魚料理が評判の居酒屋「うおたま&くうかい」。店内はもちろんお店の外にも、食欲をそそる魚料理の手書きメニューが並んでいます。聞けば店主の西原聡さん、お店を開業する以前に18年間ほど、青葉台の鮮魚店「魚喜松台水産」で魚介の仕入れ担当をしていたとか。さらにさかのぼること数年、血気盛んな学生の頃は水産科に所属し、趣味でダイビングをしていたほど魚漬けの日々を送ってきたそう。人生の選択肢に「魚をふるまうお店」があったことも、その味にも納得です。
魚料理のほかに、「うおたま&くうかい」には知る人ぞ知るもう一つの顔があります。それは雑穀料理。「つぶつぶ料理」と呼ぶほうがなじみ深い人も多いかもしれません。雑穀料理とは、“たかきび”や“あわ”“ひえ”といった雑穀をふんだんに使った料理のこと。特に西原さんは、「つぶつぶカフェ」のオーナーとして知られる大谷ゆみ子さんに師事し2年間しっかり勉強。その結果、化学調味料はもちろんお肉も使わずに雑穀と野菜だけでつくる多彩なつぶつぶメニューが、「うおたま&くうかい」の裏看板になったのです。
「うおたま&くうかい」のつぶつぶランチは、一つのお皿に5~6品が上品に盛り付けられたワンプレートタイプ。雑穀や車麩など仕込みに手間と時間のかかるものも多く、「30種類ほどを同時に仕込んでいることもしばしば」と西原さん。いただいてみると、だしにもかつお節など動物性のものを一切使っていないのに、どれも驚くほどしっかりと、そして滋味深い味わい。素材への愛情と手間暇を感じる、体が中からキレイに元気になるのを実感できる食事です。
西原さんご夫妻がお店で雑穀料理を提供するようになるには、いくつかのキッカケがありました。まず、店主の聡さんのひどい花粉症が、個人的にチャレンジしてみたマクロビオティック(穀物菜食料理)で改善します。「花粉症が始まる前から特にタンパク質と砂糖を徹底的に控えると、すごく楽になりました」と聡さん。その後も、大地宅配や生活クラブ生協など自然派食材を扱う宅配サービスを利用し、食材の質にこだわりながら食に関する情報を集めて食生活を改善していったそうです。そんな折、今度は奥様の和江さんに病気が見つかります。健康に良いとされる食材や民間療法を片っ端から試した結果たどり着いたのが、雑穀料理だったというわけです。もちろん、今ではお二人ともすっかり健康体。まさに雑穀のパワーです。
「うおたま&くうかい」の魚料理とつぶつぶ料理は、お惣菜やお弁当でも販売しています。特に人気なのが「ワンコイン弁当」。500円玉1枚でバランスの良いお昼ごはん(つぶつぶ弁当は別途)が食べられるとあって、近隣小中学校の職員室などからも定期的に注文があるそう。仕込みからしっかり手間をかけたお惣菜も人気です。
こだわりの食事のほかに「うおたま&くうかい」の良さをもう一つあげるとすれば、真っ先に浮かぶのがお二人の人柄。決しておしゃべりではないけれど、食に対して真摯な聡さん。誰とでもうちとけて話ができる、飾らずほがらかな和江さん。そんなお二人が人を呼ぶのかもしれません。地元に広いネットワークがあり、月に1度、生産者が集って店舗前で朝市を催しています。平日は店内で、編み物をしながらお茶をいただく「ニットカフェ」や「マージャン大会」も不定期開催しているので、気になるイベントがあればのぞいてみてください。ほっと落ち着く「うおたま&くうかい」の魅力に、きっとはまるはずです。
うおたま&くうかい
住所:横浜市緑区霧が丘1-17-6
TEL:0120-590-343
045-922-6130(※つながらない場合は050-1157-4256まで)
OPEN:11:00~14:00
17:00~ラストオーダー21:00
定休:月曜日(仕出し・ケータリング・お弁当は要相談)
駐車場:あり(1台)
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