「みんなー、今日は土の上にねっころがることから始めましょうか」
ここは、寺家ふるさと村にあるナザレ幼稚園のからんこ山。森のステージでは、ギターを持った中ちゃんこと中山康夫さんが、「ねっころがったら」という自作の歌を歌います。
「ねっころがったら、何が見えるかな?」
「葉っぱの間から空が見えた」
「お日様がまぶしい」
「太陽が懐中電灯みたい」
子どもたちの発見を、即興で歌にのせていく中ちゃん。背中を大地につけることでその温もりを感じ、子どもと自然の距離が、一気に縮まります。
探検に出かける前に、パネルで危険な虫や植物についての注意を促します。
「黄色と黒は、危ない色だよ!」「スズメバチを見たら、絶対に虫取り網を向けてはいけません」
寺家ふるさと村内を探検。いろんな虫に出会います。
シロコブゾウムシは、別名ジャパニーズモンスター。葉っぱの蔓などによく生息しています。
チャバネアオカメムシは、サクラやクワの実の汁を吸います。体が青いのに、羽だけは茶色。色のコントラストがとってもきれい。
この日、子どもたちに課せられたミッションは、「黄金色の虫を探すこと」。昼顔の葉っぱの裏にいることが多いらしい。
「あっ! いたいた!」
中ちゃんの大きな声に子どもたちが群がります。
「うわー、きれい」
黄金色の体に、透明の傘をかぶったジンガサハムシ。
まるで、夢の世界の住人のようです。
寺家ふるさと村はホタルの生息地です。田んぼの水路にはカワニナがいて、ホタルはそれを主食にします。水路に人間が分け入って虫取りをしてしまうと、ホタルのエサの環境が脅かされるので、入らないように。
そんな、村内でのルールも、大人が子どもにそっと伝えます。
オジロアシナガゾウムシは、クズなどの葉っぱの上にいます。
「虫によってどんな葉っぱを食べるかが違うから、虫を探したい時は、葉っぱの裏やツルなどを見るといいよ」と、中ちゃんはアドバイスします。
虹色の美しい体を持つアカガネサルハムシ。エビヅルなどを食べます。まさに自然界の神秘としか言いようがない不思議な造形です。
虫たちとたっぷり遊んだら、必ず、自然に還してあげること。
「今の子どもたちは、自然とふれあう機会が絶対的に少ない。小さいうちにほかの生き物と仲良くすることで、自然という先生から、たくさんのことを学ぶことができるんですよ」と、中ちゃんは語ります。
道路に映る影が少し長くなったころ、探検を終え、少したくましくなった子どもたちは、元気に寺家ふるさと村を後にしました。
キタハラ’s eye
夏の一日。子どもと一緒になって、お父さんお母さんも目を輝かせていたのが印象的でした。私も、虹色の虫や黄金色の虫との出会いや、ピーナッツの匂いのする葉っぱや桑の実の美味しさに、子どもに還ってはしゃいでしまいました。
「大人が素直に感動していれば、子どもは素直にそれを共有する」
中ちゃんの言葉が心に残りました。もう少し子どもが大きくなったら、一緒に参加します! ありがとうございました。
中ちゃんの主宰する「野遊びのプロ集団 ろぜっとわーくす」のホームページはコチラ
http://www.vegasprings.com/rosetteworks/
ナザレ幼稚園「からんこ山」
http://academic1.plala.or.jp/youchien/karanko.html
住所:横浜市青葉区寺家町608
開催日:原則毎週日曜(雨天中止)
開催時間:10:30〜12:00、または13:30〜15:00
駐車場:15台
アクセス:東急田園都市線青葉台駅よりバス15分+徒歩10分
生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!