昨年3月11日に起きた“1000年に1度”という規模の東日本大震災と、東電福島第一原発の事故。多くの犠牲者と家や故郷を失う人たちを目の当たりにして、私は今までの価値観や当たり前だと思っていた暮らしが足下からガラガラと崩れていくような感覚を覚えました。“コンセントの向こう側”……自分たちが湯水のように使っているエネルギーについてあまりにも無関心だったことを反省して、真実を知り子どもたちが安心して暮らせる未来をつくりたいと考えて、「あざみ野ぶんぶんプロジェクト」の立ち上げに参加しました。

2011年6月30日・7月1日には、持続可能なエネルギーを望み行動する山口県上関町・祝島とスウェーデンの人々を描いた映画「ミツバチの羽音と地球の回転」＆鎌仲ひとみ監督トークショーを開催し、2日間でおよそ650名もの方々に足を運んでいただきました。その時の会場は共感と熱気にあふれ、私たち実行委員5名の“ぶんぶん”という羽音が参加者のみなさんと共鳴して大きく広がっていくのを感じました。

鎌仲監督から「続けることが大事。頑張って」と心強いエールをいただいた私たちは、その後も「足下からエネルギーシフトを！」を合言葉に、月に1度のペースでエネルギーに関する勉強会を続けています。

鎌仲監督と実行委員のメンバー

間もなく3.11から1年。原発事故からの関心を薄れさせず、改めて「核」について地域のみなさんと一緒に考えたいと、昨年の「ミツバチ」上映会でも「ぜひ上映して欲しい」という声が多かった鎌仲監督の「六ヶ所村ラプソディー」（2006年）と「ヒバクシャ　世界の終わりに」（2003年）の上映を決めました。

社会旋風を巻き起こした「六ヶ所村ラプソディー」（2006年）は、日本の原子力産業の要・使用済み核燃料処理工場がある青森県六ヶ所村を舞台に、賛成・反対・容認それぞれの立場の人々を一つの映画で追いかけています。

2003年の「ヒバクシャ」は、湾岸戦争時に使用された劣化ウラン弾が原因と考えられる白血病やがんに苦しむ子どもたちの姿を通して、イラク、アメリカ、広島と、現代を生きる「ヒバクシャ」の声を聴き、核の本質をあぶり出した作品です。

私にとって鎌仲監督の３部作は、現実に起きていることを知り「未来をつくっていくのは私たち自身だ」と気づかせてくれ一歩踏み出して行動を起こすきっかけとなった映画です。

森ノオトエリアのみなさんとこの2作品を共有し、自分たちの望むエネルギーや子どもたちが安心して暮らせる未来についてみなさんと共に考える場にしたい。「いま、ここ、あざみ野からのエネルギーシフトを！」そう願って、森ノオトからのメンバー、キタハラマドカ、松山ちかこと共に上映会に向けて活動しています。

今回は日頃なかなか映画を観に行くことの難しいママさんたちを対象に、お子さんと一緒に鑑賞できる「お母さんのための特別上映会」も同時開催します。

どうぞお気軽に足をお運びください。