仲間内のパーティから大規模イベントまで。リユース食器文化のWaveを、横浜あおばから もう一度広めよう! 
日本でもマイクロプラスチックの問題が大きく報道されるようになったことをきっかけに、リユース食器が改めて注目されています。お祭りの後の大量の使い捨てゴミを減らし、地域に仕事を生み出す、洗ってくりかえし使えるリユース食器の使い方をご紹介します。

やってきたのは、ご近所、青葉区鴨志田町に事務所を構えるNPO法人Waveよこはま。リユース食器のレンタルと、コーディネートを手がけるNPO法人です。

 

2005年に発足して早14年。「地域活性化のため、ハロウィンイベントの企画を仲間内ではじめた頃に、役所の方からの勧めで、リユース食器を使ってみたのが始まり。2年後に団体を立ち上げて、青葉区から、リユース食器のレンタル料の補助が5年間出ていた間は、商店街や自治会のイベントとかでも使われていましたよ。でも、今、区内で使っているのは僕らと森ノオトさんくらい。最近は、区外、市外からの問い合わせがほとんどで、民間企業からの問い合わせも増えてるね」と教えてくれたのは、代表の金子拓也さんです。

 

使い捨ての容器の方が安いという、お金の問題もありますが、イベントの主催とリユース食器のオペレーションを同時にやるのは煩雑でとても大変だから、ということも、リユース食器の文化が浸透しない大きな理由となっています。しかし、本当に大変なのは、足元の地球の環境や気候の問題ですよね。煩雑に感じることも、そのしくみを知って、慣れていこう、そういう姿勢が大事なのではないでしょうか?

Waveよこはまの拠点。並びには、中古レコードのタチバナウチルカシェルブルーがある。

リユース食器ネットワークに加盟して活動する全国44団体(※1)のうち、神奈川県内で登録し、活動している事業者はここWaveよこはまだけです。

イベントなどで使われて返却された食器は、ここで洗浄します。社会福祉法人グリーンの利用者さんが、洗浄作業の一部を仕事として担っています


 

洗浄機にかける前の予洗い。カトラリー類は特に丁寧に、予洗いも2回します


 

予洗いした食器類をケースに並べて洗浄機を通すと10秒ほどで洗い上がります。写真では分かりづらいけれど60度くらいのお湯を使うので、お皿からホカホカと湯気がたっています

 

食器類がたまったら、今度は乾燥機にかけます。約80度の高温で殺菌するので衛生面の心配もこれで解消です


 

乾燥まで済んだら10個ずつ袋に入れて重ね、再び次の出番待ちです


 

「洗ってくりかえし使える」の裏側がわかったところで、今度は、リユース食器をイベントに導入するまでを見ていきましょう。まずは、イベントの日時が決まったら、メールか電話で問い合わせて、使いたい食器を選び、規模に応じて必要な個数を計算して発注します。貸し出せる数には限りがあるので、イベントが重なっている場合など、希望枚数が確保できないときもあるので、食器の種類を見直して調整することも。早めに相談しましょう

 

食器は種類ごとにコンテナで保管され、発注を受けたら必要な種類と数を揃えて発送されます。「通常、食器のレンタルには配送料がかかりますが、青葉区内には無料でお届けしています」と、スタッフの安原洋子さんからは嬉しい言葉が! 主催者が、自分たちだけではリユース食器ブースを運営できないという場合は、出張サービスをお願いすることもできます。

 

Waveよこはまで扱っている食器一覧

リユース食器は一枚25円、カトラリー類は一個(箸は一膳)10円です。未使用の場合はその分返金されます。ただし、返品数が多すぎると発注者側の予測が甘かったということになるので、ここは、天候やイベントの規模感をよく計算する必要があります。また、食器は10個で一袋のセットとなっており、その袋を開けてしまったら全部使用したことになるので、10枚分の使用という換算になります。残り3個とか残り7個といった場合の返金はありません。

 

昨年のあおばを食べる収穫祭でのリユース食器のレンタルと返却についてまとめた表を一部公開。各出店者に希望枚数を聞き、調整して、合計枚数と金額を割り出します。未使用分がどれくらいあったか、何食出たかで、参加者数をはかる参考にもなります


 

リユース食器は通常「デポジット」制をとっています。まず、お店で注文をするときに、お客さんは食器代として100円上乗せして支払いをします。食べ終わったらリユース食器の回収ブース(イベントによっては各店舗)に返却すると100円が返ってきます。これは、食器自体を捨ててしまったり、持ち帰ってしまうことを防ぐためというのが大きな理由です。実際に、イベントでの食器やカトラリーの紛失率は1割から2割はあります。紛失した分は、主催者の負担で食器一つあたり100円で弁償しなければなりません。つまり、出店者や主催者だけでなく、お客さんの理解と協力も、とても大事なのです。

 

あおばを食べる収穫祭では、食器の紛失率が1%未満と少なくて、すごく優秀だということで、昨年2018年からは思い切ってデポジット制をやめました。主催側はデポジット用の100円玉を用意する手間が減り、出店者も100円多くとって後で清算するという煩わしさから解放され、それでも紛失率は変わらず少なく済んだので、Waveよこはまも嬉しいと、いいことづくめ。チラシやSNSで告知の段階から、マイ食器やエコバッグの持参を主催者が根気よく呼びかけ、当日も各店舗にリユース食器返却のポスターを掲示したこと。そして、出店者からの声がけもあり、お客さんがしっかり反応してくれました。

 

リユース食器ネットワークの調査によると(※2)、リユース食器は6回以上繰り返し使うと、エネルギーの使用量やCO2排出量、固形廃棄物の量など、全ての指標で、紙コップなどの使い捨ての器を使うよりも環境への影響が下回るそうです。繰り返し大事に使うことに意味があります。

 

Waveよこはまで事務、洗浄からイベントコーディネートまで行う安原さんが、初めての問い合わせにも丁寧に対応してくれます。「2、30人のホームパーティーから1000人規模のイベントまで、何でも相談してください!」


 

安原さんは、かつてドイツに滞在した経験があり、「まち全体がゴミを資源として仕分け、活用する様子を見てすごいなと感じていたことを改めて思い出しました。最初は特にリユースへの強い思いがあったわけではなくて、近所だからと思って、ここで働き始めたけれど、何か縁があったんですね」と、ご自身の今を、納得するように話されていました。

 

Waveよこはまでは、洗浄機を車に積んで、出張先で洗浄風景を見せるデモンストレーションも行なっています。


 

リユース食器のブースで、実際に洗っている場面を見られると、お客さんへの伝わり方も違います。衛生上の問題からその場で洗ったものをその場で再び使うことはできないそうですが、洗浄機を搭載できる車を持っている団体は他にあまりないそうです。また、多くの事業者が山の中の倉庫などを拠点にしている中、都市部に事務所があるのも珍しいとのこと。

 

せっかく青葉区に拠点があるのだから、区内でもっと日常的にリユース食器が活用されていけば、年間を通じてリユース食器の事業が安定し、その結果、洗浄作業などの仕事が増え、地域から出るゴミが減ります。投資したお金で地域がちょっと良くなる、エコロジーな地域経済と文化を一緒につくってけるかも! と思うとワクワクしますね。森ノオトでは、今年初めて、オリジナルリユースカップの制作を頼みました。2019年収穫祭でお披露目します!

 

1 リユース食器ネットワークHPには、2019年9月現在、加盟団体が46団体ありますが、そのうち一つは活動休止中、一つ(横浜市資源循環局)は昨年度で活動を終了したため、44団体としました。

 
2 ライフサイクルアセスメント(LCA)の結果、リユースカップの使用回数による環境負荷の低減効果は、固形廃棄物は4.7回以上、二酸化炭素排出量は2.7回以上、水消費量も2.7回以上、エネルギー消費量は6.3回以上再利用すると紙コップよりも環境負荷が低減されるという結果が出ています。また、サッカー場における一試合当たりの環境負荷量の削減率をみると、紙コップをリユースカップに置き換えることで、固形廃棄物が16.6%、NOx10.9%SOx16.0%、二酸化炭素(CO2)が29.2%削減できます。また、水消費量は9.0%、エネルギー消費量が15.0%削減できます(リユース食器ネットワークのホームページより引用)

Information

NPO法人Waveよこはま

https://reuse-wave.com/
227-0033 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町564 )金子石油店内

045-962-20209:00-17:00

梅原 昭子
この記事を書いた人
梅原昭子理事/事務局長/ライター
引き算の編集が好きです。できないこと、やりたくないことが多過ぎて消去法で生きています。徒歩半径2キロ圏内くらいでほぼ満ち足りる暮らしへの憧れと、地球上の面白い所どこでもぶらりと行ける軽さとに憧れます。人間よりも植物や動物など異種から好かれる方が格上と思っている節があります。
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