立春から数えて88日目にあたるのが八十八夜。今年は5月2日でした。「米」という字を分解すると八十八となりますが、農業に携わる人にとって大事な時期です。歌にもあるように、季節が春から夏に移り気温も安定してくる八十八夜の頃は、茶摘みに適した時期。よく見れば「茶」の文字も草かんむりに八十八と書きますね。
農に学ぶ。の茶摘みも毎年この時期に開催されます。どんぐり農園開墾の時に見つかった茶畑は、4、50年前に地主さんがつくったものだったそうです。
ぴょんぴょんと生えてきた新芽はやわらかで、太陽の光を受けた薄いグリーンがとても綺麗です。
通常は「一芽二葉」を摘むそうですが、農に学ぶ。では「一芽三葉」を合言葉に、葉を広げようとしている新芽とその下の3枚の葉を摘み取ります。
子どもたちもパパやママに教わりながら「ひとめさんば」と上手に摘んでいました。
みんなで摘んだ葉をせいろで蒸します。蓋をあければ鮮やかなグリーンに変わっています。蒸すことでこの緑色を定着させるのだそうです。
蒸した茶葉は、炭で熱くなっている鉄板の上で手揉みし、水分を飛ばしながら煎ります。農に学ぶ。代表の木村さんの手つきは鮮やか。思わず「熱くないですか!?」という参加者からの質問に「そりゃあ熱いですよ」と余裕の笑顔。さすがです!
木村さんに習った通りに私もトライしてみましたが、カラカラの茶葉にするまでは時間もかかり大変な作業でした。
こんもりした葉を煎って出来上がる茶葉はわずかな量。昔、新茶は高級品としてお殿様に献上されたということですが、手摘み・手揉みのお茶の貴重さがよくわかりました。
日陰で育った茶葉、日なたの茶葉、摘んだままの葉にお湯を注いだだけの生茶と味比べをしました。高級茶として有名な玉露は、陽に当てずに育てた茶葉でつくるそうですが、どんぐり農園の山の日陰でそだった茶葉で入れたお茶も玉露に負けないくらい(!?)のまろやかな味わい。生茶はよりフレッシュな香りがしていました。
田植え前に開かれる新年度最初のイベントである茶摘みには、新会員さんもたくさん参加していました。みんなで茶摘みや鉄板を囲んで手を動かせば、自然と話がはずみます。子どもたちはあぜ道を走り回りいつの間にかお友だちになっていました。これぞ農的コミュニケーション!この後も田植えなどで農に学ぶ。の田んぼには笑顔があふれることでしょう。楽しみです。
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