2階は子どもの秘密基地
ところどころに残る梨畑が豊かな里山の面影を残す緑区北八朔町。閑静な住宅街に建つ角田隆一さん・靖恵さんご夫妻の家は建築後約3年半。玄関を開けると建てた当時と変わらぬ清々しい木の香りが漂ってきました。
1階は奥に和室があるものの、建具は常に開け放たれ、キッチン、ダイニング、リビングがひとつながりの大空間。ともかく広くのびやかです。視線を上に移すと吹き抜けの先にはブランコが。そう、ここは子どもたちの秘密基地。普段は10歳の俊君が勉強をするカウンターデスクは、吹き抜けを介して大人のくつろぎ空間と常に一体です。
「5歳の夏鈴(かりん)の幼稚園が終わった後、子どもたちは2階でめいめいに遊んだきり戻ってこないんです。その間、お母さんたちはお茶を飲みながらおしゃべりに夢中。なぜかみなさん居心地がよいそうで、長居してくださるんです」
そう言って朗らかに笑う靖恵さん。隆一さんが「妻の料理はかなり上手だと思います」と太鼓判を押す通り、お料理の腕前は相当のもの。取材の日にいただいた「コブラー」というアメリカ南部のお菓子は、スコーンとクリーム、ブルーベリーのジャムもすべてお手製で、目から鱗の美味しさでした。
靖恵さんの気さくな人柄もあるのでしょうが、やはり木の家の温もりとさわやかな香り、ゆったりできる空間が、お母さんたちの癒しになっていることは間違いないようです。常に深呼吸したくなるような清々しさ。そして家のどこにいても子どもの声が聞こえる安心感……誰もがほっとくつろげるのです。
個室に分けるのは当たり前、が大転換!
そもそも角田さんご一家が北八朔町に居を求めることになったのは、隆一さんのご実家が近くにあることから。最初からハウスメーカーは眼中になく、地元の工務店で建てようと決めていました。隆一さんは「できれば本物の木、国産の無垢材を使いたいと思っていた。地球温暖化問題を考えると、CO2をたくさん排出して外国から木を輸入するよりも、国産材を使えば日本のCO2を固定し国内林業の再生にもつながる。環境を考えた家にしたかった」と言います。そんな角田家が、青葉台のウィズと出会ったのは必然だったのかもしれません。
ウィズの営業担当者は伊藤祐滋さん。最初に伊藤さんが示したプランは、隆一さんにとって驚くべきものでした。建物の外周はあるものの、あとはキッチンやお風呂など水回りの配置のみで、部屋に仕切るのでなく「食べるゾーン」「くつろぐゾーン」「寝るゾーン」などのゾーニングでした。「最初は個室に分けるのが当たり前だと思っていたけど……価値観がガラリと変わりました」と隆一さん。
実は靖恵さんは、家全体をつなげるプランにしたいと考えていて、内心「やった!」とガッツポーズだったそう。時には扉を閉めて静かになりたいと考えていた隆一さんですが、今浮かべている穏やかな表情を見ていると、家全体がつながった賑やかな空間でも、くつろぎの時間は十分にとれているようです。
見せるもの、片付けるもののメリハリを
家づくりの大方針が決定したら、あとは靖恵さんの出番です。専業主婦ならではの細やかさで、センチ単位で収納を考え、一日の大半を過ごす「角田家の司令室」こと台所にもこだわり抜きました。
大理石のキッチンカウンターは、お菓子づくりをする靖恵さんの強いこだわりで実現しました。生地をこねたり成形するのにまな板要らず。3年使ったとは思えないほどきれいで黒光りしています。
サニタリールームの収納は、タオルや下着など、必要なものがすぐに取り出せる仕様。角田家では、床の上にものが置かれることがありません。モノにはそれぞれ居場所が与えられているので、家の中は常にすっきり、清々しいわけです。
お風呂はガラス張りで外が見えるようになっています。ジューンベリーの木が極上のくつろぎタイムを演出します。壁は水に強いヒバ材。「メンテナンスフリーなのにカビも生えずきれいなまま。ガラスも汚れることなく、とてもラクチンです」と靖恵さん。ランニングが日課の隆一さんは、お風呂でくつろぐのが何より楽しみなのだそう。
晴れた日は2階の窓から富士山や大山連山が見え、ほどよく田舎で豊かな環境に恵まれた北八朔町での暮らし。角田さんご一家の暮らしに憧れ、木の家への関心が高まる、そんな好循環が生まれる素敵なお宅でした。
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