森ノオトのマルシェネットワーク情報でもおなじみ鴨志田の「フラメシ」前で月に1度開催されているカモーン鴨志田マーケット。出店するごとにファンを増やしていったカレー粉屋さんが「spice+arts(スパイスアーツ)」です。
ふわーっと鼻をくすぐるスパイスの香りに引き寄せられるカレーは、スパイス調合から手づくりのカレー粉を使い、ルーをごはんではなくおだんごにかけていただく「だんごカレー」。オリジナリティあふれるカレーはとっても美味しくてやみつきに! 油を使わないノンオイルカレーで、スパイシーなのに辛くないので子どもと一緒に食べられるのが魅力です。森ノオトメンバーの中には、スパイスをまとめ買いする人が続出しました(笑)。
そのカレーと手づくりのカレー粉を販売するのがspice+artsのやましたのぶこさん。太陽のように明るく大らかな笑顔に誰もがファンになってしまいます。
そのやましたさんがこの夏から始めたのが「シェアノマ」です。「自分が人よりも少しだけよく知っていること、得意なことをシェアしたりされたりする間」という意味で名付けられました。「教える」ではなく「シェア」。いい意味でゆるーくほのぼのした語感がやましたさんらしいなと思いました。
これまで、塩麹をつかったお料理や、パステル曼荼羅アート、羊毛フェルトのコースターづくりなどを開催してきました。そんな素敵なスキルをシェアしてくれるのはやましたさんがこれまで出会ってきたお友達です。
今回はやましたさんのノンオイルカレーをスパイスからつくり、やましたさんのお友達の山岡美香さんにチャパティを習いました。
実はやましたさんも山岡さんも、私の娘の幼稚園の先輩お母さんでお友達なのです。山岡さんはお菓子やパンづくりが得意でセミプロ級の腕前。いつか教えてほしいと思っていたので、願ってもない機会でした。
参加したのは、私を含めて6人。すっきりとシンプルに整えられたやましたさんのご自宅に迎え入れてもらい、まずはスパイスの調合からスタートです。
かつてバックパックでアジアを旅してカレーが大好きだったやましたさんは、子どもと一緒に食べられるおいしいカレー粉を探していましたが、お店で売っているものには辛み成分が入っていて一緒に食べるのが難しかったといいます。そこで辛いチリやブラックペパーが入らなくても満足できる配合を求めて、アジアで出会ったカレーの記憶をたぐりよせながら、自分で試作を重ねつくり上げたのがspice+artsのカレー粉です。
やましたさんが材料に使うスパイスはオーガニックでフェアトレードのもの。
カルダモン、シナモン、ターメリック、クミン、コリアンダー……ひとつずつ香りをかがせてもらいました。まったく違う個性のハーモニーでカレー粉ができるのですから、スパイスの特性を知ることは大切です。
spice+artsのカレー粉は「手づくり」とは聞いていましたが、スパイスを手でちぎったりほぐしたり、火の通りに気をつけながら煎って、ごりごりとすり鉢ですり、じっくり手間がかけられていました。こうした一つひとつの工程にやましたさんが愛情を込めているのがわかります。
そのうちに部屋はスパイスの香りでいっぱいに。
「良い色と香りでしょう? 遠い国からここまで来てくれてありがたいよね。かわいいって思っちゃう」何度も嬉しそうにスパイスを愛でるやましたさん。なるほど、spice+artsのおいしさの秘密はやましたさんの愛情にスパイスが応えてくれているからなのかもしれません。
スパイスができたら、玉葱、人参、セロリ、トマトの水煮などたっぷりの野菜を煮込み、ココナツミルクやタヒニ(地中海料理で使われる白ごまペースト。自然食品店などで購入できます。練りゴマでも代用可)を加えてハンドミキサーにかけ、配合したカレー粉を入れてカレーベースをつくります。
そこにお好みで具材を加えればノンオイルカレーの完成です。今回は下ゆでしたじゃがいもといんげんを添えました。
カレーを煮込んでいる間に山岡さんに教えてもらいながらチャパティをつくりました。ここからはやましたさんもシェアしてもらう側になるのが面白いところです。
チャパティはアタというインドの最強力粉の全粒粉を使います。材料はアタと水、塩だけでとてもシンプルですが、生地のこね方、ぷうっとうまく膨らむように焼く方法など、レシピを読むだけではわからない部分も。やっぱり実際に教えてもらうと違います。
できあがったカレーとチャパティで豪華な食卓! 一緒に来た子どもたちもぺろり。そしてここで初めて会った人同士も気がつけば楽しく会話がはずんでいました。
おいしいもの、楽しいことが生み出す幸せな空気までもみんなでシェアしているような気がしました。
生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!