小池一美の農と食をつなぐ熱血報告Vol.7 都筑区大熊町 有々畑 中沢有紀さん
森ノオトではお馴染みの「ウィズの森マルシェ」。レポーター小池一美は“トミーヤミー”として月に1、2回程、焼菓子の販売をしています。小池にとって「ウィズの森マルシェ」は出会いの場。これまでにたくさんの素敵な出会いがありました。今回ご紹介するのは、そのお一人。2012年4月より都筑区大熊町で就農された有々畑(ゆうゆうばたけ)の中沢有紀さんです。

「有々畑」の中沢さんが就農を志したのは2010年4月のこと。「有々畑」の“有”には、「有機」「生き物の有限の命」「有難う」、そして中沢さんのお名前の「有紀」さん、といろいろな思いが込められています。

 

 

有々畑の中沢有紀さん。水道も引いて、整備された畑は、横浜の都市農業らしく、住宅地の中にありました。

それまでJICA(国際協力機構)のプロジェクトを受注する民間会社に勤めていた中沢さんは、開発コンサルタントとして10年間、主にアフリカで国際協力に関わってきました。

日本とアフリカを行き来する生活にやりがいを感じる一方で、学生時代に生物や環境を学び、自分でたべものをつくることに興味があったという中沢さん。そして「手に職だ!」と、会社生活10年を節目に、選んだ道が農業の世界でした。

 

実は現在も、東京都国分寺に居を構えている中沢さんが、横浜で就農することになったのは、いろんなご縁があったようです。はじめは、ご両親の暮らす長野県で農業をしようとも考えていた、ということですが……。

 

会社を退職した中沢さんは、さっそく3カ月間、茨城県の日本農業実践学園で農業を学びました。しかし、「もっと長期的に農業を学びたい」と考え、「有機農業ネットワーク神奈川」で研修先を紹介してもらうことにしました。

 

そこで紹介されたのが神奈川県大和市の「なないろばたけ農場」さんでした。1年間、「なないろばたけ農場」で農業研修を受けたことで、横浜周辺でのネットワークが広がったといいます。そんな自然な流れで、横浜周辺での就農を考えるようになったそうです。

 

そして何よりも、中沢さんの御主人のご実家が都筑区大熊町でした。

「大熊町には畑がけっこうあるよ」という御主人の助言を受けて、畑を探し始めることにしました。そしてご縁があったのが現在の畑です。畑の近くにアパートを借り、国分寺と大熊町を行き来する生活が始まりました。

 

そして一反の畑と、一反の田んぼを借りながら、無農薬、有機肥料のみでやさいやお米を、少量多品目でつくっています。取材でうかがった時は、にんじんやねぎ、大根が収穫期を迎えていました。女性らしく、ハーブも栽培されていました。

 

きれいに除草された中沢さんの畑。

きれいに除草された中沢さんの畑。

 

「人様からお借りした畑に、草は生やさない方が良い」と考える中沢さん。周囲の人たちとのお付き合いを大切にされている中沢さんらしい考えです。

除草剤を使わずに、手や農具で除草された畑は、とてもきれいに整備されていました。夏場はシートを張って、太陽光消毒で除草するそうです。

 

緑肥に植えられた小麦

緑肥に植えられた小麦

 

中沢さんは無農薬で野菜をつくっているため、虫の被害もあるといいます。

「植物が弱いと虫がつきやすい」と、中沢さんは丈夫な植物が育つような土づくりに力を注いでいます。

 

中沢さんは虫の対策として、緑肥に小麦を植えていました。「緑肥」とは、植物を収穫せずに土を一緒 にして耕し、後から栽培する作物の肥料にすることです。小麦などのイネ科は土壌改良によいそうです。さらに小麦はコンパニオンプランツとしても植えられていました。昨夏は、虫がつきやすいスナップえんどうの隣に小麦を植えたところ、大成功だったそうです。

 

みかんの差し入れに訪れたご近所さんと。小池にも後からわざわざ柚子を届けに来てくれました。ご馳走様です!

みかんの差し入れに訪れたご近所さんと。小池にも後からわざわざ柚子を届けに来てくれました。ご馳走様です!

 

不思議な巡りあわせで都筑区で農業を始めた中沢さん。いまでは周囲の住民の方に愛される人気者です。取材中も「有紀ちゃ?ん!」と、いろんな方が声を掛けてきました。

 

みかんを両手に持って差し入れに来てくれるご婦人や、犬の散歩中に「にんじんおくれ?」と立ち寄る男性。「元気でやってるかい?」と一声掛けてくれるご近所さん……。

 

そして皆さん、中沢さんと話すことがうれしくて仕方がないご様子でした。

 

散歩中に「にんじんある?」と声をかけてくださったお客様のためににんじんを収穫する中沢さん

散歩中に「にんじんある?」と声をかけてくださったお客様のためににんじんを収穫する中沢さん

 

お客様に採れたてのにんじんを渡す中沢さん。いつもこうして近隣の方と楽しく会話している様子

お客様に採れたてのにんじんを渡す中沢さん。いつもこうして近隣の方と楽しく会話している様子

 

以前はアフリカと日本を行き来していた中沢さんは、現在、国分寺と都筑区を行き来しながら、大熊町の畑というコミュニティの場でしっかりと根を張っています。

 

でも、もうすぐ国分寺と行き来する生活は終わります。じつは現在畑の近くの新居を建築中だという中沢さん。そしておなかには赤ちゃんが宿っているのだとか……!

 

家族も増えて、「横浜の大地と向き合って、仲間とワイワイたのしく農業をしたい」という中沢さんが思い描く生活はすぐそこです!

 

中沢さんのやさいの直売情報はコチラで確認できます。

http://yuyubatake.jimdo.com/

 

hitomi’s point

 

中沢さんが「有機農業ネットワーク神奈川」ご出身だとお聞きして、もしかしたら、前回この連載でご紹介した大橋二郎さんをご存知かな……と思い、うかがったところ、やはりお知り合いでした!

 

現在も直売で、おたがいの野菜を取り扱う仲だとか。そしてあざみ野南のお弁当屋「コマデリ」(フラメシのセントラルキッチンとして小池が担当しているデリです)に大橋さんのお米が使われている、とお話したところ、「わあ、うれしい!」と満面の笑みで喜んでくださいました。

 

前回は、大橋さんと川口俊一さん(草の畑・市ヶ尾町)に「種のリレー」がありました。そして今回、中沢さんと大橋さんがつながり、“ひととひと”がつながるよろこびを、今回も感じることができました。

「ウィズの森マルシェ」で出会った中沢さんとの素敵な出会いに、改めて感謝の気持ちです。中沢さんありがとうございました。

この記事を書いた人
小池一美ライター
横浜市青葉区出身。森ノオトのリポーター、走る!ロコキッチン「コマデリ」、焼き菓子販売「トミーヤミー」の3本柱で地元と関わりながら暮らしている。AGRUの小川穣さんとのユニット「labo2(ラボラボ)」では、食の素材と地域を楽しむ活動を展開中。
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