青葉台駅から鴨志田方面に抜ける道は2本あります。1本は、環状4号線沿いをまっすぐ北上する、青葉台のいわゆるメインストリート。もう1本は、成城石井のある交差点を北に抜ける道。自転車専用レーンと歩道が広々ととられていて、散歩するのにもってこいです。
花屋「春てりん」は、カフェやバーなどお洒落な店が建ち並ぶ一角に、季節の彩りをもたらしています。どちらかというと、派手さや華やかさよりも、シックで落ち着いた雰囲気の色合いの花が多い店内。同じ赤でも、原色や蛍光色に近い色よりも、深みのあるニュアンスカラーの花が多く、木のインテリアにしっくり馴染みそうです。
「春てりんでは、あえて●●風というテイストは特に意識していなくて、お花を贈る相手への思いを何より優先してアレンジをつくるようにしています。人の心の微妙なニュアンスを感じ取り、それを表現したり、伝えることができるような花束づくりを心がけています」
こう話すのは、春てりんオーナーの佐藤千春さん。例えば、哀しいことがあった人を元気づけたい時の花束、贈る相手のインテリアに合うようなアレンジ……。あくまでも主役は「花」ではなくて、「人の気持ち」である、と。
春てりんでは、シーズンごとにテーマを決め、毎日教室を開催しています。11月下旬は、20種類以上の木の実を使った四角いリース「スクエアナッツリース」づくり、12月上旬にかけては生の針葉樹をつくったフレッシュグリーンリースをつくります。だからでしょうか、店内はいつも女性たちの明るい笑顔であふれ、サロンのような温かい雰囲気です。
毎年夏休みとバレンタインデーには、子ども向けの教室も開催しており、今年は9月に職業体験的に「お花屋さん体験」も行ったそうです。今でも女の子のなりたい職業の上位はお花屋さん。こんな近くでお花屋さん体験ができるのならば、ぜひ近所の子どもたちにも教えてあげたいですよね。
佐藤さんは、頼まれれば家に出向いてベランダのデザインの相談も受け付けるとのこと。「専門のエクステリア業者ではないので、細かいオーダーは受けられないのですが、例えばお家の掃き出し窓の下を素敵に飾りたいということならば、レンガや溶岩を配置して周りにセダムをあしらって雰囲気をつくったり、集合住宅のベランダをテラコッタやアンティークの花器などを組み合わせて立体的に配置するなど、好きなテイストをお聞きしながら、一緒にお庭をつくっていくこともできます」。
青葉台は花屋の激戦区。確かに駅前を中心に、たくさんの花屋さんが競合し、それぞれに個性を謳っています。佐藤さんは、「青葉台に花屋が多いのも納得です。お客様と接していると、庭をきれいにしたい、家に花を飾りたい、それが生活の一部として当たり前になっている文化がこの街にあるからです」と言います。だからこそ、小さな店のフットワークを生かし、地域密着で一人ひとりの気持ちに添いたい、と考えているそうです。
これから、クリスマスやお正月に向けて忙しくなる時期です。そんな時こそ、花やグリーンが家にあることで、ほっと一息ついたり、心が明るくなるはず。「心」に寄り添ってくれる花屋さんがこの街にある。それはとても幸せなことかもしれませんね。
キタハラ’s eye
春てりん、前の道を通るたびに、いつも「かわいいお店だなあ」と思っていました。置いてあるお花のテイストがキタハラ好みで、きっと森ノオト読者の方も大好きなはず。忙しさを理由になかなか手をつけられないでいるベランダの植栽、佐藤さんとの出会いを機にお願いしてみようかなあ、という気に。家のグリーンは、いちばん身近な自然の一つです。春が近づいたら、「我が街のお花屋さん」にご登場願いたいと思っています。
花屋 春てりん
住所:神奈川県横浜市青葉区青葉台2-18-11
TEL:045-983-6498
OPEN:10:00〜18:00
定休:木曜/日曜
駐車場:なし
アクセス:東急田園都市青葉台駅より徒歩7分
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