地域の人が寄り合い、環境問題の解決に向けて話し合う井戸端会議の場・「あおばECOアカデミー」。そこに毎回参加してくださる大野承さんという方がいます。ECOアカデミーでは、講義を聞いた後に参加者同士で話し合う時間があるのですが、その時にお話ししてから、明るくアイデア豊富な大野さんに私は好感を持っていました。いったいどんな人なのでしょう?
「まちなか相談室」というホームページを作っているというお話を聞いて、大野さんを訪ねてきました。大野さんがいるのは、東急田園都市線たまプラーザ駅から歩いて5分ほど、たまプラーザ商店会にある「あおばフレンズ」という場所でした。ここは、地元の方が地域を活性化するために提供しているコミュニティスペースで、様々な団体が入って活動しています。大野さんの活動する「まちなか相談室」もそのひとつ。
もともとは2011年10月、横浜市・青葉区社会福祉協議会の補助事業として始まった「まちなか相談室。高齢者が安心して自分らしく暮らせるまちをテーマに「美しが丘ボランティアセンター」の名でオープンし、その後まちなか相談室へと名称が変わりました。地域で困りごとを抱える人や、助けを必要とする人たちに、ボランティア団体や施設を紹介する中間支援を行っており、水・木・金の週3日、10時から16時まで場所を開放し、相談業務を行っています。
「まちなか相談室」は曜日ごとに担当が異なり、それぞれ運営方法に特色があるようです。お茶会や手仕事などのサロンをやっている人、健康相談をしている人などがいるそうですが、大野さんは東急沿線のケーブルテレビ・インターネットプロバイダー会社「イッツコム」が地域の方に提供しているタブレット端末の使い方を教えるプログラムを運営しています。
大野さんの名刺を見ると、10はあるでしょうか、自治会の役員や区民会議など、さまざまな活動が記されています。大野さんのFacebookを拝見すると、音楽のライブを企画したり、青葉区内にとどまらずあちこちの会合や勉強会に足を運んでいる様子を窺い知ることができ、フットワークの軽さと顔の広さには驚かされます。
大野さんがこんなにも意欲的に街づくりに参加している理由をうかがいました。
若い頃、両親とともにたまプラーザに移り住んできた大野さんは、30年ほど仕事で各地を転々とした後、15年前にたまプラーザに戻ってきました。40数年前、たまプラーザの街づくりに熱心だった上の世代の方々に可愛がってもらった記憶と印象が強く残っているという大野さん。「要は、義理人情が半分かもしれないですね。街づくりの先輩方の恩に報いたいという気持ちもあって、人と人とのつながりを大事にしています」と大野さんはおっしゃっていました。
今後は、隣組のように地域の中で支え合う人間関係を復活させたいと大野さんは言います。また、東急電鉄と横浜市が協働で行う次世代郊外まちづくりプロジェクト(http://jisedaikogai.jp)でもアイデアが出ている「3丁目カフェ」のような、地域住民が利用しやすいコミュニティ拠点をつくりたいのだそうです。
森ノオトでは、あおばECOアカデミーなどでシニア世代の方々との異世代交流が始まっています。大野さんは、本当によくイベントに足を運んでくださって、ご自身の社会経験と、厚みのある地域活動の中からの話題の提供をしてくださいます。
今後、こういった方々から学んで、また娘ともども可愛がってもらって、地域を好きになるきっかけづくりをしていきたいです。大野さんが感じてきた「上の世代の人たち」との交流。そして、それを次の世代へ受け渡し、未来へと伝えていきたいと思っています。
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