天候に恵まれたゴールデンウィーク、皆さんは屋外で過ごしたでしょうか? 温かな日差し、さわやかな風を感じての散歩は、この時期だけの贅沢ですよね。
そんな散歩を彩っているのは、春になり一斉に咲き始めた花々や、鮮やかな新緑です。この時期の目にも眩しい緑は清々しい気持ちにさせてくれます。
葉っぱのことを「緑」と呼ぶ私たち日本人。鮮やかな緑たち、しかしなんで緑色なのでしょうか。疑問に思ったことはないですか? 葉っぱが緑なのは当たり前……、と。
「いや知ってるよ、葉緑素があるからでしょ」と思ったあなた、そう正解です! 中学校の理科で習いましたよね。
葉緑素(クロロフィル)とは光合成を行っている葉緑体に含まれる色素のことです。
では、葉緑素はなんで緑色をしているのでしょう。
それは、植物が光合成の時に全ての光の色を吸収するのではなく、吸収しにくい緑色の光を反射をしているからなんです!
私たちが色を視認しているのは、対象物を反射している光を視ているから。
太陽の光は様々な波長を含んだ波で、その中で人が感知できる範囲は可視光線と呼ばれます。全ての色の範囲を反射していると白色、全て色の範囲を吸収していると黒色に見えます。可視光線の色は虹色と同じで紫色から赤色まで連続的に変化していきますが、その中で吸収されずに反射している光を私たちは色として認識しているのです。
植物の葉緑素は青色と赤色に近い範囲の光を効率的に吸収できますが、緑色は吸収しにくいので透過したり、反射をしているので緑色に見えるんです。
光の波長の中でたくさん利用しているから緑色なのではなく、利用しくい色が緑色なので緑色に見えるんです。
でも実は、新緑の葉っぱをよく見たら、新芽は緑色ではなくて赤色や黄色だったりするのです!
新緑を何となく明るい緑色に感じるのはそのせいですが、それも理由があります。
新芽は出たばかりだと、まだ葉っぱの組織が未熟で葉緑体が発達していないので、他に含まれる色素(主に黄色)の色が目立っています。
また葉っぱが未熟なうちに光合成を行うと光合成で発生してしまう活性酸素や紫外線からのダメージで傷んでしまうので、それらから守るために赤色の色素を作っています(赤色の色素はアントシアニンの一種で抗酸化作用があります)。
新芽がしっかりしてくると、赤色の色素(アントシアニン)は分解され葉緑素が増えてくるので緑が濃くなってくるんです。
この色素は、いわばUVカットの日焼け止めクリームの働きをしているんですね。
また、アントシアニンは花の中などにも含まれている色素。標高の高い山の上で咲く花が鮮やかな色をしているのは、強い紫外線から自身を守るために色素が多く含むからです。トマトが夏の太陽の下真っ赤になるのも同じ理由からです。私たちが食べる真っ赤なトマトが体に良いのは、トマト自身が体を守るための成分をいただいているからなのです。
紅葉で赤くなるのもアントシアニンの色です。
葉っぱは緑。当たり前のようだけど理由があって、よく見てみると緑色の中にも様々な彩りがあります。
皆さんも、街の中の緑の彩りをぜひ探してみてくださいね!
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