃渡りいっぱいに使ってゆっくりと切っていきます。余計な力をいれず、ひくときに切るようにします。

 

今日はキットでなくイチからつくりたい! と、意気込んできた少年の真剣なまなざし

 

現代では、家や家具は、つくる前まえに買うものになってしまっています。しかし、もともとはなんでも手でつくってきたDNAが目を覚ますのでしょうか。大人がきちんと介助してあげれば、得手不得手はあれど、子どもたちもすぐにコツを覚えて道具を使いこなせるようになります。

生きるために必要な道具を、危険だからと遠ざけるのではなく、危険だからこそ、小さなころから身近なものとして上手に使えるようになりたいものです。大工さんと触れ合える時間が身近にあるって、最高の教育だなあと感じていました。

 

ところで、今回の作業の中で難しかったのがクギ打ちです。前回よりも、打ち付ける材の幅が薄いために、ついついクギの先がはみ出して表に出てきてしまうのです。

しかし、こんな時こそ頼りになるのが二人の若い大工、石田さん・田中さんコンビです。

「あ~! やってしまいました!」とヘルプ要請があっちこっちからかかります。

そこで出てきたのが「クギシメ」という道具。これは本来、クギの頭を木に埋め込むようにぐっと押し込んで締めるために使いますが、はみ出たクギの先にあててげんのう(かなづち)で叩くと、ささりすぎたクギが出てきてくれるのです。

 

これがクギシメ

 

大工さん助けて~!の声に、田中大工がクギシメを持ってすばやく参上

 

頭が出てきたらクギヌキで抜く。お見事!

 

クギが抜けたら、打ち直し。同じ穴に打つと、また出てきてしまうので、位置をちょっとずらします。失敗のおかげで、日本の匠の技のほんの一端を垣間見ることができました。

大丸建設のホームページの中には

大工仕事であれば「直す」ということは我々にとってはそれほど難しくはないのです。なぜなら一つ一つ手づくりしているからです。誰が、いつ、どのようにつくったのか、当社のスタッフや職人は必ず把握しているのです。」

という一節があります。もちろん、この「直す」は家づくりにおいて、時の経過とともにでた傷みや歪みを直すことをさしますが、日曜大工の簡単なDIY作業においても、とても大事なことです。失敗が失敗でなくなる。そんな体験に参加者がみんなが救われました。ほんとうにものをつくれる人とは、ものを直せる人なんですね。そして、さらに、必要な道具から自分でつくれるようになったら、もうこわいものなしでしょう。

 

さて、もう一つの山場が、折りたたみ式にするために、上下から押し込む「組みネジ」を取り付ける作業でした。二つの足を交差させ、電動ドリルで中心に穴を開けてネジを取り付けるのですが、これまでの作業がうまくできていて、かつ、二つの脚足それぞれの幅の真ん中に穴が開けられないと、開いたまんまで、お折りたためない……! という事態になりかねません。開いた完成形の状態をつくり、二つの足の交わる角と角をつないでバッテンを書き、交差した点に穴をあけます。

 

ミシミシ……ん? ちょっと力がいるけれど、よかった! 折りたためました!

 

のこぎり、かなづち、電動工具まで全部やり、ガイドの線を消す最後の仕上げまで手を抜きません。センスもよくて大工さんもびっくりの小学生の女の子。

 

小さな工務店ならではの顔の見える講座で、おとな大人も子どもも楽しんだ土曜日。

みんなでつくると、笑いと歓声にあふれ、多世代交流が自然にできてしまうのが不思議です。最後、濡れ鼠のようにびしょびしょに濡れながらも、優しく指導してくれた大工さん、大丸建設のみなさん、本当にありがとうございました。

次回ダストボックスづくりはすでに満員となっていますが、その次の回の、トレーも素敵ですよ!

 

表面を焼いて加工したトレー。存在感あります!

Infomation

大丸建設「土曜日の日曜大工講座」

3回:2017610日「ダストボックス 満員御礼・キャンセルまち

第4回:201778日「トレー」

6回:201799日「こどもイス」

<夏休み特別企画>

第5回:201785日 「ブックエンド」予定

この回は夏休みの企画として、大丸建設主催で、最寄りのJR南武線稲城長沼駅での高架下での講座となります。詳細、お申し込みお問い合わせは大丸建設までお願いします。

大丸建設http://kk-daimaru.co.jp/wp/ 

メール dm@kk-daimaru.co.jp

6回:201799日「こどもイス」

4回、6回会場:NPO法人森ノオト事務所「森ノオウチ」

神奈川県横浜市青葉区鴨志田町818-3

東急田園都市線青葉台駅よりバス「鴨志田団地」「寺家循環」に乗り、「鴨志田町」バス停下車徒歩3分。開始時間20分前に青葉台駅に到着するとちょうどよいです。

参加費:1組2000円(作品1つにつき。出来上がった作品はお持ち帰りいただけます)保険代、道具レンタル代込み

お申し込み・お問い合わせ:参加者全員の氏名、生年月日(保険のため)、住所、電話番号、メールアドレス、参加の動機を記入のうえ、event@morinooto.jpまでお申し込みください。

主催:NPO法人森ノオト

共催:株式会社大丸建設

梅原 昭子
この記事を書いた人
梅原昭子理事/事務局長/ライター
難しいものをおもしろく、かたいものをやわらかく翻訳し、絵で表現できる編集者。市民電力会社「たまプラーザぶんぶん電力」の社長になってしまうが、エネルギーの世界にも飄々とたゆたう視点で、こんがらがった世界を解きほぐす。アートユニット「WAKUSEI/ワクセイ」として縦横無尽に活動中。
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