もうすぐ夏休み、乗り物に乗ってどこかに行く機会も増えますね。
何で行こうか迷っている人は、今月の絵本を見たら電車に乗りたくなるかもしれません。今月は『はしるはしるとっきゅうれっしゃ』をご紹介します。
この春も、森ノオトでは森や田畑での活動がたくさん紹介されていました。
このエリアの魅力は、都会にいながらにして味わえる自然だと思います。
毎月行われている森ノオトの編集会議に向かう時、青葉台方面への電車に乗ると、駅前や住宅地の風景を過ぎ、ちらちらと畑や緑地が見えることに驚きます。
『はしるはしるとっきゅうれっしゃ』も、特急列車が発車してすぐは、大都会のビルや、街中の様子が描かれていますが、鉄橋で川を越えると、急に景色がぐっと「緑」に変わっていきます。列車は山へ入っていき、川が見え、ブドウ畑が広がって。みるみる田舎の風景に変わります。
私を含めた、森ノオトメンバーの4人(そのうちの1人はキタハラ編集長!)が帰省する山形への路もまた、この絵本の情景に似たものがあります。普段は街中で暮らす私たちですが、電車で移動するたびに、日本の大部分は緑が多い地方都市なんだなぁと感じます。
この絵本の作者、横溝英一さんは、電車好きな子を持つ親なら、よく知っている作家さんではないでしょうか?!
横溝さんの絵本はこの本以外にもたくさんあるのですが、どの絵本でも、電車の細部がとても細かく描かれていて、男の子のハートをぐっととらえてしまう……。
それぞれのページの右側には、「じゃりのやくめ」「しゃりん」「きどうしゃのしくみ」「さかみちのはしりかた」などなど、ちょっとした知識も書き添えられていて、乗り物についても勉強になります。
いろいろなものの仕組みが気になる男の子にも、おすすめ(お兄ちゃんの時は、「はこねやまのとざんれっしゃ」「ブルートレインほくとせい」「チンチンでんしゃのはしるまち」など、いろいろと読みましたが、どれもしっかりした絵で旅気分を味わわせてくれます)。
細部の細かさは、電車だけではなく、街を通るバスや自動車も同じです。
特急列車が停車する駅には、大好きな街の電車が止まっていたりもします。
田舎の風景になってからは、畑の農作物や、山の木々、集落の様子も、とてもリアル。
弟くんも、
「あ、牛がいるよ」
「畑に白菜がある」
と、ひとつずつ、見つけていきます。
ずっと前から大好きで、もう1年くらいは読んでいるでしょうか。
いくら見ても飽きることのない1冊のようです。
新宿から松本へと向かう特急スーパーあずさでの旅は、お兄ちゃんが2歳の時に家族で体験しているので、ちょっと懐かしい絵本でもあります。
降り立った小淵沢駅の空気のおいしさ、緑の濃さ、野菜の瑞々しさ、温泉の気持ちよさ、お買い物の楽しさ……。
電車の旅は、とっても楽しいですね。
この夏、ぜひいかがですか。
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