農産物の加工、それはつまり、お料理のことです。
農家の農産物加工技術を受け継いでいくために、神奈川県では加工品をつくる農家を「ふるさとの生活技術指導士」として認定し、その技と味を伝える活動をしています。
2月27日、田奈恵みの里の交流会館に「横浜川崎ふるさとの生活技術指導士」のみなさんが集まって、その技と味をお披露目しました。
体験コーナーで手際よく技を見せてくださったお母さんたちは、皆さんとても優しい笑顔の持ち主でした。やっぱり、お母さんには笑顔が良く似合う! 家族を思い、つくった農産物を大切にお料理に生かしてきたことがうかがえます。
さっそく体験コーナーにお邪魔しました。
まずは野沢菜おやき。
前畑隆子さんの自家製野沢菜を使った野沢菜漬けがメインです。
野沢菜漬けを塩抜きして、甘めに味付けをした餡を小麦粉を練った生地で包んで蒸し、仕上げにフライパンで焼き目をつけます。
仕上がりはこの通り、ふっくらモチモチ。小腹を満たすおやつにイイですね?。
続いて手作りこんにゃく。
こんにゃく芋の実物、初めて見ました!
山田さんが手にしているサイズで約800グラム。この芋から30センチくらいのバット2枚分ものこんにゃくができるそうです。
嫁ぎ先がこんにゃくづくりをしていて、その技を受け継いだという山田さん。こんにゃく芋は3年ほど育てないと食べられるようにならず、そのまま放っておくと5年くらいで花が咲き、咲いてしまうと食用にはならないそうです。
今も、自宅の敷地で自生しているこんにゃく芋から手づくりされているというお話を、楽しくお聞きしました。
川崎で自生したこんにゃく芋からつくるこんにゃく!ちょっと驚きでした。
お次は手打ちうどん。
田奈産小麦の田奈うどんは、四季菜館でも販売されていますが、今回は手打ちです!
ちょっと太めで、もちもち、つるっとしたおいしいおうどんでした。
そして季節の漬物。
今回は白菜の塩漬けと、きゅうりの醤油漬けを味見してみました。
お漬物って、まさに「おふくろの味」の代名詞だったな……と、懐かしく思う味です。
そして最後はハーブ入りの石鹸。
石鹸粉とはちみつ、ハーブでつくる、肌にやさしい石鹸なのですが……人気があって、気付いたときには無くなっていました。ナチュラルな石鹸への注目の高さが伺い知れますよね。。
手作りの技を披露してくださったおかあさんたちと楽しくおしゃべりしていて、改めて気付いたことがありました。
この場で発表された加工品たちは、どれもこれも、農家のおかあさんたちが「代々受け継いできた技」であるということ。
今では何でも買って済ませることが当たり前のようになってきましたが、これらの加工品も、もともとは家庭の味としてつくられてきたものですよね。
いつの間にか、私は「おかあさんの技」を見過ごしてきたのかも知れません。
つくられたものを買って手に入れるのは簡単ですが、受け継ぐ技は、受け継ぐ者がいなければ、なくなってしまうものだと、気付かされました。
「ふるさとの生活技術指導士」のみなさんは、自治会や消費者グループなどで講習会を開くこともあるそうです。地元のお母さんから学ぶ、お母さんの味。私も、なにか一つでも受け継ぎたいと思いました。
この日は、地元の飲食店や大学関係者などに向けた農産加工品の紹介もあり、お店や学生さんのグループに向けてお漬物やジャム、お菓子などをPRされたとのこと。今後の連携も期待できそうです。
私たちが暮らす横浜・川崎にも、農家の技術が受け継がれていることを目の当たりに出来た今回のイベント。
「農家の母さん」の味は、JA横浜やJA田奈のお店でも販売されています。まずは、食べてみることから受け継いでいきましょう。
おまけのひとコマ
野沢菜漬けとこんにゃくは、その日、早速夕飯にいただきました!
塩気が強めの野沢菜は、お茶漬けにしても良さそう。こんにゃくは手づくりならではのプリッと感が美味し楽しい。
ごちそうさまでした!
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