人口2000人弱、森林に囲まれた道志村では、全国各地の山間地の例に漏れず、幾つか問題を抱えています。
1)川上では山林の手入れをする人がいない。
2)間をつなぐ、切った木材を運ぶ人がいない。
3)川下で木を使わない、使えない(高価になってしまう為)。
こうした、いわば“三重苦”のような状況が、ここ40年程続いてきてしまったといいます。今後もこのような状態が続いていくと、今度は山自体、森自体が、水源としての力を失う危険性もあるとか。
「水源なしに経済はあるでしょうか? 私たち都市で生活する人が、積極的に意識を変えていかなければ」という信時さんの言葉に、深く考えさせられます。
手つかずの自然の美しさ、なんて言いますが,人が手をいれるから、付き合っているからこそ、パッと見て、きれいだなと思う風景がつくられることも知ったほうがいい。これからは山との向き合い方を一人一人がじっくり見直す時代なのかもしれません。
では、わたしたち都市部に暮らす人間が、道志村のためにできることは何? 道志村でやってみたいことは? 短時間でしたが、二つのグループに分かれてのディスカッションにより、こんなにたくさんのアイディアが出てきました。
・単純に楽しみのために来て、美味しい空気、水、緑に親しみたい。
・間伐作業を子どもたちにも見せたい。子どもを連れて、キャンプ+間伐見学、+木工体験といったツアーを企画したい。
・家庭で、薪ストーブを普及させられないか。
・ライフスタイルの提案として、水源への旅のストーリーを用意して、メディアで紹介してみたい。
・作業着デザインの改良を企画。ファッションから林業への関心を高められないか。
・川下で活動する木工作家さんなどに、間伐材を使った商品を開発して、ブランド化する。ゆくゆくは建築材として使う。
・道志村の歴史、昔話など、山の暮らしを記録して紹介する。
今回うかがったキャンプ場のオーナーで建築業を営む、池谷さんは言います。
「道志村のいい所、悪い所を知って、末永く付き合って欲しい」
森ノオト読者のみなさん! 最初はチャラチャラと遊びに行くだけでもいいのです。まずは、道志のふところにとびこむべし!
木材などの植物、海藻、あるいは生ゴミ、紙、動物の死骸や糞尿、廃油、プランクトン。これらは、バイオマスと言って、化石燃料に変わる、再生可能なエネルギー源として注目されています。道志村でも、2009年にバイオマスタウン構想が策定、公表されました。
ここで手入れされた間伐材が薪ボイラーの燃料となってお湯になるのも、その一環です。今回は時間がなく立ち寄ることができませんでしたが、道中にある「道志の湯」では、道志のバイオマス燃料を利用しています。道志村民だけでなく、横浜市民も割引料金で入場できるとのこと!
道志村では、将来バイオマスセンターをつくり、間伐材を燃料チップにしたり、バイオエタノールにして、石油に変わる燃料として、村内で利用することが検討されています。
その他、廃油をバイオディーゼル燃料にしたり、生ゴミや家畜の排泄物、刈草、おがくず等をたい肥化して利用するという計画も。
こうした、新たな地域資源の活用と普及には、課題もあります。しかし、間伐材や家庭のゴミの活用に関しては、それを資源としてとらえれば、まだまだ秘めた可能性があるのだなと感じました。
間伐女子ツアー「Women’s Forest’s Act」
2012年9月29日開催 @山梨県道志村
主催:一般社団法人スマート・ウィメンズ・コミュニティ
共催:森ノオト
協力:横浜市環境創造局<横浜市環境保全活動助成事業>
【間伐指導】NPO法人道志森づくりネットワーク
【エコカー提供】フォルクスワーゲンジャパン
【オリーブオイル提供】http://www.made-in-earth.co.jp
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