今月の絵本は、積み木を使って旅を続ける絵本、『なんにかわるかな?』です。
この絵本には、文が全くありません!
それぞれのページには、物語を作っていく積み木すべてと、主人公(!?)の男の子と女の子が登場します。
緑色の棒状の積み木、黄色の半円の積み木、茶色の長方形の積み木などなど、20数個の積み木が、常にページに登場します。
男の子と女の子は、その積み木を使って、まずはおうちを作ります。
素敵なおうちができあがって、ほっと一息……。
と言いたいところですが、おやまあ大変、火の手があがってしまいました。
そこで今度はおうちを消防車に作り替えて火を消して……。
ふたりはよく働きます。
「あれ、火がついちゃったよ??」
「消防車がきたー!」
弟くんは物語の展開に声をあげます。
男の子と女の子は、消防車で火を消しますが、今度は水がたまりすぎてしまいました。そこで、消防車を船に作り替え、陸を目指します。
陸についたら次は船をトラックに作り替え……
積み木を臨機応変に組み替えて、ふたりの旅は続きます。
消防車、船、トラック、と乗り物の好きな子のお気に入りのアイテムが次々に登場し、楽しい展開です。
この絵本を見ていると、積み木でこんなにいろいろなものが作れるのだと感心して、積み木で遊びたくなってきます。
積み木は我が家の遊びの中でも、欠かせないもので、お兄ちゃんがお父さんから譲り受けた、30数年ものになる自慢の積み木箱が大活躍します。
この積み木は、これまでお父さんから、お父さんの弟に譲られ、いとこたちの家を回り、お兄ちゃんが生まれた時に我が家にやってきました。
木箱には、これまでの代々の持ち主のサイン入り!
お兄ちゃんがサインを加えたのは、弟くんが生まれた4歳の時のことでした。
ちょっとだけ古くなった積み木ですが、手になじみ、くずれる時の音もやさしい。お座りが上手になった弟くんが、正方形の積み木をつかみ、集中して2つ3つ積み上げた時には満足感いっぱいで、顔が輝いていました。
お父さんから積み木を教わったお兄ちゃんは積み木の名人で、まだ小さいころは大好きなプラレールの新幹線を走らせる線路、駅、車庫をどんどん作り、それがまた見事で何度も写真に収めました。
ちなみに、母である私は、はじめは積み木で何を作ったらいいか、見当もつかずにいましたが、お父さんが限られた数でお城を作り、魚を作り……を横で見ていて、積み木で広がる世界に感動しました! お兄ちゃんもお父さんの姿を見て、技を磨いてきたものです。
そして、遊び終わった後も、積み木箱の中に形を組み合わせてしっかり収めることができます。どういう組み合わせにするかは、その人の自由。2歳半の弟くんは、まだこの作業が難しいようで、近くに積み木を集めてきてお手伝いをした後に、形の組み合わせをじっと見ている気がします。
『なんにかわるかな』は、文章がないので、読む人その時々で、お話が自在に変わります。
なんとなくですが、女の子は物語で積み木を眺め、男の子は図形の組み合わせでお話を見ているような気もします。
積み木の絵本は、やっぱり『なんにかわるかな?』がおすすめですよ!
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