「nu:u」の国島智子さんにお会いしたのは、秋も深まり始めた11月の初旬。うららかな陽気のなかで、桜台の大好きな空間・ペグルカフェでのんびりお茶を飲みながら話をうかがいました。
セルフレームの眼鏡、秋色のリネンワンピとドルマンスリーブのコーディネート、胸元にはオリジナルのコサージュ。ロールアップしたデニムを合わせたカジュアルながらも大人のエレガントさを感じさせる出で立ちに、「さすが、作家さんだなあ」と雰囲気を感じてしまいました。
国島さんは緑区長津田の生まれ。現在は青葉区のあかね台にお住まいです。「私が幼いころ、こどもの国線沿線にはいまのように広い道路もなくて、ホントに“山”という感じでした(笑)。だんだん大きなスーパーマーケットや郊外型のお店ができ、道路もつながってどんどん便利になってきましたが、ほっとできる個人商店ができたらいいな、と思います」。そういえば国島さんのご実家がある長津田は、江戸時代から宿場町として栄え、老舗の商店がいまも残ります。さっぱりとしたお人柄のなかにどこか人情味を感じるのは、そんなルーツもあるのかもしれません。
国島さんは服飾の専門学校を経て、アパレルメーカーのパタンナーとして20代を過ごしました。27歳の時に、ご友人が高知県でカフェとギャラリーをオープンすることになり、仕事を辞めて一路、高知へ。カフェを手伝いながら、手づくりの雑貨やぬいぐるみなどをつくってギャラリーに置くようになり、それが評判を呼ぶようになりました。都会から高知へ、パタンナーからカフェスタッフへとずいぶん思い切った転身ですが、やはり布にふれてものをつくることは彼女の天職のようです。働く形が変わっても、結婚・出産で地元に戻っても、常に「縫う」ことが身近にありました。
使う素材はコットン、リネン、ウールなど天然素材が中心。お嬢さんの肌がデリケートだったことから、自然と天然の素材でお子さんの服を「縫う」ようになったそうです。
「わたしはリネンを使うことが多いですね。夏場だったら汗をかいても布がカラダにくっつかないし、サラッとしていて気持ちいい。冬は重ね着すると温かく感じます。秋冬は同じ型紙を使ってコットンやウールでつくることもあります。素材の違いでずいぶん印象が変わりますよ」
そして2年前、ご自身のブランド「nu:u」を立ち上げました。
そういえば2年前、ペグルカフェの帰り道、美容室に「nu:u」の看板を見つけた日のことを覚えています。ガラス越しにのぞいてみると、可愛らしさのなかに凛とした大人のエレガンスが漂う衣類や雑貨が並んでいました。美容室とコラボした地元発の洋服ブランド。「いつか取材したいな」と気になりながら時が過ぎ、美容室は閉店してしまいました。
でも、願いはいつかかなう! カモカモマーケットで「nu:u」が出店していることを聞きつけ、ようやくお会いすることができました。聞けば、かつて森ノオトのリポーターといて活躍していた末吉真由華さんと高知県時代からのご友人だったとか! そんな二人がカモカモマーケットで再会し、森ノオトでまたつながるとは……。
「nu:u」は11/23の森ノオトマルシェ「あおばを食べる収穫祭」にも出店します。布アクセサリー、布雑貨、そして国島さんお得意の洋服もそろえたフルラインナップとのこと。これは楽しみすぎる!!!
「今後はできれば、洋服にしぼっていきたいんですよね。でも、洋服をつくると必ず端切れが出てきます。布が好きだからもったいなくて捨てられなくて、結局、雑貨やアクセサリーなどをつくって小物が増えてしまう。できたら洋服と鞄、ファッション小物、トータルでコーディネートできるようなラインナップにしていきたいです」
と、今後の展望を語る国島さん。
……え? それって、わたしのために言ってくれたの? 実はキタハラは「nu:u」テイストが大好きです。ストンと肩の落ちたAラインのワンピースをロールアップしたデニムやレギンスと合わせ、足元はくつしたの重ねばきとレッグウォーマー、胸にはコサージュ、トップスはドルマンスリーブが好きで、首元はストールを巻きたい。……なーんだ、すべて「nu:u」でコーディネートできるじゃないですか!
その場で「年に4回、春夏秋冬でキタハラの服をコーディネートしてもらえますか?」と依頼をしてしまった、キタハラです。国島さんはちょっと驚いて、でも、すぐに「おもしろそう!」と話がまとまりました。
移ろいゆく季節を身にまとうように、天然の布に自分を重ね、春夏秋冬の装いを楽しみたい! 食の地産地消、住まいの自然共生、そして衣の地域循環が始まりそうな2014年。森ノオト流・ナチュラルファッションの発信が始まりそうですよ。
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