JIKE STUDIOから徒歩2分。坂を下るように歩いていくと、道沿いのちょっと奥まったところにひっそりと澤岡さんの住居兼工房があります。そこは元工場だったそうで、澤岡さん自らが手を加えてリノベーションしたそうです。
たくさんの素敵な器が並ぶギャラリースペースで、私が贈りたい相手のイメージや好きものを伝えると「なんとなくわかりました。いくつかつくってみますね。その中からその方に合うものを選んでください」と。
数日後、出来上がったカップに会いにいきました。
ずらっーとならんでとっても可愛い!!
白くシュッとした磁器に描かれた手書きのゆるい線がたまらなく好きです。
北欧好きでお茶好きの友人もきっと気に入ってくれるに違いないと確信。
澤岡さん、ラフに線を入れているように見えますが、実はこれ、とても手間のかかる作業を経て出来上がっているのです。
私も行程を教えてもらってビックリ。
この手描きのゆるい線は、掘るように削って色を入れているそうです。
浅すぎず深すぎず慎重に作業が続きます。
窯に入れて焼き上がってからはキレイな線になるように滲みを取り除く作業。
どれも職人の技です。
愛知県立芸術大学でベースとなる瀬戸染め付けを学び、さらに東京芸術大学で文化財保存学を勉強された澤岡さん。
食器に合うのは自然のものと考え、陶芸を始めてからずっとその信念を変える事なく草花を描いてきたそうです。
またパートナーの三島愛子さんと一緒につくったブランド「teraya」も同時に展開しています。「teraya」は「寺家」をもじったネーミングで、こちらはよりモダンな印象の作品が多いです。私が購入したカップは「teraya」のもの。古来の手法にとらわれず自由な発想で作り出されるのが「teraya」のものだそうです。パートナーの三島さんとは、お互い作家として影響を受け合い、年々ぞれぞれの作品にも新しい要素が加わり、ますます深みのある美しい器が生み出されています。
寺家ふるさと村に工房をかまえて9年目。
青葉区みたけ台で生まれ育った澤岡さんにとって、寺家ふるさと村は小さい頃の遊び場でした。自分の窯を持とうと思った時に縁があり、ここに自分の場所を持つことが出来ました。
「ぜひ、近くに住む子どもたちに、工房を見にきてほしい。こういったモノをつくる仕事をもっと身近に感じてもらって、将来の選択肢の一つになるとうれしいですね」と、2児の父でもある澤岡さん。
寺家ふるさと村は少しずつ田植えも始まり、より青々とした自然が感じられます。
蛙の大合唱を聞きながら、お散歩も兼ねて澤岡さんの工房を訪れてみてはいかがですか?
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