参加したのは、12月5日(日)に開催された、「リーフ」試乗会と市民ワークショップからなるイベント「the new action TOUR」。日産自動車とNPOが連携して行うプロジェクトの一環で、これまでさいたま市や北九州市などでも開催しています。4回目となる今回は、初めてリーフを公道で試乗できるイベントということで、横浜市民をはじめ全国から応募した約90人が日産自動車グローバル本社(西区)に集いました。
そもそもEVとはどんな車なのでしょうか? まず、ガソリン車とは根本的な構造が違います。電気だけで走るので、エンジンはありません。積んでいるのは、動力源のモーターと電気をためるリチウムイオンバッテリーのみ。リーフの場合、フロントはモーターだけで軽いうえ、重たいバッテリーを車体下中央に敷き詰めているので安定した重心バランスが実現できています。
充電は、携帯電話と同様に、家庭用コンセントから専用ケーブルで電気をとります。フル充電までは、200Vの普通充電で約8時間、街中にある急速充電器を使えば約30分。気になる航続距離(フル充電で走ることのできる距離)は約200㎞と、街乗りなら充分な能力を備えています。
走っている途中で充電が切れそうになったら? その時は、近くにある充電スポットをリーフが自動で探してくれます。国や神奈川県、横浜市などの自治体もEV普及に力を入れていて、充電スポットの数も増加中。日産自動車もリーフの発売にあたり、日産ディーラー全店舗約2200店に充電環境を整えました。EVも充電スポットも、これから身近なところで目にする機会が増えていきそうですね。
さて、実際にリーフを運転してみての感想はというと、アクセルを踏み込んでから加速までが速く、走りがとってもスムーズ。そして、エンジン音がないため驚くほど静かです。車内スペースも、5人乗り仕様なので家族で充分くつろげる広さが確保されています。アクセルとブレーキとハンドルで操作する点は従来の車と同じですが、新しい乗り物として純粋に「運転が楽しい」と思える車だと感じました。
電気自動車は、車の概念だけでなく、私たちの暮らし方そのものを変える可能性も秘めています。たとえば、太陽光発電は、昼に発電した電力をためておくことができません。EVに積んでいるリチウムイオン電池を充電池のように使えば、昼間の発電をEVにためておき、夜の電力はそこから使うということも可能になります。ご近所さんに電気を分けてあげることもできるので、電気の地産地消やブランド化だって夢ではないかもしれません。
今回のイベントでは、リーフ試乗のほかに参加者全員で「EV普及による街づくり」についても考えました。EVを通して人と人をつなぐ「EVでつなぐピースフルライフ」や、旅先で家庭から電気をもらうかわりに農作業などを手伝い交流する「“もらい電”の旅」、家電などの電力機器とITを利用して双方向にやり取りする「スマートグリッドとEV」など、おもしろいアイデアや意見も飛び出して、4時間という長丁場のワークショップも活気が衰えぬまま終了。EVのもつポテンシャルにみんな大興奮していたようです。
EVの発売がこれから始まろうというタイミグで、街のあり方まで変わるかもしれない…というのはずいぶん気の早い話のようにも感じます。でも実は、森ノオトがカバーする青葉台・田園都市地区にもじわじわとEV普及の動きが広がりつつあること、知っていましたか?
たとえば…。港北ニュータウンでは、みなとみらい地区、金沢区の横浜グリーンバレーエリアと連携して、CO2排出量を大幅に削減する「横浜スマートシティプロジェクト」が動き出しています。横浜市、電力会社、ガス会社、住宅メーカー、自動車メーカー、家電メーカーなどの協働で、家庭や地域でエネルギーを上手に使うための仕組みをつくるプロジェクトです。EVは、その計画の大切な要素のひとつ。ほかにも、藤が丘駅周辺でEV充電ポートを備えた新築マンションの建設計画があったり、十日市場駅付近にある横浜市の遊休市有地を省エネ住宅地にする計画が発表されたりと、EVで省エネを推進するプロジェクトが少しずつ進みはじめています。
今年は4月に三菱自動車のEV「iMiEV」も発売され、「EV元年」などと言われている年。来年以降は各メーカーも本格的にEVの販売を開始します。そうなると、街の姿もエネルギーのあり方も変化していくことになりそうです。森ノオトでも今後、EVの普及で街がどのような姿に変わっていくのか、追いかけていくつもりです。
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